時計
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ダイエットには、食事法や筋トレが効果的だということは、みなさん知っていますよね。では、体内時計を正すと太りにくい体になるということはご存知でしたか?

そのカギを握るのは、早寝早起きの規則正しい生活習慣と、何をどれだけ、いつ食べるのかという時間栄養学。

栄養士・フードスペシャリストとしてレシピ開発や栄養指導を行っている古谷彰子先生に、体内時計のリセット法、時間栄養学から基づく食事や調理法などを教えていただきました。

体内時計とは何?

体温やホルモン分泌など、体の基本的な機能は約24時間のリズムを示しています。この約24時間周期のリズムは概日リズム(サーカディアンリズム)といい、これを体内時計と呼びます。 体内時計 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

体内時計がくずれるとどうなるの?

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講師 古谷氏講演資料より抜粋

「不規則な生活は健康に害を及ぼすだけではなく、夜更かしをすると血液中のグレリン(食欲増加ホルモン)濃度が高まり、肥満のリスクが高まります。太りにくい体をつくるには早寝早起きの生活習慣をきちんとする、体内時計を正すことが大事なのです」(古谷先生)

体内時計を正しくするには?

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講師 古谷氏講演資料より抜粋

体内時計のリセットには、光と食事が有効だと言われています。朝は朝日をたっぷり浴び、夜はスマホやテレビを必ず消して真っ暗の中で眠りに就くこと。また、光よりもさらにリセット効果があるのが食事です」(古谷先生)

体内時計をリセットする食事法とは?

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講師 古谷氏講演資料より抜粋

「朝食と夕食、食事の比が多い方にリセット効果は依存します。つまり、朝食に重きを置いた方が、圧倒的に効果が表れます。その効果を引き出すために大切なのが、夕食から朝食までの十分な絶食時間。夕食後は何も食べずに翌日の朝食をしっかり食べる。それだけで体内時計が朝方になり、太らなくなります。

また、朝ごはんの時間も重要で、早い時間がベター。breakfastは、break「破る」+fast「断食」という意味。朝ごはんを抜いて昼にはじめての食事をするなら、それがその人の朝食で、遅く食べると、どんどん太りやすい夜型になっていきます」(古谷先生)

あなたの体内時計は朝型、夜型のどっち?

「仕事や生活環境で夕食を食べる時間が不規則だから、朝方か夜型か分からないという人も少なくないと思います。また、登校や通勤で毎朝7時に起きている人でも朝型とは限らないのです。

自分の体内時計が朝型なのか夜型なのかを知るためには、“休日に起きる時間”でチェックできます。予定のない休日でも早朝に起きるなら朝型、昼近くまで寝ているという人は明らかに夜型で、体内時計がくずれていると言えるでしょう」(古谷先生)

リセット効果の高い最強コンビは「脂質とタンパク質」

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講師 古谷氏講演資料より抜粋

時間栄養学的に朝食はとても大事です。朝の早い時間に、体内時計リセット効果の高い最強コンビ『脂質とタンパク質』メインの朝食をしっかりと摂りましょう。また、バランスの取れた食事であることを前提に、ご飯やパン、麺類などのGI値の高い食事もリセット効果が期待できるのでおすすめです。

私もよく作る“野菜たっぷりあったかスープ”は、たくさんの野菜と、水餃子や肉団子のタンパク質、デンプンを原料とした春雨の炭水化物などが摂れる栄養満点のメニュー。寒いこの時期の朝食にはスープを活用すると、より簡単に栄養摂取ができますよ」(古谷先生)

野菜たっぷりあったかスープ

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【材料】

  • 水 450ml
  • もやし 100g(1/2袋)
  • ニンジン 40g
  • エノキ 30g
  • チンゲンサイ 30g
  • レンコン 40g ※面倒であれば野菜ミックスでのレシピも可
  • キューピー3分クッキング「野菜をたべよう!白湯スープの素」(生姜風味)1袋
  • 春雨 10g
  • 冷凍水餃子 4個 ※肉団子やロールキャベツに変更しても
  • 醤油 小さじ1
  • 黒胡椒 少々

【作り方】

  1. ニンジン、レンコンは薄切り、エノキとチンゲンサイは食べやすい大きさに切る。
  2. 鍋に水を入れ、ニンジン、レンコンを先に入れて中火で5分程度あくを取りながら煮る。 火が通ったらエノキとチンゲンサイを入れ、中火で1分程度煮た立せる。
  3. スープの素を入れ、春雨、水餃子を入れて弱火で5分程度煮る。
  4. 春雨がしんなりしたら醤油と胡椒で味を整える。

太りにくい体をつくるためには、正しい体内時計を持つことが一番。早寝早起きはもちろん、朝食は炭水化物とタンパク質をしっかり摂ること。量は朝多め、夜軽めで、1日3食がベストのようです。まずは明日の朝食の内容を変えてみませんか。

体内時計をうまく活用する方法

古谷彰子さん
大学より、10年近く体内時計と食について研究をし、栄養士の資格を取得。耳鼻咽喉科での時間栄養学をもとにした栄養指導を行う。現在、生活習慣病と食事を主とした研究、スポーツ栄養、食育活動などを通しての料理イベントを開催したり、雑誌や書籍での献立提供、講演活動等で活躍。また、自身の20㎏減量の経験を生かし、アスリートフードマイスターとしても活動する。書籍に『時間栄養学が明らかにした「食べ方」の法則』、『食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

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