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太る? 高額? 美容目的はあり? 「ホルモン補充療法(HRT)」の素朴な疑問

カラダ戦略術

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増田美加

自分の体をきちんと知ろう! をテーマの連載「カラダケア戦略術」。前回は「天然のエストロゲンと言われる大豆イソフラボン」について、お届けしました。今回は、「ホルモン補充療法(HRT)の素朴な疑問」について女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

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ホルモン補充療法(HRT)には健康保険は使えるの?

「女性ホルモンが低下している気がする…。ホルモン補充療法をやってみたいけれど、高いのでは?」と思っている人が結構います。

でも、ホルモン補充療法(HRT)は、更年期障害があれば、健康保険が使えます。いわゆる更年期障害といったつらい不調でなくても、更年期の症状や骨粗鬆症、萎縮性腟炎の治療には、保険が適用されます。

けれども、骨粗鬆症の“予防”や肌の若返りなどへの美容目的の使用では、健康保険は適用されません。この場合は、自費扱いが原則です。

ホルモン補充療法の費用はいくら?

では実際、ホルモン補充療法(HRT)の費用はいくらくらいかかるのでしょうか? 保険適用の場合は、1か月数千円くらいです。

ホルモン補充療法(HRT)に使うホルモン剤、そのものの薬代は、1か月1,000円程度。保険が適用される治療なら、初診料や各種検査代などを含めて、初回は数千円から10,000円くらいでしょう。

ただし、保険診療では、ひとりの診療にゆっくりと時間をかけられない現状があります。そのため、更年期の治療を自費(自由診療)で行うクリニックもあります。

自費の場合は、初診で検査代や薬代などを含めると、数万円かかることもあります。しかし、じっくり話を聞いてくれたり、いろいろと相談してアドバイスを受けられるメリットがあります。

また、医療機関によって、大部分の診療は保険診療で行い、健康管理の指導やカウンセリングなどは、日を改めて自費扱いで行う施設もあります。

医師との相性なども大切ですので、それも含めて検討、選択してみてください

ホルモン剤を使うことで太らない?

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ホルモン補充療法(HRT)を行ったことが原因で、太ったという報告はありません

「太った」というケースで考えられるのは、つらい症状が消えて、ストレスが減り食欲が増えたことが原因かもしれません。

いずれにしても、更年期以降はエストロゲンのバリアが効かなくなり、肥満になりやすいので、これまでと同様の生活では太ります。食生活を見直して、運動を心がけることが必要です。

生理がある間は、ホルモン補充療法(HRT)を受けられない?

つらい更年期症状があるときは、閉経前でもホルモン補充療法(HRT)は、受けられます

月経(生理)がまだある時期でも、更年期のつらい症状があって、採血検査の結果、卵胞刺激ホルモン(FSH)の値が高く、エストロゲンの値が低い場合は、ホルモン補充療法(HRT)を受けることができます。

またそれほどホルモンの数値が下がっていなくても、更年期の症状がつらい場合は、閉経前でも治療を始めて構わないと言われています。

美容のために早めにホルモン補充療法(HRT)を始めたい……

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美容目的だけで、あまり早くからホルモン補充療法(HRT)を始めるのは、薦められていません

女性ホルモンのエストロゲンは、肌をみずみずしく保つ働きをします。ホルモン補充療法(HRT)を行っていると、肌のハリやツヤを保つことができます。

しかし、だからといって美肌目的のために、あまり早くから治療を始めることはお薦めできません。まだ卵巣が元気に働いているのに、女性ホルモンを補充すれば、卵巣がサボって働かなくなる可能性も否定できません

ホルモン補充療法(HRT)は、卵巣機能が低下したときに初めて必要で有効な治療法です。肌のハリやツヤは、その副次的な効能と考えたほうがいいでしょう。

ホルモン補充療法(HRT)で出血が……。妊娠の可能性は?

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ホルモン補充療法(HRT)を行って、微量の出血があっても、排卵が起こっているわけではないので、妊娠の心配はありません。

ホルモン補充療法(HRT)を始めた最初のころ、月経(生理)に似た出血が見られるために、「再び、妊娠の可能性があるのでは?」と心配になる人がいます。

しかし、その心配は無用です。

女性ホルモンを補充することで、子宮内膜が月経(生理)と同じような現象を起こしているだけ。一度、衰えた卵巣機能が復活したわけではないのです。

ただし、まだ更年期ではなく若い人が卵巣機能不全の治療のために、ホルモン補充療法を行う場合では、排卵が起こり、妊娠する可能性が出てきます

ホルモン補充療法(HRT)はいつまで続ければいいの?

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ホルモン補充療法(HRT)は、「一度始めたら、ずっと行っていかなくてはいけないのでは?」と思っている人もいます。でも、そんなことはありません。

更年期の症状を改善することがホルモン補充療法(HRT)の目的であれば、つらい症状が治まって、快適な生活が送れると満足できたら、そのときが止めどきと考えれば良いと思います。

ガイドラインでは、閉経後5年以内に始めて(最長でも閉経後10年以内に開始)、5年間以内で終わりにするのが、さまざまなリスクを最も少なく行えるとしています*。しかし、もちろんホルモン補充療法(HRT)の効果を実感して、10年以上使い続けている人もいます。

産婦人科診療ガイドライン2017 婦人科外来編(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会)

ただし、骨粗鬆症や動脈硬化の治療のために、ホルモン補充療法(HRT)を行っている場合は、途中で勝手に薬を止めてしまうと、治療効果がなくなってしまいます。医師の指示通り、治療を続けることが重要です。

ホルモン補充療法(HRT)をやめたら、症状がぶり返すのでは?

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ホルモン補充療法(HRT)を始めて、つらい症状が改善し、快適な生活を送っている人は、「やめたら再びあのつらい症状が戻ってくるのでは?」と不安で止め時がわからないという人もいます。

そんなときは、ホルモン剤の量を徐々に減らしていけば良いと言われています。急に全部を中止してしまうと不安がある人は、少しずつ減らしていくというのは良い方法です。

ホルモン補充療法(HRT)で使用する女性ホルモンの量は、少量なのでリバウンドはありません。

しかしながら、いきなりホルモン補充療法(HRT)を中止すると、エストロゲンが急激に減ったことで起こる、のぼせやほてりなどの急性症状が再び起こることがあります。

その場合は、少しずつ薬の量を減らしたり、服用する間隔を空けていくなど、徐々に薬のない状態にもっていくように工夫します。

人の体には、生体内の環境を一定に保とうとする働きがありますから、ホルモン剤の量を徐々に減らしていけば、自然にその状態に慣れていくと言われています。

ほかの薬と併用はできる?

ホルモン補充療法(HRT)で使われるホルモン剤と、風邪薬、頭痛薬やビタミン剤などの市販薬の飲み合わせは問題ありません。併用しても大丈夫です。

また、婦人科では、ホルモン補充療法(HRT)と併用して、ほかの症状に合わせて、漢方薬や睡眠薬、抗うつ薬などを処方されることもあります。

これらのお薬も問題はありません。ただし、ほかの科を受診するときには、必ず医師にホルモン補充療法(HRT)を行っていることを伝えて、相互作用のある薬が処方されたり、薬がダブったりすることを避けましょう。

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mika_masuda

増田美加・女性医療ジャーナリスト 予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ http://office-mikamasuda.com/

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