食品

新しい健康情報が現れては消えていく現代社会。どんな食事をとれば、がんや脳卒中などの病気にかかりにくくなり、長生きできるのでしょうか。

その道しるべとなってくれるのが、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部の助教授、津川友介先生の著作『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』。

新しい時代の食の常識を教えてくれる本として、発売10日で10万部を超えるベストセラーとなっています。

本当に健康によい5つの食品とは?

野菜

医療政策学・医療経済学を研究する津川友介先生。『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』がこれほど支持される理由のひとつは、目新しいけれど確実性に乏しい情報ではなく、今後5年で覆ることはまずない、不動のルールを明示している点にあると思います。

津川先生によると、病気を防ぎ長生きするもっとも確実な方法は、科学的根拠にもとづいた正しい食事をとること。先生が「本当に健康によい」と断言する食品グループは、たったの5つです。

数多くの信頼できる研究によって本当に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と現在考えられている食品は、(1)、(2)野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)、(3)茶色い炭水化物、(4)オリーブオイル、(5)ナッツ類の5つである。

(『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』28ページより引用)

このうち(3)の「茶色い炭水化物」とは、玄米やソバ、全粒粉を使った茶色いパンなど、精製されていない炭水化物のことです。

魚

(1)の魚の場合、魚に含まれる水銀などの有害物質が気になる方もいるかもしれません。しかし、少量の水銀の摂取がどのような悪影響を及ぼすのかに関しては、まだわかっていないのだそう。

先生に直接お話をうかがったところ、じつは養殖魚より天然魚のほうが栄養価が高いというエビデンスもなく、それよりも日常的に魚を食べないデメリットのほうが大きいといいます。

同じことは野菜にも言え、農薬が気になるなら有機野菜を買えばいいけれど、ふつうの野菜でも問題はないとのこと。それよりも、この5つの食品を日常的にしっかり食べることのほうが大切なのです。

体に悪いという科学的根拠がある食品

肉

確実に体によいといえる食品がある一方で、「悪い食品」ももちろんあります。津川先生が警鐘をならすのは、次の3つです。

(1)赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない)と加工肉(ハムやソーセージなど)、(2)白い炭水化物(じゃがいもを含む)、(3)バターなどの飽和脂肪酸

(『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』32ページより引用)

おにぎり

(2)の白い炭水化物には、日本人が愛する白米や、ふわふわの白いパンじゃがいも料理が含まれます。

残念ながら白米は、摂取量が少なければ少ないほど、糖尿病のリスクが低いことが報告されているとのこと。白米は、前述した健康によい食品である「玄米」に置き換えるのが吉といえそうです。

津川先生が「本当に健康によい5つの食品」を強くすすめるのは、これらが不足すると結局は空腹感を感じたり栄養不足になったりしやすく、かわりに「体に悪い食品」や、「それほどメリットがない食品」で補おうとしてしまうから。

ふだんの食生活において「悪い食品」の登場回数が多いなら、まずそれを「よい食品」に置き換えることが健康への近道。ぜひ実践してみてください。

津川友介先生の記事はこちら

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

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