ワインに適した温度は? と聞かれれば、白は冷やして、赤は室温で、とたいていの人が答えるでしょう。とはいっても、土地や季節によって、室温にもかなりの差があります。ワインでいう室温って、いったい何度? と悩んでしまうことも。

ワインによって異なる適温を冷蔵庫で調節

フランスのコミュニティーサイト「Lintern@ute」に掲載されたホテル・リッツの元ソムリエ・チーフJean-Michel Deluc(ジャン=ミシェル・ドゥリュック)の言葉によれば、ワインの温度調整に一番役立つのは、冷蔵庫なのだそう。赤ワインを冷蔵庫に入れるのはつい邪道に思いがちですが、同氏によれば、白に限らず赤でも「冷蔵庫は使いよう」。ただし、忘れてはならないコツは、冷蔵庫のどの場所で、どのくらいの時間冷やすかだそうです。

まず頭に置いてほしいのは、甘口のワインは6-8度白ワインとロゼは10-12度軽めの赤ワインは15-16度グラン・ヴァンと呼ばれる長期熟成に耐えうる赤ワインは18度で供せられるべきということです。

(「Lintern@ute」より翻訳引用)

同氏がレクチャーする、温度が低いものから順に置くべき冷蔵庫の場所と時間を要約すると次の通り。

・一番冷やすべき甘めのワインや発泡酒は、冷蔵庫上部に2時間。

・辛口の白ワインとロゼは、冷蔵庫下部に2時間。

・軽めの赤ワインは、冷蔵庫のドアに30分。

・年季を経た値打ちワインは、冷蔵庫のドアに15分。

これを読み、なるほど! と思い出したのが、マレーシアの友人宅でいただいたディナーです。ごちそうとともに振る舞われた赤ワインは、冷蔵庫でいくぶん冷やしたものでしたが、意外にスッキリ飲みやすく驚いたことがありました。常夏の国マレーシアでもひときわ暑い時期でしたから、今から思えば、冷蔵庫で冷やされて、ちょうどその赤ワインの適温になっていたのかもしれません。

そしてドキッとしたのは、発泡酒も白ワインも冷蔵庫に入れるのは2時間だけという部分。いつもホームパーティーでは、シャンパーニュはテーブルセッティングや料理に取りかかる前、かなり早い時間から冷蔵庫に入れていたような気がします。ということは、おそらく、いや確実に冷やし過ぎていた……確かに、せっかくのフルーティな香りも冷やし過ぎでは台無しですから、次回からは気を付けなくてはと反省した次第です。

また、冷蔵庫は栓を開けた後のワインの保管場所としてもおすすめだそうです。

開栓したワインは室温には置かないこと。たとえ赤ワインでも冷蔵庫に入れてください。その方が味が長持ちします。飲むときに、適温に戻せばいいのです。

(「Lintern@ute」より翻訳引用)

同氏によれば、開栓して24時間以上経ったワインはどうしても味が落ちてしまうそうですから、開けたワインはその場で飲み終えるのが一番、と覚えておくのが良いかもしれません。

Lintern@ute

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