沖縄では、街のあちこちでリアルにチャンプルー文化を感じます。路地に迷い込むと、「いったいここはどこ?」というような、不思議な、でも懐かしい風景に出合うことができます。コンクリート造りの建物に、直接ペンキで書いた看板の文字。アルファベットや漢字がミックスされており、それが今は風化されてかすれて、ストリートアートのようになっている。そこに歴史があり、今も脈々と人々の息吹がある。

他国と貿易を盛んに行っていた時代の名残、その後の占領地となったときの名残、いろんな名残にふれるたび、なんとも形容しがたい、つかのまの旅人のような気持ちになります。そして、今こうして沖縄にいることの奇跡に、手を合わせたくなるような、そんな風景

それは、「食」のあり方ひとつとってもそうであるように、沖縄のふつうの家庭では、「ポーク」といって「スパムミート(ランチョンミート)」やタコスの具をのせたタコライス、はたまたバンシルー(グァバ)、野菜パパヤーなどが当たり前に食卓に並びます。

20180607_shima_01.jpg先日は、すぐ近くのスーパーマーケットで「青唐辛子」を見つけました。「でも待てよ、これは……ハラペーニョじゃん!」と思わずカゴに。メキシコ料理には欠かせないチリペッパー、ハラペーニョは酢に漬けてピクルスにします。タコスチップスとチーズと共に、この酢漬けパラペーニョも刻んでのせたナチョスは、もう最高。暑い日にはビールといっしょに。

20180607_shima_02.jpgそれからレモングラスも元気にわさわさはえています。根っこの太い部分を細かく刻んでナンプラーとにんにくに漬けておけば、いつでも爽快なレモングラスをたのしむことができますシーフードのマリネやひき肉を使った料理のアクセントとして実によろしい。葉の部分はレモングラスウオーター。ほんのりレモンの香りの草の青さが香る水。ごくりとすれば、たちまちすっきり。

20180607_shima_03.jpgホーリーバジル、トゥルシーはバイポラパーとしてタイ料理には欠かせません。こちらもナンプラーに漬け込んでおきます。

20180607_shima_04.jpg小粒な島にんにく、まもなく旬が終わるトマトなどで、メキシコやアジアの料理をつくるときの匂いがたまりません

ここは沖縄島ですが、香りで海をひとっ飛び。そんな遊びをたのしんでおります。

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