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運動を続けている人は誘惑に強い! エクササイズと自制心の関係

The New York Times

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エクササイズ

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スイーツビュッフェから、オンラインショップまで、私たちの周りのいたるところに誘惑があります。

そんな誘惑を振り払い、後になって悔やむような衝動的な選択を避けるために、自制心を強化したい。そんな思いに駆られがちですが、意外にもシンプルな解決法は、エクササイズかもしれないという研究結果があります。

誘惑に身を任せていては危険!

私たちみんながよいことだと認めているのに、必ずしも実行していないことのひとつが、自己制御です。

誘惑をあきらめるということは正直、楽しいことではありません。けれど自制心がなければ、体重の増加やうつ状態、金銭トラブルなど、健康や幸せに悪い影響をもたらすことも少なくありません。

こうした悪影響があることから、科学者やセラピストは自制心を向上させる方法を見つけようとしてきました。さまざまな行動療法やカウンセリングの効果はかなり期待されていますが、そうした手法は通常、専門家の助けを必要とし、また多くは極端に衝動性の強い人たちの治療に使われるものです。

少しだけ自制心をアップして「小さな悪魔のささやき」に抵抗したいという私たちのために役立つ、科学的に有効な方法はあまりなかったのです。

まずは気分のポジティブ効果から

ケーキ

Karsten Moran for The New York Times

米カンザス大学の研究チームは、エクササイズが自制心に与える効果に関心を寄せ、2017年にその研究結果を医学専門誌『Behavior Modification(行動修正)』に発表しました。

エクササイズに大きな心理的効果があることは、よく知られています。たとえば、エクササイズをすると気持ちが明るくなり、自分の能力に対する自信も増します。研究チームは、人が衝動を抑える力もエクササイズによって変わるのではないかと推測しました。

心理学でいう「遅延割引」とは?

そこで研究チームは、まず男女のボランティア4人に参加してもらい、小さな予備実験を行うことにしました。4人は普段座りがちだったり、太りすぎていたりする人たちで、エクササイズの目標は5kmのランニングを完走するためと伝えました。そして心理的影響も含めたトレーニングの結果を調べました。

トレーニング開始前には、心理学でいう「遅延割引」に関する質問を含んだアンケートを行いました。「遅延割引」とは、未来の楽しみのために、目の前にある楽しみを先延ばしできる能力を測る心理学の指標です。

たとえば、今日5ドルをもらうのと、来週15ドルをもらうのと、どちらがいいかという選択です。この「遅延割引」に関する質問票は、専門家の間で自制心を測る有効な指標とされています。

次にボランティアは2か月間、ウォーキングとジョギング療法をこなした上で、週3回、45分間ずつの面談で研究者らから指導を受けました。研究者たちは、きつく感じても続けられるペースを維持するようアドバイス。またボランティアには、毎週アンケートにも答えてもらいました。

最後にトレーニング終了から1か月後に、ボランティアたちに大学へ来てもらい、もう一度テストを行いました(ボランティアのうち2人は後に、実際の5kmレースも走りました)。

トレーニング終了1か月後でも?

ウォーキング

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結果は非常に興味深く、「遅延割引」に関する質問からは、ボランティア4人中3人の自制心が大きく向上したことが分かり、トレーニング後1か月たってからのテストでもそれは維持されていました。一方、トレーニングを数回欠席した残りの1人は、衝動性の抑制に変化がみられませんでした。

4人だけを対象とした研究ではあまりに小規模なので、研究チームは次にさまざまな年齢、体重、フィットネスレベルの女性12人で同じ実験を行いました。この実験では健康のためと言って、トレーニングを行ってもらいました。

結果はボランティア4人の予備実験とそっくりで、ウォーキングとジョギングによるトレーニング終了後のアンケートで、自制心は明らかに向上していました。

自制心の向上に比例したのは……

そして、自制心の向上はトレーニング量と比例していました。トレーニングに参加した回数が多かった女性、またはジョギングの平均ペースが上がった女性ほど、アンケートでの「遅延割引」のスコアが上がっていました

またトレーニング終了後は大半の参加者がエクササイズを徐々に減らしていたにもかかわらず、1か月後でも自制心の強さが持続していた点も同じでした。

この実験を率いたカンザス大行動科学博士課程のマイケル・ソフィス氏は、これらの結果を見て、エクササイズは自制心を簡単に強化できる方法ではないかと述べています。

二つの実験では、ケーキを見ないふりをするのに、エクササイズが役に立つのかどうかはわかりません。けれどソフィス氏は過去の研究で、定期的なエクササイズによって、高度な思考や意思決定をつかさどる脳の部位の働きが変化するという結論が出ていることを挙げました。意思決定、つまり衝動の抑制にも重要な役割を果たす部位です。

エクササイズ自体が「遅れてやってくるご褒美」

体重

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またソフィス氏は、エクササイズには私たちの自制心にもっと抽象的な心理的効果を与えるとも言います。

私たちの多くにとってエクササイズ自体が、凝縮された「遅延割引」なのです。エクササイズを一生懸命している最中は、必ずしもすぐに快感は得られません。しかし自分も続けることができたと思えば、後で素晴らしい気持ちになるし、その感覚はさらに後の意思決定にも影響するでしょう。

もちろん、これらの実験は合わせて16人だけを対象にした小規模で限定されたもので、基本的に自制心を人工的に、数学的に評価したものです。たとえば、ボランティアに参加した人たちがその後、毎日の生活の中で衝動をより抑えられるようになったかどうかについては追っていません。ソフィス氏らは今後の追跡研究で、実生活におけるエクササイズの自制心への影響を調べたいと考えています。

ただしソフィス氏は今の時点でも、普通の人は「定期的に体を動かすことで、自制心を向上させることができる」と言うことができるだろうと述べています。

定期的にエクササイズ!

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©2017 The New York Times News Service[原文:How Exercise Might Increase Your Self-Control/執筆:Gretchen Reynolds](翻訳:Tomoko.A)

甘糟智子(翻訳)

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