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「良質なタンパク質を摂りましょう」とよくいわれますが、そもそも「良質」とは何を指すのでしょうか。そのひとつの指標となるのが、アミノ酸スコア。管理栄養士のウィリアムズ早苗さんが、アミノ酸スコアの基礎知識を解説してくれました。

タンパク質はアミノ酸でできている

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筋肉、臓器、皮膚、髪の毛など、人間の体のさまざまな部分を構成するタンパク質。まずはタンパク質とはどういうものかをおさらいしていきましょう。

タンパク質を構成しているのは、全20種類のアミノ酸です。体内で必要量を合成できないため、必ず食事から摂らなければいけない必須アミノ酸は9種類。体内で合成できる非必須アミノ酸は11種類に及びます。

必須アミノ酸にはバリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンがあります。バリン、ロイシン、イソロイシンは「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」と呼ばれ、運動時に筋肉のエネルギー源となる必須アミノ酸としても注目されています。

「質」を決めるのは必須アミノ酸のバランス

いわゆる「良質なタンパク質」とは、健康のために欠かせない必須アミノ酸がバランスよく含まれた食品のことです。

その指標となるのがアミノ酸スコア。下記は厚生労働省の「栄養指導Ⅲ (表III-1-11)と食材健康大辞典(2005年)」から抜粋されたアミノ酸スコアの一覧です。

牛肉 100
鶏肉 100
豚肉 100
あじ 100
いわし 100
さけ 100
鶏卵 100
牛乳 100
豆腐 100
納豆 100
精白米 61
パン 44
じゃがいも 73
とうもろこし 31

値が100に近いと、9種類の必須アミノ酸のバランスが良く、良質なたんぱく質だということになります。(中略)表からも分かるように、大豆製品以外はほとんどが動物性食品です。

(「Diet Plus」より引用)

必須アミノ酸を効率よく摂取するには?

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ウィリアムズさんの指摘の通り、「良質なタンパク質」の多くは動物性食品。動物性食品には脂質も一緒に含まれるため、摂り方には注意が必要だといいます。

肉類は、貧血を予防する鉄分も多く他の栄養素も含むなどメリットもたくさんあります。脂質をできるだけ減らすには、下処理をする際に、脂身や皮などを取り除いたり、赤身など脂肪が少ない部位を選ぶなど工夫しましょう。

(「Diet Plus」より引用)

また、アミノ酸スコアが高いアジ、イワシ、サケなどの登場回数を増やし、肉類に偏らないようにすることも大切。魚介類は肉類とくらべて脂質が低く、生活習慣病を予防するといわれるDHAやEPAなども豊富だからです。

アミノ酸スコアの考え方を知っておけば、タンパク質をより効率的に摂ることができそう。ぜひ意識してみてください。

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ウィリアムズ早苗(ウィリアムズ・さなえ)さん
管理栄養士。大学卒業後、食品会社にてメニュー開発を経験。現在はオンラインでの栄養指導や、メディアでの執筆をおこなっている。私たちが抱える、食や健康に関しての問題点に注目し、解決の糸口となるようなお手伝いをすることをモットーにしている。

Diet Plus

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