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地球との共存を意識したら、自分の生き方が明瞭になった/DEPTオーナー・eri[前編]

Interview 気持ちよく生きる

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石上直美

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「mother」をはじめとする自社ブランドのデザイナーや、父から引き継いだヴィンテージショップ「DEPT」のオーナー兼バイヤーであるeriさん。彼女は、地球環境保全のために積極的に取り組むアクティビストの顔も持っています。

前編では、大切にしている「地球環境を守る活動」への思いや、「DEPT THIRD-HAND PROJECT」をはじめとした具体的な取り組みについて聞きました。

自分の心と行動に矛盾がなく、「整合性がとれている」状態でありたい

まずは、このインタビュー連載のテーマでもある「気持ちよく生きるための秘訣」を聞くと「自分の気持ちと行動に整合性がとれていること」と答えてくれたeriさん。

「『矛盾がない』ことが重要だと思っています。自分が気持ちよく過ごすためには、自分が好きなことをすればいいと考えがちですが、私は、自分だけの幸せを考えても気持ちよくはいられない。皆さん多かれ少なかれそうなのではないでしょうか?

それに、自分中心に物ごとを捉えていると、何かを決めるときの取捨選択がブレることに気がついたんです。自分にとって整合性が取れていて、ブレない軸となるのは、地球に負荷をかけない=地球と共存することを前提に行動すること。

日々の何気ない取捨選択もこれを前提にすることで、ブレずに気持ちよくいられるんです

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オーナー、バイヤーを務めるDEPTで

一冊の本との出合いと廃棄される洋服がきっかけに

そんな気持ちで、個人でも物を作る企業の代表としても地球環境に負荷をかけない取り組みを徹底しているeriさん。そもそものきっかけとなったのは、ある本との出合い、そして「DEPTの仕事をする中で感じた違和感だったそうです。

「15年ほど前、アメリカの元副大統領・アル・ゴアが地球環境へ警笛を鳴らした『不都合な真実』(武田ランダムハウスジャパン)という本を読みました。その時、自分のライフスタイルや会社の運営も含めて、考え直さなくちゃダメだと感じました。個人レベルで地球環境のことを考えながら行動し始めたのは、その頃からだったと思います。

その後に、父のヴィンテージショップを受け継いだとき、『なんでこんなに洋服が捨てられるんだろう』という衝撃を受けました。世間では毎秒、大量に服が生産されているのに、毎秒、破棄もされている。ファッション業界に限らず、世の中の成り立ちが終わりに差し掛かっているかもしれない──そう感じたあの時の危機感が、今の行動に繋がっていると思います」

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『不都合な真実』を読んだ頃のeriさん

より大きな視野で、環境保全のための活動をスタート

「個人レベルでは、追いつかない」

約1年前、地球温暖化に関する報告書を読んだことが引き金となり、eriさんは活動の幅を広げていったといいます。

「1年ほど前、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の『1.5℃特別報告書』を読みました。2017年の『パリ協定』で、世界の平均気温上昇を2℃より低く保とうと提唱されましたが、2℃では地球温暖化が止められないことが分かり、1.5℃へと修正されました。この報告書を読んで、『個人レベルでプラスチック製品を買わないようにしても、それだけじゃダメだ』と、今後の私の生き方が明確になりました。それで、1年前ぐらいから『もっと大きな取り組みをしよう』と考えるようになったんです」

現在、eriさんの活動は多岐に渡りますが、例えば自身がオーナーを務める「DEPT」では、洋服を仕上げるプロセスで、資源を守り、より環境に負荷がかからないように努める「DEPT THIRD-HAND PROJECT」を行っています。

「具体的には、できる限り廃棄物を無くす『ゼロ・ウェイスト』の実施や、使用する電力を再生可能エネルギーへシフトすること、石油由来の梱包材を出来る限り使用しないなどです」

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DEPT THIRD-HAND PROJECTの一貫として、コンポストと洗濯中のマイクロファイバー流出を防ぐためのネットを使用

eriさんの活動が数珠つなぎになり、今では、サスティナビリティに取り組む企業や環境NGOとのコラボ活動も増えているそう。

「2020年12月11日から始まった署名活動『あと4年、未来を守るのはいま』では、日本の環境NGOが垣根を越えて、政府のエネルギー政策へ提言するために署名を集めています。こちらで、PRのお手伝いをさせてもらっています。それから、『パワーシフトキャンペーン』のアンバサダーをしたり、『みんな電力』さんにDEPTの社員向けに勉強会をしてもらったり。

ファッションの業界のアトリエやスタジオ、オフィスや店舗を再生可能エネルギーにパワーシフトしませんか?という呼びかけもしていて、これは、後に記事にしようと考えているところです」

自分が買うものは、トレーサビリティを高く保ちたい

企業や団体とのコラボに留まらず、2021年にはeriさん自らがメディアを立ち上げ、地球の環境問題をよりわかりやすく伝えていく予定とのこと。より広く、深く、活動を強化しているeriさんですが、何がそうさせるのでしょうか。

「勉強していけばいくほど、『買えるものがほぼない』という気持ちになっちゃう(笑)。作られている物のトレーサビリティ(追跡可能性)はまだまだ低くて、原材料の記載があっても、その原料がどこで誰が作ったものか追いかけられません。でもそう気づいてさらに、自分が買うものに関してはトレーサビリティを追求したいという意識が高まりました。物を買うときの基準がよりピュアに、より明瞭になった気がします」

買い物は投票と同じ。応援したい企業に一票を!

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eriさんが愛用するプラスティック不使用の掃除用ブラシ

そんな彼女に好きな言葉を聞くと、「買い物は投票」だと答えてくれました。

「大企業だろうが、ローカル企業だろうが、物を購入することでその企業を応援する!という気持ちが大切だと思っています。面倒に聞こえるかもしれませんが、買い物をするときに一つ視点を決めると、単純に楽しいと思います。環境問題に取り組んでいる企業の商品を買おうでもいいし、プラスチックを排除した商品を選ぼうでもいいと思います。

自分のお金をどう使うかを、大切にしてもらえたら、と。結果、環境に負荷をかけずに生産されるものが売れるという状況になれば、企業の意識も高まり、良い製品がどんどん増えていくと思います」

後編はこちらから。少しずつサスティナブルな生活を始めたいという人に向けて、eriさんがおしゃれで環境に優しいアイテムを紹介します!

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eri(えり)
1983年NY生まれ、東京育ち。幼少期から両親の影響で古着を中心としたファッションに親しみ、現在は自身のブランド「mother」「TOWA CERAMICS」「VTOPIA」のデザイナーとして活動している。2015年には自身の父が1980年に立ち上げたヴィンテージショップ「DEPT」をオーナー兼バイヤーとして再スタートさせた。2020年には環境に負荷をかけない取り組みを行うDEPT THIRD-HAND PROJECTを始動。ビューティー、ヘルスケアにも高い関心を持ち、精力的に活動の場を広げている。

写真提供/eri

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