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急に胸がドキドキする、息切れする。そんなときに、まずすべきこと

カラダ戦略術

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増田美加

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自分の体をきちんと知ろう! がテーマの連載「カラダ戦略術」。前回は「コロナ禍の熱中症対策」について、お届けしました。今回は、更年期世代に起こりやすい「動悸・息切れのメカニズムと対処法」について、女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

きっかけもなく、突然起こるのが特徴

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呼吸が苦しくて、息がじゅうぶん吸い込めない感じがする。胸が重たく、つっぱる……などの息切れや動悸の症状を感じたことはありませんか?

なかには、夜寝ているときに、急に激しい動悸がして驚いて目が覚める、という人もいますし、胸がドキドキして、なんとなく息がすっきりしないという人もいます。

呼吸が苦しく、ドキドキと動悸がしたり、脈がとぶような感じがしたりすると、「不整脈かしら? それとも、もっと違う心臓の病気? 肺の病気?」と不安が募りますね。コロナ禍にある今、肺や胸の症状は、とくに心配になります。

しかし、これらは更年期世代に、比較的起こりやすい症状なのです。

階段を駆け上がったり、激しい運動をしたりしたあとは、だれでも脈が速くなったり、ドキドキしたりするものですが、更年期の症状としてあらわれる動悸や息切れは、これといったきっかけもなく、突然起こるのが特徴です。

おもな要因は「自律神経系の乱れ」

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息苦しさや動悸による“不安感”が、症状をさらに増大させることがあります。また、疲れや、ストレスが強くなると、症状を感じることが多くなります。

これらは、まさに更年期の特徴です。

おもな要因は、心臓の拍動をコントロールしたり、胃の働きを調節したりしている自律神経の乱れによるものです。

息苦しさや動悸は、自律神経失調症と関連していて、自律神経が乱れると起こりやすい症状です。

更年期になると、女性ホルモンの分泌が低下します。女性ホルモンは、脳内の視床下部、下垂体からの指令のよって、卵巣から分泌されますが、更年期になると卵巣から分泌する女性ホルモンのバランスが乱れ、脳の視床下部、下垂体のバランスも崩れます。

この女性ホルモンの指令を出す視床下部、下垂体は、自律神経系の指令箇所と近いため、自律神経系も影響を受け、バランスを崩すのです。

長く続くときは、不整脈などの検査を

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息苦しさや動悸は、はっきりとあらわれる人よりも、なんとなくドキドキするとか、胸苦しい、息苦しい、脈が乱れるなどと感じる人が多いようです。

あまり長く続いて、不安が募るようだったら、一度病院で検査をしてもらったほうがいいでしょう。

動悸や不整脈は、内科(循環器内科、心臓内科が専門)でもいいですが、息苦しさや動悸以外に更年期のほかの症状もあるようなら、婦人科を受診してみるのはどうでしょう。

更年期になると、不整脈が増える傾向にあります。症状があったら、不整脈でないかどうかをチェックしてみてください。

深呼吸をして、気持ちを落ち着かせて

もしも、動悸や息切れなどの症状が起こったときは、まず深呼吸をして、気持ちを落ち着かせることが大事です。

症状が激しいときは、空気中の酸素を多く吸い込み、一時的に血液中の二酸化炭素の濃度が低くなった「過呼吸」の状態になっていることもあります。

過呼吸への対応としては、紙袋を口に当てて、自分の息をゆっくり吸い込むようにします。このことで、血液中の二酸化炭素濃度が調節されて、発作が自然に治まります

近くに紙袋がないときは、両手で口と鼻を覆って呼吸をします。ビニール袋は窒息の危険性があるので、使わないようにしてください。

それでも、治まらない場合は、内科(循環器内科、心臓内科)などの病院で医師の診断を受けてください。

心臓の病気、貧血、肥満が原因のこともあるので要注意!

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心臓の病気でも、動悸や息切れがします。

とくに閉経後は、狭心症心筋梗塞などの心臓病に気をつけなくてはいけません。女性ホルモンのエストロゲンは、血管を守る作用もあるため、更年期にエストロゲンが減少することによって、血管も弱くなりやすいのです。

また、貧血や肥満によっても、動悸や息切れが起こります。これらにも注意が必要です。

症状があらわれたら、検査を受けて、ほかの病気が隠れていないかを確かめておきましょう。病院では、いつ、どんなときに症状があらわれるか、どうすれば治まるか、などを聞かれます。事前にメモしておくといいでしょう。

検査でいずれも異常がなく、更年期の症状だとわかれば、過剰に心配する必要はありません。

漢方薬、女性ホルモン剤も試す価値あり

息切れや動悸が更年期症状であるとわかれば、婦人科での治療は、自律神経を調整する薬、漢方薬、女性ホルモン剤などの選択肢があります。

女性ホルモンを補充してあげるホルモン補充療法(HRT)は、ひとつの方法です。また、不整脈の薬や、安定剤で症状がやわらぐ人もいます。

漢方薬は、更年期のさまざまな不調対策によく使われます。「加味逍遥散(かみしょうようさん)」は、不安や自律神経症状を和らげる漢方薬としてもよく処方されます

婦人科の医師に相談してみましょう。

エクササイズ、食事、生活全般のアプローチで

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更年期のメンタル面、フィジカル面ともに、日常的なちょっとした工夫で不調を改善することができます。

強い症状ではなく、なんとなく動悸、息切れ、脈の乱れを感じる程度という人は、予防的な対策として、ストレス解消を心がけてリラックスし、楽しい時間を持つことが大事です。好きな趣味や軽いスポーツを楽しむなどして、気分転換を図ることも対策になります。

また、適度な運動は、更年期のさまざまな症状改善に良いとされ、いろいろなエビデンス(科学的証拠)があります。軽い有酸素運動(ウォーキングや水泳など)を定期的におこなって、生活リズムを規則的に続けることで、症状はかなり緩和できます。ただし激しい運動は、不整脈などがある人には危険なこともあるので注意が必要です。

食事も大切です。何を食べればいい、というよりも、とにかくバランスが大事です。和定食のイメージで献立を考えます。更年期は、食生活を見直すとてもいいチャンスと前向きにとらえましょう。

とくに、動悸、息切れの原因が貧血なら、食生活の改善が必須です。レバー、ほうれん草、アサリなど、鉄分を多く含んだ食品を積極的に摂るように心がけます。カフェインの多いコーヒーや紅茶、アルコールなどの飲み過ぎや嗜好品のとりすぎにも注意を。禁煙も心がけましょう。

疲れると、症状が出やすくなります。疲れたなと思ったら、いつもより睡眠を多めにとることで、不調から復活することができます。

卵巣機能は下がっていきますが、上手に対処すれば、体調は復活します。日常の工夫や努力は、決して無駄ではありません。

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増田美香

増田美加・女性医療ジャーナリスト
予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ

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