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相手との距離が近すぎると不快になる科学的根拠

Prevention カラダや心を健康にする予防習慣

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STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)

パーソナルスペース

仕事中に、同僚があなたのパソコンの画面を見ようと後ろから覆いかぶさってくる。飲み会で、よく知りもしない相手が顔を急接近。そんなとき、不快になったりしませんか。

自分のパーソナルスペースを他人に侵害されると誰だってイヤな気分なりますし、それどころか、他の人が同じ目にあっていても不快に感じることがあります。

「しかし、なぜ他人が自分に近寄り過ぎると不快に感じるのでしょうか、それにはちゃんと根拠があるのです」とプリンストン大学心理学・神経科学の教授で、『The Spaces Between Us』の著者でもあるマイケル・グラジアーノさん。

「私たちが無意識のうちに把握しているパーソナルスペースは、根本的な自己防衛法というだけではありません。パーソナルスペースは、私たちの対人行動を形づくり、他人を評価する能力の全体に影響しているのです

なぜ人は、パーソナルスペースをつくろうとするのでしょうか。専門家が解説します。

なぜ人と一定の距離を保とうとするのか

距離

image via shutterstock

他人が異様にあなたに近寄ってきて、なんだか落ち着かない気分になる。ちょうどその時、あなたの脳では、頭頂葉皮質(知覚情報を処理する部分)や、前運動皮質(動作をコントロールする部分)で、常にあなたとまわりの人たちとの距離を測り続けているのです。

「これらの脳の部分には、物や人があなたに近寄り過ぎるとシグナルを出す神経細胞があります。それがあることにより、横目でみたり、肩をぎゅっとすぼめたり、脇によけたりする反応が無意識でできるのです」(グラジアーノさん)

「私はそれに“バブルラップ神経細胞”という呼び名をつけています。それらの神経細胞が、あなたの視覚、聴覚、感触を調整し、多感覚の空間マップを築き上げ、緩衝材のようにあなたの体を守ってくれるのです」

人は無意識に空間を感じ取っている

仕事中の女性

image via shutterstock

脳は、2つのやり方であなたを取り囲む空間を調整しています。

  • 部屋の形やテーブルや椅子の位置といった目印になるものに注意を払う
  • 対象物や他人とあなたとの関連性を見極める

例を挙げると、「コーヒーカップが右ひじに当たりそうだな」と気づいたり、フォークを上手く口に当たらないように運んで食べたり、友達の隣に立つときと見知らぬ他人の隣に立つときとの距離感の違いを区別しています。

私たちがもつこの空間を測る能力は、物にぶつからないで歩けるといった単純なことから、また社会的な交流さえも操作します。

飲み会の時などに、他人とどれくらいの距離感を保つべきか教えてくれるのも、この空間を測る能力。「このように無意識にまわりの空間を感じ取ることで、私たちは安心感を得ているのです」とグラジアーノさんは説明します。

そしてその機能は、自分のみならず他人が安心できる距離感も保ってもらいたいと感じさせる働きもあるのだそう。

脳の“バブルラップ”になる神経細胞は、他人がパーソナルスペースを侵害されているのを目撃した時にもシグナルを出します。グラジアーノさんは「それが自分の身に起ったことを想像して、気持ち悪くなり、自分がその立場になった時と同様に脳が反応します」

近寄ってくる脅威から身を守る

防御

image via shutterstock

「空間をはっきりと読み取る能力は、命を守るために非常に大切なものです」と説明するのは精神科医でハーバード大学医学部の准教授としてパーソナルスペースを研究しているダフィネ・ホルト医師。

ホルト医師の研究で分かったのが、頭頂葉皮質や前運動皮質は、対象物が体から離れていくよりも、近寄って来るときの方が、より活性化されるというもの。

「自分にぶつかりそうな対象物が近くにあったり、自分に向かって対象物が飛んできたりすることを認識すると防衛反応が起こります。そうして対象物を避けたりそれから逃げたりし、差し迫る脅威から身を守ります」(ホルト医師)

命を守るのはもちろん、他のことも大切です。食事、子育て、社会的交流、セックス、そのどれもが私たちが生きていく上で非常に重要です。そしてそれらも、常にパーソナルスペースを把握し調節した上でなければできないことなのです。

次回は、パーソナルスペースを守る方法を説明します。

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