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運動しすぎは心臓に悪い? エクササイズと死亡率、驚きの関係

The New York Times

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マラソンなど持久力が必要なスポーツが好きな中年男性たちに対して、家族やかかりつけの医者が心配すること——それは、運動のしすぎではないか、心臓によくないのではないかというものです。

運動好きな中年男性は、動脈プラークが溜まりやすい

心臓

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『ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション・カーディオロジー(心臓学)』に先日発表された大規模な研究結果を知れば、そんな人たちの懸念もやわらぐことでしょう。

強度のエクササイズを頻繁にしている中年男性には、心臓動脈にプラーク(血管にできる塊)が溜まる傾向があるのですが、同時に、不活動な人たちと比べると、心臓発作やほかの原因で若くして亡くなる可能性は低いことがわかったのです。

この研究結果は、激しいエクササイズは心臓病につながるプラークを生じつつも、心臓を守ってもいるのかもしれないという興味深い可能性を示唆することになりました。

しかし、心臓の病気になりにくい。なぜ?

もちろん、エクササイズが心臓の健康によいことは明らかです。数々の研究によって、1日30分の中程度のエクササイズをすべきという標準的な指針にそって運動をしている人たちは、心臓疾病になるリスクが低いことがわかっています。

しかし、エクササイズ、とくに強度のエクササイズをしすぎるとどうなるかのヒントも隠れていました。

マラソンのような耐久力を要する運動を長年してきたアスリートの心臓をスキャンしたところ、心臓の筋肉に傷跡が見られ、動脈プラークも多く蓄積することが、過去の研究では判明しています。

プラークは剥がれると動脈を詰まらせ、心臓発作を起こします。しかし、これら過去の研究のほとんどは小規模だったので、ほんの一部しか垣間見ることができなかったのです。

また、被験者は長年追跡されなかったため、激しいエクササイズとその後のプラークの蓄積が心臓発作のリスクを上げ、早死に関連しているのかどうかはわからなかったといいます。

矛盾が新しい研究で判明

アスリート

Earl Wilson/The New York Times

そこで、ダラスにあるクーパーインスティテュートと他の機関の研究者らが、この点を追求するために新しい研究を行いました。ここでは何万という人々の記録が役立ち、これらの検査の多くには、患者の心臓のスキャンとエクササイズ習慣についての細かいアンケートへの回答が含まれていました。

この研究では、男性で、主に50代の2万1758人の記録に焦点が当てられました(今回の研究には女性は含まれませんでしたが、フォローアップの研究で取り上げられる予定です)。

男性らはエクササイズの量によって異なるグループに分けられました。一番運動をしているグループは、1週間に最低5時間、またはそれ以上激しいエクササイズをしている男性たちです。

数学的基準(タスクの代謝相当量)を使い彼らのワークアウトを特徴づけたところ、激しいエクササイズをする人たちは、1日に約6マイル(約10キロ)走るのと同等の運動をしていたのです。

次のグループは1番目のグループよりも少ないエクササイズを、3番目のグループは最強度のエクササイズをする人の半分以下を1週間に行う男性たちでした。

最強エクササイズ組は死亡リスクが低い

そして、それぞれの心臓スキャンが調べられました。プラークの発生レベルは、通常カルシウムスコア(冠動脈石灰化スコア)で測定されます。このスコアが100を超えるとプラークの蓄積度を懸念すべきだとされています。

グループ間を比べてみると、最強度のエクササイズ組はプラークが増える傾向があることがわかりました。実際には、このグループは、他のグループと比べてカルシウムスコアが100を超えることが11%も高かったのです。激しいエクササイズをする人の中には、このスコアが800を超える人もいました。

最後に、最後の検査から10年ほどの間に死亡記録があるかを見て、その人が死亡しているかを調べました。亡くなっている人もやはりいて、カルシウムスコアが100以上だった男性はとくに心臓発作で死亡していることが確認できました。

しかし、最強エクササイズ組の中で亡くなった男性は少なかったのです。これらの男性は、同じレベルか、もっと高いカルシウムスコアでほとんどエクササイズをしない男性よりも、若くして死亡するリスクは低かったことが判明しました。

強度のワークアウトが独特なプラークを作っている?

心臓

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この研究を率いたのは、クーパーインスティテュートの主任科学者ローラ・デフェィーナ医師でした。これらの結果から、エクササイズのしすぎはプラークを増やすリスクを高めるものの、同時にそのプラークによって引き起こされる心臓発作で死亡する可能性は低くなることがわかったと述べています。

この興味深い結果に、デフィーナ医師は、おそらく強度のワークアウトが独特のプラークを作るのではないかと考えているそうです。活動しない人と比べて、活動的な人の「プラークはもっと密度が高く、もっと安定している証拠がありました」と述べていますが、それはプラークがはがれて心臓発作につながる可能性が低いということなのです。

胸の痛みや息切れ、気になったら相談を

しかし、これは推論にすぎないそうで、もっと研究が必要だとデフィーナ医師は語っています。分子レベルでどうやって強度のエクササイズがプラークの蓄積を促しているのか、またエクササイズの量にかかわらず、動脈に影響がない人もなぜいるのかなどは判明していません。

デフィーナ医師と同僚らは、今後の研究でこれらの点を追求したいと考えているそうです。今のところ、ランニングや持久力が必要な他のスポーツをしている中年の人たちは、胸の痛みや息切れなど心臓関係の症状に注意を払い、心臓スキャンの必要性をかかりつけの医者と話し合うべきだと述べています。

デフィーナ医師いわく、この研究から判ったのは、スキャンによるカルシウムスコアが高かったとしても、ほとんどの人は「安全にエクササイズを続けることができる」ようだということです。

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©2019 New York Times News Service[Can You Get Too Much Exercise?/執筆:Gretchen Reynolds](翻訳:ぬえよしこ)

ぬえよしこ(翻訳)

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