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「野菜から食べてもやせませんよ」教授が教える、太りやすい理由

筋肉学

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山本千尋

ダイエット中の女性

5回にわたってお届けした「森谷筋肉塾」夏期集中講座。最終回はダイエット中の悩み「食欲コントロール」について。

食べすぎたり、お菓子に手が伸びたりしないために、どうすれば食欲をコントロールできるのか。筋肉のエキスパート・森谷敏夫塾長、教えてください!

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第5回まとめ

  • 「食欲のコントロール」と「脂肪の分解燃焼」ができないのは、自律神経が乱れているから。
  • 野菜から食べてもやせない。
  • 自律神経を活性化させるには、メリハリのある運動をすること!

自律神経が乱れると、太りやすくなる

マシンでランニング

──意志が弱いといえば、それまでですが……。食欲をコントロールできなくて困っています。

森谷敏夫教授

森谷塾長(以下、塾長)

ろくに運動もしないで、不規則な生活を送ってるんじゃないですか?


──はい、おっしゃるとおりです。

森谷敏夫教授

塾長

やっぱりな。食欲をコントロールできないのは、「自律神経」が乱れているからです。活動するときにはたらく「交感神経」と安静時にはたらく「副交感神経」。この2つを「自律神経」といいますが、現代人は運動不足が原因で、交感神経がはたらきにくくなっている

自律神経がきちんと機能していれば、人間の身体は「食欲のコントロール」と「脂肪の分解燃焼」が自動的に行われるはずなんです。


体重計に乗る女性

──実は、この1年で2kgも体重が増えました。これも自律神経が衰えているせいでしょうか。

森谷敏夫教授

塾長

自律神経だけでなく、おそらく代謝が落ちたことも影響しているでしょう。運動をしない人は筋肉が1年に1%ずつなくなっていくことは以前お話しましたね。

筋肉が落ちる=代謝も落ちる、ということ。1%代謝が落ちると、一日あたり20kcalくらいが消費しきれず余ってしまうから、365日だと7,000kcalに相当する脂肪がついて、1年に1kgずつ太るんです。

40代以上になるとさらに拍車がかかり、何もしないと一般的に5%、多い人では7%も基礎代謝が落ちていくから、それまでと変わらない生活をしていても、なかには5~7kgも太ってしまう人がいるんです。


野菜

──太らないよう食事は野菜から食べているし、気をつけてはいるんですが……。

森谷敏夫教授

塾長

(あきれ顔で)あのね。野菜から食べてもやせませんよ


──えっ、そうなんですか?

森谷敏夫教授

塾長

野菜から食べたら血糖値の急激な上昇は抑えられるけど、やせられるなんてエビデンスはありません。まったく、猫も杓子も「野菜から」「野菜から」って……。

野菜から食べるというのは、血糖ピークを気にしないといけない2型糖尿病の患者さんのために考案された食べ方。むしろ、血糖値を気にしなくていい人は、野菜から食べたら満腹感を感じにくいので、食べすぎてしまう可能性すらあります。

和食であれば、ごはんと味噌汁とおかず、この3つを交互に食べる三角食べが一番よい。最初から主食も食べて徐々に血糖値を上げていくことが、食欲をコントロールできる食べ方なんです。


メリハリある動きが、自律神経を活性化させる

食事をする家族

──野菜から食べてもやせないのか……。何かおすすめの食べ方、あったりしますか?

森谷敏夫教授

塾長

うーん、強いて言えば「よく噛むこと」かな。古代、卑弥呼の時代の食べ物は、一度に4000回くらい噛まないと食べられなかったそうです。噛んでいる間はずっとエネルギーを使うから、昔は太った人なんていなかった。

それに咀嚼すれば、交感神経が活発にはたらきますし、交感神経は満腹中枢も刺激するので、噛めば噛むほど満腹感が得られて太りにくくなる

早食いが太るのは、血糖値が上がって満腹感を感じる前にたくさん食べてしまうから。やせたかったら、歯ごたえのあるものをしっかり噛んで、ゆっくり食べればいい


犬を散歩するカップル

──ほかに、自律神経を整える方法はありますか?

森谷敏夫教授

塾長

交感神経(オン)と副交感神経(オフ)のスイッチをひんぱんに切り替えていれば、自律神経は自然にはたらきはじめます。

ウォーキングも同じスピードで歩き続けるより、3分ゆっくり歩いたら3分早歩きする「メリハリウォーキング」がおすすめ。きつい運動のあとに、ゆっくりした運動をするインターバルトレーニングは、オンとオフを繰り返すので、自律神経を活発にしてくれます。

オフィスで仕事しているときも、長時間同じ姿勢でいないで、腕を伸ばしてストレッチしてみたり、たまには立ち上がって歩いたり。ちょこまか動いていれば、自律神経は整っていって、食欲コントロールや脂肪の燃焼もできるようになります。


チェックリスト

森谷敏夫教授

塾長

さてここで、今回の講座を理解したかどうか、抜き打ちテストをやりましょう。

理想の食事バランスと、気をつけるポイントは?


MYLOHAS

MYLOHAS

糖質6:タンパク質2:脂質2。炭水化物は抜かず、タンパク質は1食20gを3回に分けてとる!


森谷敏夫教授

塾長

ダイエットするとき、気にするのは体重じゃなくて……。


MYLOHAS

MYLOHAS

体脂肪率


森谷敏夫教授

塾長

将来、寝たきりになりたくなかったら……。


MYLOHAS

MYLOHAS

筋肉を鍛える!


森谷敏夫教授

塾長

では、最後に。電車で席が空いたら?


MYLOHAS

MYLOHAS

もちろん、座りません!


森谷敏夫教授

塾長

オッケー、よくできました。バランスよく食べて、ちょこまか動く階段はジムと思って駆け上がる。この調子で続けていけば、みなさんの身体は少しずつ、でも確実に変わっていきます。ちゃんと続けてや!


宿題

【今日の宿題】メリハリある動きを心がけよう!

  1. 歩くときは、意識的にスピードを早めたり、遅くしたりする。
  2. 早食いはNG! 歯ごたえのあるものを、よく噛んでゆっくり食べる。
  3. この記事を読んだら、さぁ、立ち上がって歩きましょう!

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第3回:糖質制限ですぐに体重が落ちるのはなぜ? 勘違いポイントを教授が解説
第4回:「朝ごはんを抜く人は早死にする」健康と筋肉に効く食事とは?

森谷敏夫教授

森谷敏夫(もりたに としお)教授
1950年、兵庫県生まれ。1980年、南カリフォルニア大学大学院博士課程修了(スポーツ医学、Ph.D.)。テキサス大学、テキサス農工大学大学院助教授、京都大学教養部助教授、カロリンスカ医学研究所国際研究員(スウェーデン政府給費留学)、米国モンタナ大学生命科学部客員教授等を経て1992年、京都大学大学院人間・環境学研究科助教授、2000年から同科教授。2016年から京都大学名誉教授。専門は応用生理学とスポーツ医学で、生活習慣病の温床になる肥満のメカニズムに関する研究や運動ができない人々のための骨格筋電気刺激研究などを精力的に進めている。

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