1. Home
  2. BODY
  3. 外反母趾になりやすいのはどんな人? 足の専門医が教えます

外反母趾になりやすいのはどんな人? 足の専門医が教えます

カラダ戦略術

1,304

増田美加

外反母趾の女性

自分の体をきちんと知ろう! がテーマの連載「カラダ戦略術」。前回は「更年期のサインの冷え」について、お届けしました。今回は、「外反母趾(がいはんぼし)など趾(ゆび)の変形のケア」について、女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

女性の5人に1人が悩む外反母趾。しかし病院に行っても……

外反母趾の足

外反母趾は、足の母趾(親ゆび)のつけ根が飛び出し、母趾が「くの字」に曲がってしまう病気です。私たち女性の5人に1人といわれるほど、身近な足のトラブル。悪化すると、極端に弯曲し、付け根の骨が外に突き出てきます。

「当クリニックを受診する患者さんのうち、女性の受診理由のトップが外反母趾です。初期の段階で病院を受診して、痛みを訴えても、“変形がまだ軽度だから様子を見ましょう”と言われてしまいます。

その後、進行して、かなり母趾(親ゆび)が変形してしまい、合う靴がなかったり、靴を履くときに不便で受診すると、今度は“痛みがないので様子を見ましょう”と言われました……。こんな話を患者さんからよく聞きます。

その結果、外反母趾はドラッグストアでケアグッズを買って、限界まで我慢している……という人が非常に多いのです」と足を専門に診る医師、桑原靖先生(足のクリニック表参道 院長)。

初期は、母趾(親ゆび)があらぬ方向へ曲がろうとすることから、痛みが強く出ます。しかし、変形はそれほどしていません。

徐々に進行していくと、今度は関節が完全に脱臼することで、母趾は大きく変形しますが、逆に痛みはなくなることが多いと言われています。

やってはいけない! 合わない靴を履き続けること

合わない靴

年齢とともに、「趾(ゆび)が変形して痛い……」と悩む声が増えてきます。しかし、その始まりは、もっと早くから起こっていると桑原靖先生は指摘します。

「女性の場合は妊娠、出産時にリラキシンという靭帯を緩め、骨盤を開くホルモンが分泌されています。この影響が骨盤だけでなく、全身の靭帯にも及び、足の歪みや形の崩れのきっかけになるのです。この時点で気づかず、年を経て症状が進み、更年期に出現することが多いのです」(桑原先生)

趾(ゆび)の変形は、合わないサイズの靴によっても起こり得ます。筋肉は伸ばすよりも、曲げるほうが強く作用します。形が崩れバランスが悪くなると、趾(ゆび)は、より地面を捉えようと曲げるための筋肉がどんどん強くなります。

下記のチェックリストのように、歩行時に趾(ゆび)で踏ん張る必要がある状態の靴を履き続けると、徐々に変形し、重症化すると変形したまま関節が固まり、動かなくなってしまいます。

趾(ゆび)の変形、こんな人は要注意!

  • ヒールの高い靴を履くことが多い
  • つま先の細い靴を履いている
  • スリッパのような、かかとが固定されないミュールやサンダルをよく履く
  • サイズの合わない靴を履いている
  • 扁平足である
  • 若いときより、足のアーチが崩れていると感じる

このような靴を履く習慣があったり、足の形が崩れてきている人は、趾(ゆび)が変形するリスクが高い人です。特に意識しなくても脱げない、もしくは走っても脱げないような靴が足のためにはよいでしょう。

外反母趾の原因は母趾ではなく、足のアーチ崩れによる結果

足の構造

「ハイヒールを履き続けたことが原因だと思い込んでいる人が多いのですが、靴だけが直接の原因というわけではありません。ハイヒールなど履いたこともないという人でも、“一定の条件”を満たせば、外反母趾になってしまうのです。

ですから、幅広の靴を履いていても変形する人はいます。足のアーチ構造の崩れも原因のひとつだからです。

特に、足裏のアーチを支える機能がない靴を常用していると、足の構造は崩れます。アーチ構造が崩れた状態で、体重がかかると扁平足になり、そのしわ寄せで、趾(ゆび)を曲げなくてはならなくなるのです。いずれにしても原因は、趾(ゆび)ではなく、足の構造そのものにあるのです。

そして、外反母趾になりやすい“一定の条件”とは、もって生まれた足の構造(骨の形や関節構造、靭帯の硬さなど)の問題。遺伝的な要素が大きいのです。生活習慣は、副次的な影響はあっても、主たる原因ではありません」と桑原先生。

インソールは趾を変形させない予防にも

足の診察

「まだ、趾(ゆび)の関節が固まっていない状態であれば、正しい靴や足に合ったインソール(靴の中敷き)を使うことで、曲がった趾(ゆび)は伸びて改善します。

曲がった部分にタコが繰り返しできる場合には、症状が進行している可能性があります。強い痛みが出る場合は、早めに医療機関を受診しましょう。痛みが強く炎症がある場合は、注射も行います。

しかし、湿布や痛み止めなどで痛みが楽になっても、根本的な治療にはなりません。原因が足の骨格構造のゆがみなのですから、それを改善しなければ、痛みが再発するか、痛みはなくなっても足の変形が進んでいきます」と桑原先生。

インソールは、崩れたアーチを支えてくれます。初期の外反母趾なら、インソールを使うだけで痛みが出なくなり、足の変形の進行も防げます。アーチを支えるインソールはさまざまなものが売られていますが、しっかり試着して購入しましょう。

「自分の足に合ったものでなければ意味がないので、できれば治療用のインソールをオーダーメードでつくったほうがいいでしょう。足の専門外来では、ひとりひとりの患者さんの足に合ったインソールを、医師の処方のもとで、専門の義肢装具士がつくります」(桑原先生)

インソールは予防にも大切です。靴は、なるべく足を甲、かかと、土踏まず(インソール)の3点で支えられる靴を選ぶことが大切です。このうち、どれかが欠けていると靴の中で足が前後に移動し、趾(ゆび)先に負担がかかります。

インソールのない靴を履くときは、体重が足にかかって、ベタッと足裏が広がったときに、趾(ゆび)が靴に当たらない空間的余裕のあるものを選びます。ヒールは、4cm以内で安定感のあるものならOKです。

「適切な靴やインソールを使用していても、変形してしまった趾(ゆび)が元に戻るわけではありません。特に進行して関節が完全に脱臼してしまうと、足の構造全体が一気に崩れてしまいます。悪くなりきってから手術を検討するよりも、早い段階から視野にいれておいたほうがよいでしょう」(桑原先生)

アキレス腱ストレッチで足の負担を軽減!

ストレッチする女性

「ヒール靴を履く女性は足首が硬い人が多く、足首に柔軟性がないと、歩行時に趾(ゆび)に負担がかかるのです。ですから、足首のストレッチを日常的に行うことをおすすめします」と桑原先生。

足首ストレッチは、まず体を支えるように、両手を伸ばして壁に軽く触れておきます。 そして、片方の脚を後ろに引き、前に出ている脚の膝をゆっくり曲げます。両かかとは、必ず床につけておきます

アキレス腱とふくらはぎが、ゆっくり伸びるのを感じます。反動をつけずに行うのがポイントです。両脚とも行いましょう。

年齢を重ねるほど、全身の筋肉や関節を使う運動は、ますます重要性が増してきます。日々、運動を心がけることが大切です。

お話を伺ったのは……
桑原靖(くわはらやすし)先生
足のクリニック 表参道 院長。
埼玉医科大学卒業。形成外科医。足の悩みを持つ人が多いにもかかわらず、足を専門に診る医療機関がほとんどない状況に疑問を持ち、2013年、日本初の足の症状、疾病に特化したクリニックを開設。著書に『外反母趾もラクになる!足アーチの作り方』(セブン&アイ出版)ほか多数。

足のクリニック表参道
東京都港区南青山5-6-24 南青山ステラハウス3階 TEL:03-6434-1082
公式ホームページ:http://ashi-clinic.jp/

もっとカラダ戦略術を読む

いま、毛細血管ケアがアンチエイジングに必要な理由

ここ数年、健康、医療業界のメディアで注目されているのが“毛細血管”。「毛細血管ケアとアンチエイジングの関係」を、女性医療ジャーナリストの増田美加がお...

https://www.mylohas.net/2019/11/strategy58.html

生理の出血が多い女性のうち8割は貧血かも! 疲れやすい、だるい人は要注意

生理の出血量が多い人は貧血の可能性大! 貧血はゆっくり進行するため、気づかない女性がたくさんいるのです。チェックしたい症状、どこに相談に行けばいいの...

https://www.mylohas.net/2019/10/strategy57.html

増田美加

増田美加・女性医療ジャーナリスト
予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

image via Shutterstock

    specialbanner

    Ranking

    1. 昔も今も根強い人気!「オバサンパーマ」が好まれる理由とは?

    2. 逆に太る?「炭水化物抜きダイエット」の落とし穴

    3. 2020年8月3日〜今週の運勢 【LUAの12星座占い】

    4. 睡眠で変わった毎日のコンディション。その秘訣とは?

    5. キールズの紙袋が有料化。日本ロレアルの取り組む環境問題と女性支援のいま

    6. お酒が飲めない人こそ通いたい! 日本初の「完全ノンアルコール」バーが登場

    7. ルールはたった2つ。医師考案の「夜はちみつ」で痩せる理由

    8. 猫背や四十肩につながり、見た目を老けさせる「巻き肩」解消法

    9. なぜ「劣化」という言葉が使われるのか。嫉妬心の裏返し?

    10. 卵は、食べて痩せる脂肪を燃やす食品。おすすめの食べるタイミングは?

    1. 昔も今も根強い人気!「オバサンパーマ」が好まれる理由とは?

    2. 人気トレーナーが語る。眠りと機能美エクササイズの重要な共通点とは?

    3. 逆に太る?「炭水化物抜きダイエット」の落とし穴

    4. お弁当箱をものさしに。25kg減量した管理栄養士が教える食事術

    5. 猫背や四十肩につながり、見た目を老けさせる「巻き肩」解消法

    6. 肌寒いのであたたかい鳥南蛮【こぐれひでこの「ごはん日記」】

    7. 3人のなかでもっとも仕事を任せられる顔は? 「顔の心理学」で人のすべてがわかる

    8. あなたはどれ?「4つのメンタルモデル」が教えてくれる本当の自分

    9. むくみと冷えを解消し、堂々と出せるスッキリ美脚に

    10. ルールはたった2つ。医師考案の「夜はちみつ」で痩せる理由

    1. 人気トレーナーが語る。眠りと機能美エクササイズの重要な共通点とは?

    2. 昔も今も根強い人気!「オバサンパーマ」が好まれる理由とは?

    3. 猫背や四十肩につながり、見た目を老けさせる「巻き肩」解消法

    4. 一度クサくしてしまった服を、劇的に復活させる方法。洗濯王子が教えます!

    5. O脚、ガニ股にサヨナラ。2ステップの簡単ストレッチ

    6. 女優はなぜ太らない? なりきるだけの「やせメンタル」ダイエット

    7. 毛穴・小ジワ・テカリをまるっと解決「魔法の化粧下地」。これはリピです!

    8. 内臓脂肪と皮下脂肪は別もの。それぞれの効果的な減らし方は?

    9. お弁当箱をものさしに。25kg減量した管理栄養士が教える食事術

    10. 逆に太る?「炭水化物抜きダイエット」の落とし穴

    Horoscope

    LUAの12星座占い

    毎週月曜日更新中!

    マーキュリー占星術

    毎月25日に更新中

    プレゼント応募やおすすめ情報をGET!メルマガ会員登録はこちら