代謝が悪い人は、体も冷えている。内科医・石原新菜先生の「冷えと代謝」についての短期連載、第3回は、いよいよ実践編です。
どれも簡単で今すぐできるものばかり。体温1度アップを目指して日常に取り入れてみましょう。
【運動編】軽い筋トレを週に2回
筋肉なくして冷えの改善はありません。運動の目的は、熱を作れるようになること。エレベーターの中でもできる、簡単な筋トレです。
1. 壁腕立て伏せ
上半身の筋肉を鍛えるには、腕立て伏せが有効です。立ったままできるので簡単。上半身にある筋肉のほとんどを刺激することができます。
- 両腕を肩幅より少し広げて壁に手をつき、ひじを伸ばして背筋をまっすぐにする。
- 脇をしめ、ひじを曲げて壁に胸を近づけていく。
- ひじを伸ばし、もとの姿勢に戻る。これを20回くらい。立つ位置を後ろにすると、負荷がアップします。
2. 片足立ち1分間
ダイナミックフラミンゴ療法ともいいます。片足立ち1分間で、ウォーキング50分の効果が! 片足で立ち、1分間その姿勢を保つだけの簡単筋トレです。
3. スクワット
下半身にある筋肉のすべてに刺激を与える、下半身運動の王様。産熱量を増やすことができます。
- 肩幅よりやや広めに立ち、両手は頭の後ろに。
- その姿勢から、息を吸い込みながらしゃがみ込む。ひざを軽く曲げる程度でもOK。
- 息を吐きながら立ち上がる。
10回1セット×5セットが理想。余裕がある人は1セットを15回に増やしても。
筋トレは、筋肉に刺激を与えるために、週に2回以上行いましょう。さらに有酸素運動もプラスできたら、血流もよくなります。
【食事編】あたため調味料で体温アップ
食材には体を温める「陽性食品」と体を冷やす「陰性食品」があります。冷えを改善するには、陽性食品を積極的に摂り、陰性食品は控えめにすること。食べ物の見た目や色、採れる場所や季節で見分けられます。
陽性食品
- 赤、橙、黒、黄色系
- 水分が少なく、固め
- 寒冷地のもの、冷たい土の中から採れるもの
- 冬が旬のもの
- 肉、魚、にんじん、紅茶、赤ワイン、チーズ、しょうが、卵、黒砂糖、黒豆など(例外:トマト、コーヒー、カレーは陰性)
陰性食品
- 白、青、緑系のもの
- 水分が多く、やわらかめ
- 暑い地方で採れるもの
- 夏が旬のもの
- 白米、白砂糖、白菜、うどん、牛乳、豆乳、バナナ、パイナップル、レモン、キュウリ、緑茶など
ただし、陰性食品に「あたため調味料」をプラスすると、陽性に近づけることができるので、以下の調味料を常備して、活用してみましょう。
- 味噌:味噌は陽性。陰性食品は味噌汁に
- しょうゆ:しょうゆは陽性で、温め効果あり
- 天然塩:陰性+塩で陽性食品に変化
- タバスコ:陰性食品に温め効果をプラス。七味も同様
- シナモン:陰性のコーヒーにプラスしたい
- 黒酢:お酢は陰性、黒酢は陽性
【習慣】外から温めるのは十分効果アリ
自分の体内で熱を作り出せるようになるのが理想ですが、冷えてしまった体は外から温めることも重要です。また、自律神経の乱れは血管が収縮し、冷えの原因に。
- 毎日浴槽につかる。ぬるめはNG。汗がプチプチと出るのが目安
- 頭寒足熱ファッションに。足元が冷えないようにタイツや靴下を
- 下半身冷えには腹巻きを常用する
- カイロを貼る。おへその下、腰の仙骨、肩甲骨の間、足の裏、ふくらはぎなど
- リラックスして自律神経を整える
代謝を上げるにはまず、冷えの改善を。習慣を変えるだけで冷えは治ってきます。
冷えと代謝、短期連載
石原新菜(いしはら・にいな)
内科医。イシハラクリニック副院長。医師の父(石原結實先生)と世界各地の自然療法を視察し、自然医学を学ぶ。現在は、漢方薬処方を中心とする診療を行う。わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄が人気を博し、テレビ、ラジオ、雑誌など、幅広く活躍中。著書に『「冷え」をとれば9割治る!』(海竜社)、『きれいな人は温めている』(大和書房)などがある。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。2児の母。イシハラクリニックはこちら。
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