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2020年に目指したいのは、内側から輝くような健康美。滞りなくすっきりと整った体を手に入れるためにも、まず見直したいのが腸内環境です。
大腸のスペシャリストとして知られる「新宿大腸クリニック」院長の後藤 利夫先生によると、腸内環境の改善に役立つのは「3つの菌」。どのように摂れば相乗効果がもたらされるのか、「インナービューティを叶える腸活」のポイントをお届けします。
ニキビや肌荒れの原因は“有毒ガス”?
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そもそも「腸内環境がよい」とは、どんな状態のことをいうのでしょう。後藤先生によると、そのポイントは2つ。善玉菌が多く悪玉菌が少ないことと、菌の多様性があるということです。
後藤利夫先生(以降、後藤先生)
腸内に棲む細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分類されます。善玉菌は食べ物の消化吸収を促し、ビタミンを合成し、免疫を活性化します。善玉菌が増えると悪玉菌が減り、悪玉菌が有毒なガスを作ることも防いでくれます。
カラダの内側からきれいになるためには、これら善玉菌の働きが欠かせません。ニキビや肌荒れが起きるのは、悪玉菌がタンパク質や脂質を分解するときに生じるガスが一因。便秘やお腹のハリも、このガスが原因のひとつ。悪臭を持つガスなので、口臭や体臭ももたらします。
後藤先生
善玉菌の種類としては、発酵食品に多く含まれる乳酸菌、酵母菌、麹菌などがあります。インナービューティの観点からいうと、糖を分解する過程でビタミンB2を作ってくれる、乳酸菌や酵母菌は重要です。
乳酸菌や酵母菌は、腸内でビタミンB1、B2、B6、B12などのビタミンB群を合成します。このうちのビタミンB2は皮膚、髪、爪などの細胞の再生・修復に役立つビタミンで、日焼けした肌を回復させるためにも不可欠。人間は自分ではビタミンB2を作れないので、食べ物から摂るか、善玉菌にビタミンB2を作ってもらうしかないと後藤先生は話します。
発酵食品で「菌の多様性」を育てる
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腸活の第二のポイントは、「菌の多様性」にあるという後藤先生。現代人は子どものころに清潔にしすぎたり、抗生物質を飲みすぎたりすることで、腸内細菌の数が少ない人が増えているといいます。
後藤先生
腸内細菌は多様性を失うと弱くなり、見た目の美しさはもちろん免疫力にも悪影響を及ぼします。多様性を復活させるためには、善玉菌のエサになる野菜や果物をしっかり摂ることが大切。
善玉菌を豊富に含む、ヨーグルト、漬物、キムチ、ザーサイ、味噌、醤油などの発酵食品を積極的に食べることもおすすめします。
牛乳をヨーグルトやチーズに変えるのは乳酸菌。ワインやビール、パン作りには酵母菌が用いられています。味噌や醤油、みりん、日本酒など、日本の発酵食品に欠かせないのは麹菌。これらはすべて、腸内の善玉菌の強力な助っ人となり、「菌の多様性」を育ててくれるのです。
乳酸菌+酵母菌+麹菌の酵素でパワーアップ!
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さらに乳酸菌、酵母菌、麹菌の3つの菌には、一緒に摂ることでパワーアップするという相乗効果があります。
後藤先生
味噌や醤油には、乳酸菌と酵母菌の両方が含まれています。 酵母菌は腸内で糖を分解し、消化をサポートする働きがあります。乳酸菌がつくる乳酸は酵母菌を活性化するため、この2つがセットになることで、糖の分解力やビタミンB群を作る働きが高まるんです。
もうひとつ重要なのは、麹菌に含まれる酵素の働きです。酵素とは、物質の分解を促進する触媒として働くタンパク質。いろいろな種類があるのですが、 麹菌が出す酵素は、炭水化物を糖に分解するパワーが強力です。
そうすると糖がたくさん生まれるので、乳酸菌や酵母菌がたくさんビタミンB群を作ることができます。エサが増えたことで善玉菌が増殖し、悪玉菌を減らしてくれるのもメリットです。
紫外線ダメージから体を守り、美しい肌や髪を保つためにも、善玉菌の力を高めることは不可欠。3つの菌と酵素を一緒に摂る“合わせ技”は、インナービューティを叶える近道と言えそう! 多様性のある元気な腸内環境を、ぜひ積極的に作っていきましょう。
後藤利夫先生
「新宿大腸クリニック」院長。1988年、東京大学医学部卒業。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法「水浸法」を開発。大腸内視鏡5万件以上無事故のベテラン医師。その普及に全国を飛び回っている。大腸がん予防から始まった腸内細菌や乳酸菌にも造詣が深く、菌のパワーを使って健康になる方法を各所で伝授し続けている乳酸菌の専門家。著書『乳酸菌がすべてを解決する』(アスコム)他。
文/田邉愛理
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