冷蔵庫に食材を入れようとする女性

「こんなとき、何を食べればいいの?」――そんな食事の悩みを管理栄養士の中村美穂さんが解決。体の悩みや不調からのリカバリーに役立つ栄養知識を、食の処方箋としてご紹介します。

第1回のテーマは「疲労回復&体力アップ」です。

シーン1:疲れやすいのが悩み。疲れをとって元気になりたいときは何を食べればいい?

疲れ

摂りたい栄養素

  • タンパク質、鉄、ビタミンC、クエン酸……疲労回復を促す
  • ビタミンB1……エネルギーの代謝を促す
  • アリシン、硫化アリル……ビタミンB1の吸収を促す

おすすめの食材

  • 枝豆……タンパク質、ビタミンCなどのビタミン類、ミネラル、食物繊維
  • 豚肉……タンパク質、ビタミンB1
  • ……タンパク質、ミネラル、ビタミンC以外のビタミン
  • にんにく……ビタミンB1、アリシン
  • 玉ねぎ、ネギ、ニラ……硫化アリル
  • 柑橘類、梅干し……クエン酸

栄養を摂るべきタイミング

夜寝ている間に身体が回復できるように、就寝の3時間前までを目安に夕食をとりましょう。夜遅い食事は消化に負担がかかり、疲労回復を邪魔するので控えること。

一日の活動源となる朝食をバランスよく食べることも大切です。

避けたい食事

消化に負担のかかる脂肪の摂取は控え、赤身の肉や魚、大豆製品がおすすめ

また、糖質を摂りすぎると、疲労回復に役立つビタミンB1が糖質の代謝に使われてしまいます。糖類を一度に多く摂ると血糖値が急上昇し、倦怠感が生じるので避けましょう。

中村美穂さん
中村さん

ダイエットを意識している方や肉を控えている方は、タンパク質不足になりがちです。豚肉にはビタミンB1や鉄分も多いため、疲労回復には理想的。

にんにくや玉ねぎ、ネギ、ニラと食べ合わせるとビタミンB1の吸収率が高まるので、炒め物などで取り入れてみては?

シーン2:明日はイベント! 体力をつけたいときの食事はどうする?

走る女性

摂りたい栄養素

  • 糖質……エネルギー源
  • タンパク質……疲労回復を促す
  • ビタミンB1……エネルギーの代謝を促す
  • アリシン、硫化アリル……ビタミンB1の吸収を促す

おすすめの食材

  • 米、うどん、パスタ、餅、脂肪や砂糖の少ないパンなどの主食……糖質
  • バナナ……糖質
  • カツオやマグロなど赤身魚、卵、プロセスチーズ……タンパク質
  • にんにく……ビタミンB1、アリシン
  • 玉ねぎ、ネギ、ニラ……硫化アリル

栄養を摂るべきタイミング

前日、当日は糖質を中心に。夜遅い食事にならないように、寝る3時間前までを目安に夕食をとりましょう。一度に多く食べず、こまめに補食をとることもポイント。

イベント後はタンパク質やビタミンを摂り、疲労回復を促し体力維持につなげてください。

避けたい食事

消化に負担がかかる脂質は控えましょう。肉、魚も脂肪が多いものより赤身がおすすめ。

中村美穂さん
中村さん

明日最大のパワーを発揮したいというときは、エネルギー源となる糖質を優先的に摂り、卵などの消化しやすいタンパク質をプラスして。ふだん控えている方も、体力が必要なときは糖質を摂っておきましょう。

管理栄養士の中村美穂さんに聞く「悩み別・摂りたい栄養素」。次回はシェイプアップをテーマに、ダイエットや体脂肪を減らすのに役立つ栄養素をご紹介します。

第1回:体の悩みを栄養で解決! 疲れがとれないときに食べたいものは?
第2回:ダイエット&体脂肪を落とすときは何を食べる? 管理栄養士がアンサー
第3回:貧血になりがち、体調が悪い。不調から抜け出すために食べたいものは?
第4回:筋肉、美肌、美髪がほしい! 管理栄養士に聞く、きれいになる食材
第5回:LDLコレステロール値を下げたい。管理栄養士の「不摂生を立て直す食事」

>>特集「食事バランスのキホン」の他の記事を読む

疲れを癒して

中村美穂さん

中村美穂(なかむら みほ)さん
管理栄養士・フードコーディネーター。料理好きから管理栄養士となり、おいしく楽しく身体にやさしい料理やお菓子を探求。商品開発や、保育園栄養士としての給食作り・食育活動・食事相談等の経験を活かし、料理教室「おいしい楽しい食時間」を開催。書籍・雑誌へのレシピ提供も多数担当している。

取材・文/田邉愛理、企画・構成/寺田佳織(マイロハス編集部)、image via shutterstock

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