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料理で最初に食材を切るのは間違い。「伝説の家政婦」志麻さんが教える台所ルール

家ごはんとキッチンのヒント

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田邉愛理

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「予約がとれない伝説の家政婦」として知られるタサン志麻さん。レシピ本も多く出版していますが、『志麻さんの台所ルール:毎日のごはん作りがラクになる、一生ものの料理のコツ』(河出書房新社)はひと味違います。レシピがひとつも載っていない、レシピ以前の「台所ルール」に焦点を当てた本なのです。

「レシピに書けないこと」を伝えたい

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料理人にとってはアウェイな環境である「お客様の台所」に立ち、3時間で15品を超える絶品の“作り置き”を仕上げる手腕が人気の志麻さん。本書で自らのノウハウを公開したのは、「ごはん作りが苦痛」な人の負担を少しでもラクにしたかったからと語っています。

多くの人がつまずきがちなのが、レシピ本の通りに作ったのにおいしくない、味が決まらないという失敗。その原因のひとつと志麻さんが考えるのが、レシピ本の限界です。

私もレシピを書き始めて痛感したのが、料理には「レシピに書けないこと」が山ほどあるということ。最近のレシピは特に、「より短く、簡潔に」という傾向になっています。「なぜこの工程を経るのか」が書かれていないので、おいしくするポイントをはずしてしまう。でも、ポイントさえわかっていれば、いつもの料理でもおいしく作ることができます。自分で応用することもできるので、新しく特別なレシピを覚えるよりも一生ものの知恵になるんです。

(『志麻さんの台所ルール:毎日のごはん作りがラクになる、一生ものの料理のコツ』19ページより引用)

本書は心の準備編、段取り&調理編、食材&調味料編、調理道具編の4パート構成で、志麻さんが本当に伝えたかったという料理の知恵が綴られています。あの目の覚めるような手際の良さの秘密が、この一冊に詰まっているのです。

料理は「野菜を切る」から始めてはいけない

多くのレシピ本には、使う食材の種類や切り方が最初に書いてあります。しかし、その感覚で最初にすべての食材を切っておこうとすると、調理がスムーズに進まないと志麻さん。

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私が初めにするのは、「食材を切る」ではなく「鍋をコンロに置く」こと。鍋に油を引いたら、次に玉ねぎを切ります。それをまな板からそのまま鍋に入れて炒め始め、炒めながらニンジンを切って、鍋に入れます。

(『志麻さんの台所ルール:毎日のごはん作りがラクになる、一生ものの料理のコツ』41ページより引用)

こうすれば食材でまな板がいっぱいになることもなく、食材を入れておくボウルやバットも必要ありません。玉ねぎをじっくり炒めたいカレー作りにも最適の手順です。

また、食材の下ゆでが必要なときは、台所に立ったら「まず水を入れた鍋をコンロにかける」と良いとのこと。お湯が沸くまで待つ時間を作らないことも、「実はすごく大事な段取り」だと書かれています。

「塩をふる」をマスターすると料理が変わる

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舌の肥えた芸能人をも唸らせる志麻さんの料理。その鍵を握るのが、フレンチ仕込みの“塩づかい”です。

フレンチでは基本的に塩だけで味を決めるため、「うまみを引き出す」「脱水」「臭みとり」など、塩の持つ力を存分に引き出すことがおいしさの要。とくに肉、魚、トマトやキノコといったうまみが強い食材は、しっかりめに塩をふることで、甘みやうまみがより引き出されるといいます。

肉は特に、下味にしっかりめに塩をふっておきます。後から煮込む料理でも、煮込むスープの中に塩を加えるのとではまったく仕上がりが変わります。

肉に対する塩分が弱いと、なんとなくぼやけた味になってしまうんです。肉はうまみのかたまりなので、「塩が入ることで肉を認識できる」といっても過言ではありません

(『志麻さんの台所ルール:毎日のごはん作りがラクになる、一生ものの料理のコツ』63ページより引用)

料理がぼやけた味になる人は、思いきっていつもの1.2~1.5倍を目安に塩をふってみると良いそう。主役の食材に塩を効かせておけば、後から調味料を足さなくても味が決まるし、つけ合わせの野菜は「塩味なし」でも充分おいしく食べられるようです。

私も以前、テレビで見た志麻さんのやり方で焼きそばを作ったことがあります。肉はしっかり下味をつけて炒め、野菜は塩分なしで別に炒めて後から合わせることで、自分史上最高の焼きそばに。やり方をちょっと変えるだけで、簡単においしく作れることにびっくりしました。

「疲れない簡単さが、日々食べるごはんには必要」と志麻さん。徹底して合理的なテクニックの一部を真似するだけでも、料理の腕が確実に上がりそうです。

コツを知れば楽しくなる

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志麻さんの台所ルール:毎日のごはん作りがラクになる、一生ものの料理のコツ

image via Shutterstock

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