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冬になると見かける機会が多くなる、甘くておいしいいちご。味わいはもちろんのこと、低カロリーで美肌に役立つ栄養素が豊富なところもうれしいフルーツです。今回は、いちごのなかでも栃木を代表する品種「とちおとめ」の魅力とおいしい食べ方を、管理栄養士で東京糖尿病療養指導士の酒井葉子さんが教えてくれました。

「とちおとめ」はなぜおいしい? 保存のコツは?

露地物のいちごの収穫時期は5~6月ですが、「とちおとめ」のシーズンは11月頃から始まります。栃木は冬の日照時間が長く、夏と冬、昼と夜の寒暖差が大きい地域。酒井さんによると、この寒暖差に鍛えられることで、甘くておいしいいちごになるとのこと。日光や那須、八溝山地(やみぞさんち)から流れ来る豊かな水も、大粒のいちごを育む立役者です。

「とちおとめ」のおいしさは、その収穫方法にも秘密があります。いちごは暑さに弱く、果皮が軟弱になって果実が傷んでしまうため、栃木のいちご農家は気温が上がらない早朝のうちに収穫を終えるのだとか。収穫後も常に温度を低く保った部屋で管理し、フレッシュなおいしさを維持しています。

この方法は、私たちがいちごをおいしく保存したいときにも役立ちます。お店でいちごを購入したら、できるだけ早く冷蔵庫へ。その際は、温度が比較的高い野菜室ではなく、温度が低い冷蔵庫の奥のほうに入れると良いようです。

豊富なビタミンC、カリウム、食物繊維が美肌をつくる

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ひと粒(約20g)約5~6kcalと低カロリーで、栄養豊富なことでも知られるいちご。酒井さんがとくに注目するのは、冬の肌トラブル対策に役立つ栄養素です。

いちごには、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCはコラーゲンの生成を促し、お肌のハリを保つために欠かせない栄養素です。抗酸化作用をもつため、体内で増える活性酸素を抑え、シミやそばかすの予防も期待できます。

(「Diet Plus」より引用)

ビタミンCに加えて、カリウムの存在も見逃せません。

いちごに豊富に含まれるカリウムは、余分な塩分を排出する働きがあります。余分な塩分が排出されると、むくみがなくなり、フェイスラインがすっきりになることが期待できます。

(「Diet Plus」より引用)

さらに、いちごには食物繊維もたっぷり含まれているため、腸内環境を整える働きも期待できるとのこと。

酒井さんによると、フルーツの1日の摂取目安量は80kcal。おおよそ16粒(230g)のいちごを食べると、ちょうど80kcalに当たります。

食べるタイミングとしては、エネルギーが不足しがちな「」がおすすめ。洗うだけで手軽に食べられるいちごは、目覚めのフルーツとしても最適です。

手作りスイーツはタンパク質をプラスして美肌をキープ

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いちごを使った手作りスイーツのレシピから、美肌にうれしい3品を酒井さんがチョイス。ハリのある肌に欠かせないタンパク質をセットで摂れるように、豆乳や牛乳といった食材を使ったものが選ばれました。どれもカロリーは150kcal未満です。

1.いちご豆乳甘酒 <130kcal>

美肌やストレス緩和に役立つビタミンCが豊富ないちご、エネルギー代謝を促すビタミンB1が豊富な甘酒、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンが豊富な豆乳を使った、女性にうれしいドリンクです。寒い季節はホットで飲むのもおすすめだそう。

2.いちごのミルク寒天 <145kcal>

いちごに含まれるカリウムと、寒天の水溶性食物繊維が体内の余分な塩分を排出してくれるため、高血圧予防効果も期待できるスイーツ。牛乳からカルシウムが補給できるのもうれしいですね。

3.ゴロゴロいちごソースのヨーグルトプリン <149kcal>

ヨーグルトと牛乳で作るヨーグルトプリンは、タンパク質とカルシウムをしっかり摂れるのが魅力。さらにいちごが加わることで、ビタミンCもたっぷり。いちごソースは電子レンジでチンするだけの簡単レシピです。

いちごの鮮やかな赤い色は、手作りスイーツを華やかに仕上げくれます。イベントの多いホリデーシーズンにもぴったりの3品です。

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酒井葉子(さかい・ようこ)さん
管理栄養士、東京糖尿病療養指導士。幼少期にアトピー性皮膚炎で悩み、体の内側から見直す必要性を感じて管理栄養士に。大学卒業後は、給食管理業務や医療機関での栄養指導に携わり、現在は保健指導やコラムの執筆に従事している。

Diet Plus

image via Shutterstock

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