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これまで、ストレスで心が悲鳴を上げている”警報”に気づき、心が活性化する方法を自分で探すという方法を紹介してきました。
vol.1、vol.2に続き、今回は認知行動療法の中から「コラム法」という、落ち込んだときやマイナス思考になったときに使える方法を紹介していきます。
ストレスがあるとマイナス思考に
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落ち込んでいるときや、何か悩みごとがある日の夜、悪いことばかり頭に浮かんで眠れなくなったという経験はないでしょうか。
ストレスが増えていくと心は疲弊し、些細なことでも悪く考えてしまうことが増えていきます。
ストレスがあったときに、頭に浮かんでくる考えやイメージを自動思考といいます。
例えばこんなときみなさんならどう考えますか?
会社の同僚Aさんに朝、挨拶をしたのに、挨拶を返してもらえず、目も合わなかった……。
- 「Aさんは目が悪いから気が付かなかっただけかな」
- 「Aさんに嫌われた……」
- 「Aさんを怒らせるようなことをしたかも」
と考える人もいるでしょう。本当は目が悪くて気が付かなかっただけかもしれません。
ですが、嫌われたなどとネガティブな自動思考になっている場合、認知行動療法の「コラム法」をぜひ試してみてください。
気持ちが嘘のように楽になる、「コラム法」
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コラム法とは、自分の気持ちや考えを書き出すことで、置かれている状況や心の中の気持ちを整理していく方法です。それを読み返すことで、自分の心がどのような状況になっているのかを見つめ直すことができるものです。
結果として自分の考えをしなやかにして、心を軽くしていくことができます。
その方法は簡単。つらい出来事を体験したときに、頭に浮かんだ考えを書き出し、その根拠などを考えていきます。
- どのようなことが起こりましたか? (状況)
- どのような気持ちですか? (気分(%))
- どのような考えが頭に浮かびましたか? (自動思考)
- その考えを裏付ける事実は何ですか? (根拠)
- 反対の事実はありますか? (反証)
- しなやかに考えると? (適応的思考)
- 気分は変わりましたか? (今の気分)
この7つのコラムに書き込んでいくことで、気持ちが嘘のように楽になります。
特別なことのように思うかもしれませんが、友達に悩みを相談しているときの会話をわかりやすくまとめたものです。
友達が辛そうにしていたら、みなさんはまず「どうしたの?」と状況を聞くのではないでしょうか。そして「辛かったね」と共感をすると、色々な気分が語られます。それに対してあれこれ話をしながら、考えを整理していきます。
出典元:『こころのスキルアップ・プログラム 認知療法・認知行動療法の視点から』
いろいろな状況が見えれば、心も軽くなっていきます。このコラム法は「一人二役の方法」ともよばれています。
心の中にもうひとり、客観的で冷静な自分がいて、その自分に悩みを相談していくようなものだからです。
先ほどの「挨拶を無視された」例をもとに、コラム法を完成させてみます。
- 状況/どのようなことが起こりましたか?
「Aさんに挨拶をしたのに無視された」 - 気分(%)/どのような気持ちですか?
「仲がいいと思っていたのに悲しい」 - 自動思考/どのような考えが頭に浮かびましたか?
「Aさんに嫌われたのではないか」 - 根拠/その考えを裏付ける事実は何ですか?
「キツイ冗談を言ってしまった時、笑ってくれたけど、本当は怒っていたかもしれない」 - 反証/反対の事実はありますか?
「Aさんは目が悪いので、待ち合わせをするときもかなり近づかないと気づいてもらえない」 - 適応的思考/しなやかに考えると?
「遠くから挨拶したから、見えなくて気が付かなかっただけかもしれない」 - 今の気分/気分は変わりましたか?
「少し軽くなった。本当に怒っているかはわからないのでAさんに話をしてみて、怒っていたら謝ろうと思う」
このように、何かストレスを感じたときに自分の考えを書いて整理していくことで、凝り固まった頭をほぐしていくのです。
(6)の適応的思考は、書き出してみたもののスッキリしない、ということもあるでしょう。そんなときは、その考えがどれだけ現実か、実際に確かめてみればいいのです。
認知行動療法は頭の体操ではなく、体験重視型の心理療法です。考え方を変えても、問題が解決しなければ心は重いままです。
コラム法で気持ちをしなやかに
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これは悲しみや落ち込みなどの感情だけでなく、怒りの感情のときにも有効な方法です。
では、仕事や家事に追われているにも関わらず「夫がなにも手伝ってくれない」と怒っている場合を考えてみます。
- 「私ひとりが大変な思いをしてる」
- 「どうせ、もうなにを言っても無駄」
- 「前は思いやりがある人だったのに」
自分ばかりが忙しくしていて、夫はなにもしてくれないという場合、「悪いのは全部夫」と考えるのは当然のことかもしれません。
しかしコラム法でその考えが本当にそうなのか見直してみます。
- 状況/どのようなことが起こりましたか?
「お互いに仕事をしているのに、夫はなにも家のことをやってくれない」 - 気分(%)/どのような気持ちですか?
「私ばかりでイライラする」 - 自動思考/どのような考えが頭に浮かびましたか?
「夫は私にすべて任せればいいと思って、楽をしようとしている」 - 根拠/その考えを裏付ける事実は何ですか?
「夫は何をするにもすべてお伺いを立ててくる」、「自発的になにかをすることがない」 - 反証/反対の事実はありますか?
「結婚する前は、私のわがままを聞いてくれて、私の気持ちを優先してくれていた」、「私が喜ぶことは積極的にやってくれた」 - 適応的思考/しなやかに考えると?
「夫も仕事が大変で疲れているかもしれないし、私のイライラしている様子をみて、そっとしておこうと思っているかもしれない」 - 今の気分/気分は変わりましたか?
「少し軽くなった」、「私がイライラしているばかりだと、触らぬ神に祟りなしと思っているかもしれない」、「辛いときは無理せずに、手伝ってといえるようになろうと思う」
このように、何かストレスを感じたときに自分の考えを書いて整理していくことで、凝り固まった頭をほぐしていくのです。
(6)の適応的思考は、書き出してみたもののスッキリしない、ということもあるでしょう。そんなときは、その考えがどれだけ現実か、実際に確かめてみればいいのです。
認知行動療法は頭の体操ではなく、体験重視型の心理療法です。考え方を変えても、問題が解決しなければ心は重いままです。
しかし、このコラム法を使うことで、次に進む道筋が見えれば、希望を持つことができます。上記の例で言えば「実際にAさんに話かけてみる」「手伝ってと言う」というのがそうですね。
すべてを悪いと考えると絶望的になりますが、少しでも光が見えれば、心も軽くなります。認知行動療法のスキルを身につけることで、あなたの考え方はしなやかになります。
力を入れるとき、抜くときがわかれば、毎日がとても楽になります。あなたらしさを取り戻すためにも、ぜひ活用してみてください。
出典元:『マンガでわかりやすい うつ病の認知行動療法』大野裕監修(きずな出版)、『今日から使える認知行動療法』福井至、貝谷久宣監修(ナツメ社)、『悩み・不安・怒りを小さくするレッスン「認知行動療法」入門』中島美鈴著(光文社新書)
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