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年齢に囚われることは損でしかない。昔は「おばさん」今は「女子」

「おばさん」て誰のこと?

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田中ひかる

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「おばさん」をキーワードに、揺らぐ年齢観や女性の価値観の変化を、歴史社会学者の田中ひかるさんがつづる本連載。最終回となる第11回目も「女子」や「ガール」をキーワードに展開します。

「女子会」「ガールズトーク」に絶句

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前回、「女子力」という言葉はほとんど死語になったと書きました。一方で、中高年女性が自分たちを「女子」と呼ぶ傾向は進む一方です。例えば、中高年女性のみの集まりを「女子会」と呼ぶなど。

こうした傾向について、 NHK放送文化研究所のウェブサイト(※1)には、以下のように書かれています。

放送での使用には気を使うべきですが、プライベートな場面では話が別です。もし、気心の通じた仲間どうしでの「ガールズトーク」で「女子的にはさー、」なんて言いながら盛り上がることでつかの間でも元気になれるのなら、こんな安上がりなリフレッシュ法はないと40代のぼくなどは思うのですが、どうでしょうか。

自称「女子」や自称「ガール」について、これくらい大らかな目で見ていただけると当事者としては幸いです。もちろん、「どこが女子や!」と突っ込んでいただいてもまったく構いません。その辺は自分たちが一番よくわかっているので。

残念なのは、若い女性からの冷たい視線です。ある女性コラムニストによる「『女子』という言葉の違和感、『女』である自覚をもつ重要性」という記事(※2)には、

辞書によると「女子」という言葉は「おんなの子」や「むすめ」以外にも、「女性」や「婦人」といった意味も内包していますから、じつはどの世代の女性が使っても日本語としては間違っていません。

ただ、日本人女性、とくに30代以上の女性が積極的に「女子」と発言する姿を見ると、「自分はまだ若い」「女じゃなくて女の子だもん」と、実年齢を受け入れずに声高に叫んでいるような気がして、同性としてはほおが赤らんでしまうのです。

とあります。

この女性は、30代の女性から「ねえねえ、今度、女子会でガールズトークをしようよ」と誘われ、「『自分はまだまだ若いしイケてる』という本音が透けて見えたようで、絶句してしまった」そうです。

となると、もっと年上の私が「女子」や「ガール」を使ったら、“赤面”や“絶句”を通り越して、失神させてしまうかもしれません。

「若さへの偏重に反発した言葉」という見方も

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「女子会でガールズトークをしようよ」ではなく、「女性だけの集まりで、女性ならではの話をしようよ」と言うべきなのでしょうか。

こうして言い換えてみると、「女子会」という言葉も「ガールズトーク」という言葉も(両方ともなかなかに排他的は言葉ではありますが)、便利な“発明品”という気がします

また、「女子」と自称しているからといって「自分はまだ若い」「女の子だもん」と思っているとは限りません。若さを偏重する社会に対する反発の現れという見方もできます。言葉は生き物なので、そのニュアンスは時代とともに変化します。

2020年現在、「女子」を自称する中高年女性よりも、それに違和感を感じる人のほうが、年齢に囚われているような気もします。連載初回で書いたように、刻一刻と“年齢観”が変化するなか、年齢に囚われることは損でしかありません

私事ですが、この最終回と時を同じくして50歳の誕生日を迎えました。“50歳、昔は「初老」、今は「女子」”?

※1 NHK放送文化研究所のウェブサイトより一部引用
※2 「女子」という言葉の違和感、「女」である自覚をもつ重要性 【女30からのシアワセ道 vol.3】より一部引用

おばさんて誰のこと?

「おばさん」って誰のこと? 連載第1回「女が年をとるということ」

女性にとって、いつからか重くのしかかるようになる「おばさん」という言葉。女性のほうが圧倒的に年齢を意識させられる日本社会において、自分なりの価値観で...

https://www.mylohas.net/2020/07/215302obasan01.html

イタい? ダサい?「美魔女」はなぜ嫌われるのか

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profile

田中ひかる(たなか・ひかる)さん
歴史社会学者。1970年、東京都生まれ。女性に関するテーマを中心に、執筆・講演活動を行っている。近著『明治を生きた男装の女医―高橋瑞物語』(中央公論新社)ほか、『「オバサン」はなぜ嫌われるか』(集英社新書)、『生理用品の社会史』(角川ソフィア文庫)など著書多数。公式サイト

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