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納豆好きが高じて全国各地を巡り、3,500種類以上の納豆を食べてきたという納豆研究家の石井泰二さん。「納豆マニアが厳選。スーパーで買えるおいしい納豆12選」「お菓子でもうまい! 納豆マニアおすすめのスナック5つ」に続き、お取り寄せしたい日本各地のおいしい納豆を教えていただきました。

足で集めたご当地納豆7選

「旅と納豆はセット」と語る石井さん。今回ピックアップしていただいたのは、石井さんが全国のスーパーや生産者を訪ねて食べ歩いた、とっておきのご当地納豆です。全国7地方別に、石井さんのおすすめコメントをご紹介します。

北海道|「北部納豆」/やまぐち醗酵食品

北部納豆
「北部納豆(中粒)」170円(税込)/70g

「十勝産以外の大豆は認めない」とメーカーが宣言している、こだわりの納豆(無農薬大豆使用)。坊主頭の男の子が納豆を食べているキュートな絵は、現社長のお父様が社長の少年時代を描いたものだそう。

地元の大豆生産者のファンも多い逸品で、天然サンゴカルシウム配合というのもこれまたこだわりのひとつ。

東北|「女神の納豆」/こだわりや本舗

女神の納豆
「女神の納豆(大粒)」170円(税込・2食入り)/50g

大豆イソフラボンを多く含む大豆を使用した、その名の通り女性にうれしい納豆。伊達郡川俣町で作られ、桜の名所として知られる花見山のふもとで販売しています。

東日本大震災を乗り越えて再開された、復興のシンボルとも言える素敵な女性社長の思いのつまった納豆です。

関東|「いばらき 農家の納豆」/菊水食品

いばらき農家の納豆
「いばらき 農家の納豆」1847円(税込)/30g×6パック

最近発表されたばかりの新顔。菊水食品が6組の大豆農家とタッグを組んで、6種類の納豆を生産者の似顔絵入りのパッケージで売り出したものです。

同じ豆でも生産者によって味わいが変わる、その違いを食べ比べて楽しむという趣向。すべての大豆は、農薬を使わないで、それぞれの農家の工夫による栽培法でていねいに育てられています。

菊水食品の社長は納豆づくりの名人でもあり、“ちゃんと豆と向き合わないとうまい納豆は作れない”と常々仰っています。

中部|「レルヒさんのピリ辛とうま味がこりゃたまらない納豆」/高橋商店

レルヒさんのピリ辛とうま味がこりゃたまらない納豆
「レルヒさんのピリ辛とうま味がこりゃたまらない納豆」160円(税込)/95g

新潟市の高橋商店は、個人的に市内ベスト3に入るほど老舗納豆屋さんです。ネーミングから変わり種だと思われがちですが、実はこれが本格的な味わいというギャップに驚かされます

ハバネロを前面に押し出しながらも、その奥に鰹節や醤油の風味を感じさせ、ピリ辛な福神漬けのような味わい。ベースとなる納豆が美味しいからこそ、個性の強いフレーバータレが引き立つのでしょう。実はパンにもよく合います。

関西|「弁慶納豆」/碓井商店

弁慶納豆
「弁慶納豆」150円(税込)/30g×3パック

和歌山県は関西でも最も納豆の希薄なエリア。しかし、約100年前に創業者が秋田県で納豆の製造方法を学んできたという「弁慶納豆」は、これがなんとほんとに良き納豆なのです。

いちばんの特徴は、大豆ひと粒ひと粒が非常に柔らかいということ。国産大豆の選別に始まり、すべての工程において丁寧に手造りされた納豆です。

中国|「神のつぶ」/鳥取中央農業協同組合

神のつぶ
「神のつぶ」190円(税込)*編集部調べ/40g×3パック

西日本でも納豆の消費量が多く、力強い味わいが特徴の鳥取の納豆たち。こちらは三朝町神倉集落で古くから守り継がれてきた地大豆「三朝神倉」を使用しています。イソフラボンが多いとされる大豆で、食べやすくおいしい納豆です。

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ちなみに給食メニューから広がった「スタミナ納豆」(鶏ひき肉とひきわり納豆を一緒に炒め、醤油とタバスコソースで合えたもの)は、鳥取県が発祥の地。地元では小学生の人気ナンバーワンメニューです。

九州|「海想う」/カントリーママ

海想う
「海想う」260円(税込)/50g×2パック

「カントリーママ」さんはもともと農家の方。“母から受け継いだ食べ物を子どもたちに返す”というモットーのもと、自ら育てた無農薬の大豆を母譲りの製法で納豆にしています。

パッケージのイラストは、山の上にある畑から見える有明海を、地元のイラストレーターに描いてもらったものだそう。有明の海のためにもよい畑を作りたいという想いから、「海想う」と名付けたのだとか。よい土とよい水から生み出された、菊池産のオーガニックの大豆の味わいに愛おしさを感じます。

今回は「お取り寄せ納豆」というテーマでお伺いしましたが、石井さんご自身はお取り寄せよりも、実際に足を運んで買いに行く、生産者の話を聞きに行くのが楽しみだそう。

「納豆はその地域に根差しているものだから、本当は地元で食べるのがいちばんおいしいんです。日本酒なんかと一緒ですね」(石井さん)

旅先で出会った納豆を持ち帰り、思い出とともに味わうのもまた格別とのこと。こだわり納豆のお取り寄せを満喫したら、次はご当地納豆を求めてぶらり旅……というのも、素敵な息抜きになりそうです。

納豆研究家・石井泰二さん

2002年に「新宿納豆」に出会ったことがきっかけで納豆の面白さに開眼。日本の地納豆と近代納豆成立の歴史を研究し、これまで食した納豆は3500種類を超える。集めた納豆の情報は「納豆ウィキペディア」として公開。テレビ出演などメディアでも活躍中。

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