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膣が痛くてセックスできない「性交痛」の原因は?

The New York Times

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更年期の女性の約半数が、腟(ヴァギナ)の乾燥や性交痛に悩んでいます

ホルモンに関する執筆の多いアメリカの医療ジャーナリスト、ランディ・フッター・エプスタインさんが、ドライヴァギナ(膣の乾燥)について専門医を取材しました。

筆者のホームパーティで話題に上ったのは……

パーティー

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わが家でホームパーティを開いたときのこと。初対面の人も含めてミドルエイジの女性数人でおしゃべりを始めると、簡単な自己紹介の後、すぐに話題は「更年期」に移りました。私たち世代のお決まりのテーマですが、このときはホットフラッシュの愚痴を飛ばして、すぐにセックスの話になったのです。

そこへ男性ゲストの一人がふらっとやって来て、私たちに何について話しているのか尋ねました。友人が、「えーっと……ドライヴァギナについてよ」と答えると、男性は立ち去らずに、話の輪に残りました。

更年期の女性の約半数が、膣の乾燥や性交痛に悩んでいます。なのに、そうした悩める女性で、治療などによる緩和や助けを求める人は、半分もいません。多くの女性にとって、膣の乾燥や性交痛はいつの間にか始まるもので、更年期のホルモン変化と結び付けては考えにくいのでしょう、と医師らは言います。

更年期がすぎても、膣の乾燥は終わらない

更年期には、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減り、膣の粘膜が薄くなります。シカゴ大学の産婦人科教授で、女性の性生活の健康に関する同大のウェブサイト「WomanLab」のディレクターを務めるステーシー・リンダウ博士によると、エストロゲンは膣の細胞だけではなく、尿道や膀胱、外陰部を形成している細胞にも影響します。「エストロゲンが機能しているときは、血流も改善され、膣の弾力も保たれます

エストロゲンの変化はまた、膣粘膜の内側に住む“善玉”バクテリアの性質を変え、膣内の酸性レベルも変化させます。結果、膣内の環境は乾燥して、こわばってしまうのです。おまけに、ホットフラッシュは更年期女性の約8割で数年のうちに引いていくのに対し、膣の乾燥は悪化する傾向があります。

でも、「ほとんどの人は改善します」

手

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医師は膣粘膜の状態を評価したり、血流や酸性度を測定することはできますが、検査結果は必ずしも症状と一致しません。膣の状態から言えば痛みが起きるはずの人でも不快感を感じていなかったり、逆に検査結果では健康と出た人がつらく感じていたりします。

マサチューセッツ総合病院・外陰膣障害プログラムを統括するキャロライン・ミッチェル医師は、「私たちが気にする最も重要な点は、実際の症状です」と言います。「嬉しいことに、症状改善のためにできることはたくさんあり、ほとんどの人は改善します」。ただし残念ながら、100%回復する女性はほとんどいないとも言います。

たとえば、性交痛の治療の選択肢には、膣内のこすれ感を軽減するために挿入直前に使用する潤滑剤膣の潤いを保つために週3回使用する保湿剤膣壁の粘膜にふっくら厚みをもたせるエストロゲン療法などがあります。

エストロゲン療法は一定期間に一定量を使用するもので、経口の錠剤、体に貼るパッチ剤、塗布するジェル剤の他、腟に入れる腟剤やクリーム剤、腟リングなどもあります。

アメリカで承認された新薬

アメリカ食品医薬品局(FDA)は最近、デヒドロエピアンドロステロン(プラステロン、DHEA)と呼ばれるホルモン剤を含む膣挿入剤、イントラローザを承認しました。イェール大の産婦人科医メリー・ジェーン・ミンキン博士の説明によると、これは細胞内でエストロゲンに変換され、性交痛を緩和するホルモンです。

米国医師会(AMA)の医学誌『JAMAインターナル・メディシン』には、更年期の女性302人を対象に12週間にわたって行われた研究の結果が掲載されました。この研究で、エストロゲン(膣挿入剤ヴァギフェムの形態で摂取)の痛み軽減効果は、膣潤滑剤(レプレン)やプラセボ(偽薬)錠剤、ジェル剤などと同程度でした。

この研究を率いたミッチェル医師は「エストロゲンは、誰にでも奇跡のように効くわけではない」けれど、人によっては「素晴らしい効果がある」と言います。リンダウ博士も、実験で使用されたこの治療法について「何かしらの効果があったところが鍵です」と述べています。

ヨーグルトを食べるとよいの?

ヨーグルト

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さまざまな代替療法も人気ですが、それらの効果は証明されていません。たとえば、プロバイオティクス(善玉菌)が豊富に含まれているヨーグルトを食べるというのはよく聞く代替療法ですが、これによって膣内のフローラ(細菌叢・さいきんそう)が変化することはありません。「良いアイデアには聞こえますが、膣内のバクテリアの種類は違うため、効果はないでしょう」(ミッチェル医師)

米国のインターネット上には、膣に潤いをもたらすとして、マリファナ系の液剤やその有効成分カンナビノイドの局所薬などを販売しているサイトもあります。しかし研究では、カンナビノイドが大量に血流に入り込むことと、一定の軽減効果は認められたものの、膣内フローラを変化させるといった効果は一切示されていません

また、ホルモンを使わずに膣を若返らせるとして「モナリザタッチ」というレーザー療法がありますが、その目的に即した有効性を示す長期間の無作為研究はありません。FDAの検査官を務めるスコット・ゴッドリーブ博士は、最近の声明で「われわれはこうした措置におけるこれらの器具について、まだ検証も承認も行っていない」と述べています。

生活習慣の改善も試してみて

一方、「WomanLab」のリンダウ博士は、性交痛は必ずしもホルモンの変化だけが原因ではないと言います。たとえば石けんの使いすぎでも、膣乾燥の症状は起きます。「洗いすぎとか拭きすぎといった極端な衛生習慣で、むやみに石けんを使うのは良くないですし、ましてや膣や外陰部の内側に使ってはいけません」

膣口だけに痛みが限定されている場合には、局所麻酔剤のリドカインが含まれている軟膏で痛みを緩和することができます。性交痛は他にも、膣けいれんや異常な細胞増殖によって引き起こされる場合もあります。

ある78歳の女性は最近、人工股関節の置換手術をしたところ、セックスの痛みが楽になったので驚いたそうです。この女性は、膣の不快感は、股関節痛から来ていたんだと思ったそうです。

セックスの問題はもちろん、パートナーとの関係性からも生じます。リンダウ博士は「エストロゲンの低下は、膣のかゆみや乾きの一般的な原因です。けれど、膣の不快な症状すべてに対して、何でもすぐ反射的に、エストロゲンで治療すべきだといった態度は取りたくありません」と言います。そしてとにかく従来の治療法を色々、試してみましょうと提案しています。

もっとオープンに話してもいい

ドクター

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実は、女性たちがタブーを破って更年期について話し合うようになったのは、それほど昔のことではないのです。ホットフラッシュの経験について共有したり、ホルモン療法の賛否について語り始めたのは意外と最近です。

更年期の女性たちは、ようやく膣の乾燥についても、よりオープンに語り、助けを求めるようになりましたが、まだ機は十分熟していないようです。ですから、ホルモンの問題として始まった話が、パートナーとの関係の問題に変わってしまうことなどはありがちです。

「女性たちは、自分がパートナーに対する態度をもっと改善すれば、もっと不安を減らせば、膣の乾燥の問題は解決すると思い込んできました」とリンダウ博士。「でも、膣の乾燥の大抵の原因は、更年期による身体的変化で、それらは治療可能です」

実は、みんな感じてる「膣の悩み」

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©2018 The New York Times News Service[原文:The Menopausal Vagina Monologues/執筆:Randi Hutter Epstein, M.D.](翻訳:Tomoko.A)

甘糟智子(翻訳)

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