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一見、真逆のイライラとクヨクヨ。実は原因は同じなのです

カラダ戦略術

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増田美加

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自分の体をきちんと知ろう! がテーマの連載「カラダ戦略術」。前回は「睡眠の悩み」について、お届けしました。今回は、女性特有の「イライラとクヨクヨ」について、女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

女性ホルモンの低下が、心の疲れに追い打ちをかける

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理由もないのにイライラして周りの人にあたってしまったり、たいしたことでもないことに怒ってしまうこと、ありますよね。

そんな自分を後悔し、またイライラしてしまうという悪循環のスパイラルに陥ります。済んでしまったことをクヨクヨと思い返し、ムカムカが募ります。

逆に、気分の落ち込みや不安感が起こることもあります。夫や子ども、家族、友人との関係、自分の仕事の悩みやストレスなども増えていきます。ここへ両親の世話や介護などが重なると、もともと多かった女性の負担が許容範囲を超えてしまいます。

理由もなくイライラして人にあたる。逆に、落ち込んで気分がふさぐ……。まったく逆のベクトルの心の症状と思いがちですが、じつは、メカニズムや原因は同じで、PMSの時期や更年期に女性ホルモンが揺らぐことが原因で現れることが多いのです。

今まで自信を持ってさまざまな役割をこなしてきた人ほど、漠然とした不安を抱いて心身ともに不安定になり、何もする気にならない虚脱状態に陥る人もいます。

ワクワク、ウキウキは女性ホルモンのおかげだった

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若いころ、箸がころがっただけで楽しくて、フフフッと笑ってしまった経験はなかったでしょうか。女性ホルモンが十分あってバランスの良いときは、明るく楽しい気持ちになるのです。

女性ホルモンの研究が進むまでは、年を重ねて分別ができ、簡単なこと、つまらないことでは笑えないと思われていました。

しかし、そうではなかったのです。気持ちがワクワクして楽しい! と思えるのは、実は女性ホルモンのおかげだったのです。

イライラして怒りっぽくなるのも、その逆に理由なく気持ちがふさいで、落ち込み、気力がなくなるのも、女性ホルモンのエストロゲンの減少が引き起こしていたものなのです。

エストロゲンには、心をコントロールする作用がある

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女性ホルモンの心への影響について、再認識しておきましょう。

女性ホルモンのエストロゲンには、人間の行動や情動、情緒などをコントロールする作用があります。ですから、PMS期もそうなのですが、さらに更年期に向かってエストロゲンが急激に低下すると、これらのコントロールがうまくいかなくなり、精神的な症状が出てきます。

近年、メンタル系の脳の働きと、ホルモンとの関係が解明されてきています。女性ホルモンは、心の安定をはかるセロトニン分泌にかかわっていることもわかっています。

また、女性は、男性よりセロトニンの合成速度が遅いこともわかっています。女性は立ち直りに時間がかかり、女性ホルモンが下がると、余計にセロトニンの分泌が落ちます。このように女性、とくに更年期世代の女性には、メンタルの対策が不可欠であることがわかります。

更年期うつから、うつ病に移行する前に

ひどい落ち込みや、不安がある人は、一度、精神科心療内科を受診しましょう。

更年期障害と心の病気は、合併していることが多いと言われています。更年期障害によるうつっぽさから、本格的なうつ病へと以降する場合もあります。そうなる前に、受診することも大切です。

更年期障害の心の不調を診てくれる精神科、心療内科に相談しましょう。通いやすいクリニックが見つからない場合は、婦人科を受診します。

また、全国に展開されている女性専門外来も丁寧に話を聞いてくれるはずです。医師との相談で、よりふさわしいクリニックや専門医を紹介してもらうこともできます。

低用量ピルやホルモン補充療法は、心の揺らぎを整える

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婦人科で相談して、低用量ピル(OC)ホルモン補充療法(HRT)を試してみるという手もあります。

低下した女性ホルモン(エストロゲン)を補充すると、精神的に安定し、気持ちが明るく、穏やかになれます。

ホルモンのアップダウンがあると、精神的に不安定になり、不安も増すと言われています。ホルモンの揺らぎ(変動)をできるだけ少なくして一定にすることは、精神的な安定に大切です。

まだ生理がある年代なら、婦人科医と相談の上、低用量ピル(OC)で女性ホルモンを一定にするという選択も可能です。

閉経後には、エストロゲンを補充するホルモン補充療法(HRT)が選択肢になります。

気分の落ち込み、イライラ、焦燥感などを緩和でき、メンタルを安定させる作用があるとされています。

自分のストレス発散法を確保して

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更年期のメンタルケアとして、効果抜群なのが「運動」です。更年期世代に運動を習慣にしておくことは、人生100年時代の一生の財産になります。

運動習慣のない人は、ウオーキングから始めてみるといいでしょう。また、インナーマッスルを鍛えるヨガやピラティスもおすすめです。

植物や水、川、海を見て歩くだけでも、精神的に上向きになれます。水には、マイナスイオン、フィトンチット効果もあります。昔から海洋療法があるくらい、海も心と体を穏やかにしてくれます。

植物や動物などの世話で、日常的なメンタルケアをしたり、趣味の時間を多くとったり、買い物、エステ、ネイルサロンなど、小さな楽しみを見つけたりすることも大切です。

好きな香りを楽しむのもいいでしょう。香りと脳やメンタルとの関係も研究で明らかになってきています。

セントジョーンズワート、イランイラン、カモマイル、ラベンダー、ローズ、ジンジャーなどのアロマオイルは、気持ちを穏やかに明るくする作用があるといわれています。

不調を周囲に理解してもらうことも大事

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自分だけでうまく改善できないときは、友人や信頼のおける知人に相談してみるのも方法です。同じ苦しみを乗り越えた経験者の言葉が救いになることもあります。

また、夫や家族、近しい仕事仲間には、「更年期でこんな不調がある」「意味もなくイライラしてしまう」、「理由もないのに落ち込んでやる気が出ない」などと、体調の変化を伝えて理解してもらいましょう

とくに、夫や家族には、「つらいので家事を手伝って」と言葉に出して協力を求めることはとても大切です。

もしも家族に更年期世代の人がいて、つらそうなら「手伝えることがあったら手伝うよ」「つらいときは休んでいいよ。代わりにやるから」と声をかけて、家事や役割を分担してあげてください。

完璧主義の人ほど気分が落ち込み、不安感に落ち入りやすいといわれています。完璧主義の人は、目標を高く持ちやすく、達成も難しく、自分を責めることにつながりがちです。完璧にはできないこともあるので、ありのままの今の自分を認めて、受け入れると気持ちが楽になります。

若いころのように、仕事も家事も時間をかけてできなくて当たり前です。その分、経験値が高いので、効率よく道具を使ってこなしたり、丁寧さが少しダウンしても自分優先でわがままにやれる仕事や家事のこなし方で“良し”としましょう。

また、タバコを吸わない、睡眠を十分にとる、疲労、ストレスをためないことも大事。好きなことや楽しいことを考えると、脳の活性化にいい影響を与えます。今、自分らしい精神コントロール法を身につけておくことは、将来のためにとても役に立ちます!

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mika_masuda

増田美加・女性医療ジャーナリスト
予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ

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