Interview_waka_top_fin

自分の心に正直に、気持ちよく生きるにはどうしたらいい? 清々しい毎日を送っている人にこれまでと今、そしてこれからを聞いてみたい──。

そんな思いで、MYLOHASはインタビュー連載を始めます。

第一回は、モデルとして第一線で活躍するとともに、ヨガ講師、女性向けウェルネスブランド「HEREIAM(へレイアム)」のディレクターと多方面で才能を発揮する、野沢和香さんに聞きました。

弾けるような笑顔の土台となっている、自分との向き合い方をたくさんお話ししてくれました。

wakanozawa_174

理想と現実の間でもがいていた20代

大学卒業後にモデルのキャリアをスタートし、その後も雑誌やCM、テレビ出演など、飛躍を続ける野沢さん。順風満帆に見えますが、意外にも、20代は仕事へのジレンマを抱えていたと言います。

「大学を卒業してすぐに、モデル一本の人生を選びました。端から見ると幸せそうに見えるかもしれませんが、20代の頃のわたしは、常に“悲劇のヒロイン”(笑)。かっこいい仕事がしたいのにできないなど、若いときに感じる特有のジレンマがあったんです。

モデルは人に選ばれる仕事なので、どんなにダイエットしたり、体を鍛えたり、中身を磨いても選ばれなければ、どうしようもない。仕方のないことと分かってはいても、それに苦しみました。自信を無くして、悩まなくてもいいことを考えすぎていた時期もありましたね」

wakanozawa_084
考えすぎてしまう自分に気がついていながら、どうにもできない時期があったそう。

考えすぎる思考を柔和にしたサーフィンとの出合い

心に葛藤や不安を抱えていた野沢さんですが、サーフィンとの衝撃的な 出合いで好転。サーフィンに人生を救われたと話します。

「26、7歳のときに、『BLUE CRUSH(ブルークラッシュ)』という映画を観たんです。ハワイで大きな波に挑む女性サーファーの物語ですが、その映画にすごく感動して! 映画を観た次の日に、サーフボードを買いに行きました(笑)。やると決めたら実行に移すのは早い方なんです。

それからすぐ海へ出かけましたが、サーフィン初日が台風の前日で(笑)。波が荒れていたので、サーフボードを持って海に出ても、波に乗るどころか生きて帰って来るのに必死でした」

“生きること”をダイレクトに感じたサーフ体験が、とにかく強烈でした」という、野沢さん。

「サーフィンをしたら、悩まなくてもいいことで悩んでいたわたしの思考が、強制的にオフされたんです。自然の中で自分は“生かされている”と思ったら、考えすぎていた自分の小ささを感じました。悩みが多かったあの頃もちゃんと幸せだったのに、幸せだと捉えられなかったのでしょうね。

サーフィンのおかげで、無理に難しく考えてしまう自分の思考パターンにも気づけて、それからは、悩んだらサーフィンに出かけて頭をリセット。悩みがなくなるわけではないけど、考えすぎる自分と適度な距離が取れるようになりました」

仲間との交流が素の“野沢和香”に戻してくれる

wakanozawa_113
インナーも「HEREIAM」から(ブランド詳細については後編で)。

サーフィンをするようになって10年以上。サーフィン仲間との交流も野沢さんの活力になっているそうです。

「サーフィン仲間は、自然とともに生きることを好むナチュラルな人たち。温かい人柄の仲間との交流が、本当の自分に立ち返らせてくれます。サーフ仲間と過ごすと一瞬で、オリジナルの“野沢和香”に戻れます。だから、自分を取り巻く状況に違和感を感じた時は、サーフィンをする。それが、気持ちよく過ごす習慣のひとつですね」

自己肯定感が高まる“自分褒め”

野沢さんはサーフィンやヨガなどスポーツ以外にも、日々、気分をリフレッシュするための習慣があるそうです。

毎日、自分ができたことを褒めるようにしています。どんな些細なことでもいいんです。例えば『事務的な雑務を片付けた』でも、『キッチンの引き出しを整頓した』とかでもOK。わたしは書き記すようにしていますが、忙しい時は、就寝前、ベッドに横になりながら出来たことを思い浮かべるようにしています」

幸せは結果よりもプロセスの中にたくさん落ちている

wakanozawa_143
自身でプロデュースしたウェアを見せてくれる野沢さん。「『HEREIAM』も仲間に恵まれました」。

自分を許して自己肯定感を高める“自分褒め”のメソッド。習慣になったきっかけを伺うと、野沢さんの真摯な人柄が見えてきました。

「私自身の理想が高く、現実とのギャップを感じやすいんです。例えば、みんなに優しくいたいのに、仕事でキツい言い方をしてしまったなど、反省することもしばしばで。周囲は『和香さんは、優しいよ』と言ってくれますが、いつも自分にダメ出しをしています。自分に厳しい面があるので、目標や目的を成功した時にしか、幸せを感じられなくて……。でも、その考え方だと目標を達成しようと努力している過程は、ずっと不幸せなんです。それで、日々の小さなことに幸せを感じようと、“自分褒め”を始めました」

自分を褒める、認めることを心がけるようになったら、気持ちが楽になって豊かになりました」という野沢さん。

「本当は、結果よりも目標へ向かうプロセスに宝ものがたくさん落ちているはずなのに、そういうことは忘れてしまいがちですよね。今は成長できた自分を喜んだり、褒めてあげたり、出会った人と血の通った会話に心を向けることの方が幸せじゃないかなと思っています。今、こんな時世で幸せを感じにくい方も多いと思います。ぜひ、自分を目一杯褒めて、日前向きに過ごしてほしいです」

wakanozawa_273-1

野沢和香(のざわ・わか)
モデルとして『STORY』をはじめ、数多くの雑誌、 CMやテレビ番組で活躍中。 2007年には全米ヨガアライアンス(ヨガ指導資格)を取得。以来、スタイルにとらわれないヨガ指導を続けている。 日本最大のヨガイベント「YOGA FESTA」でも毎年100名以上のクラスを 満員にするなど、今、日本で最も旬なヨガインストラクターの一人。2020年、ブランドディレクターとしてウェルネスブランド「HEREIAM」を立ち上げる。

後編では、野沢さんのライフワークであるヨガとディレクターを務めるBAYFLOWのウェルネスインブランド「HEREIAM(へレイアム)」について伺います。

撮影/YUKO CHIBA

後編はこちら

幸せの近道になる自分褒め

Ranking

RELATED ARTICLES