料理家・松本日奈さんが、台所を中心にまわる日常や「おいしい」に関わるモノやコト、台所仕事の負担を軽くして楽しいものにかえる“ひと工夫”をつづる連載「テーブルに ひと工夫」。

今回は、「夕食作りをラクにする、朝のひと手間」を紹介します。

夕食を、より簡単に、よりおいしくする“朝のひと手間”

連載の初回で紹介した「夜のひと手間」と同様に、私には朝のルーティンもあります。

私はこの「夜のための朝支度」が、とても好きです。なぜなら、朝にひと手間をかけおけば、夕食作りがラクなうえにおいしくて、時間に余裕もできて、何だか得した気分になるからです。

漬けおき(マリネ)

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肉や魚に、塩と少しの酢、オリーブオイル、残っているハーブをまとわせておく。

塩もみ、下ゆで

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野菜を下ゆでしたり、カットして塩もみしたりしておくだけで、夕食の準備はずいぶんとラクになる。

うすい出汁で煮ておく

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煮物はうすい出汁で下味をつけておくと、味を含んでおいしくなり、肉はほろほろと柔らかくなる。

朝に味を作り込まず、軽く塩をしたり下味をつけておいて、お夕飯の支度の際に「今日は胡麻油で和えよう」とか「さっと炒めてナンプラーで仕上げよう」とか、夕方の気分にあわせて味を調えられるのも気に入っています。

そして、もうひとつ。その日のお夕飯の分に加えて、量を少し多めに下ごしらえをしておくようにしています。そのために、食材は“少し多め”を意識して購入しています。

塩もみ、漬けおき、下ゆでしたものは、冷蔵庫で2~3日の保存が利くので、お弁当やお昼ごはんに違う味つけをして使えて便利です。

気力と体力のある朝のうちに下ごしらえをして“料理の素”を作っておき、夜に仕上げをする。毎日つづけられるひと工夫です。

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松本日奈(まつもと・ひな)
料理家。北イタリア留学中に現地の料理人やマンマから料理を学ぶ。オリーブオイルや白バルサミコなどの調味料を使い、シンプルで素材を生かした家庭料理を提案。レシピ開発やケータリング、ひな弁と活動の幅を広げる。料理教室は毎回キャンセル待ちになるほどの人気ぶり。目黒区鷹番にある食材店「ラ・プティット・エピスリー」を営む夫、ふたりの娘、愛犬と暮らす。インスタグラム

写真・文/松本日奈

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