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床に落としたあとの「5秒ルール」。実はそれほど安全じゃない、科学者が検証

Prevention カラダや心を健康にする予防習慣

キャンディー

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オフィスで仕事中の午後3時頃、デスクにあったキャンディを食べようと思ったとしましょう。包み紙をはがし、口もとに持っていこうとしたそのとき......指がすべって、キャンディは床の上に。

5秒以内にキャンディを拾えば、問題なし、でしょ? それが、そうでもないのです。この「5秒ルール」はずっと前から浸透していて、よく使っている人も多いはず。でも、実はきちんと定まってもいないルールで、かなり前から疑問視されていたようです(10秒とか15秒とかバリエーションもたくさんありますし)。

「5秒ルール」は本当か?

ポップコーン

食品科学者のポール・ドーソンさんとブライアン・シェルドンさん(いずれも博士)によると、5秒ルールはただの迷信にすぎません。ドーソンさんとシェルドンさんの共著『Did You Just Eat That?(今それを食べた?)』によると、「汚染された表面に食品が接触した場合、細菌が直ちに移るという決定的な証拠があります」。

5秒ルールに従うのはシートベルトをしないで運転するのと同じだそう。何も起きないかもしれませんが、常に大きなリスクを負っているということです。

ドーソンさんは、5秒ルールに関する研究としては初めて専門家の評価を受けた論文を2006年に発表しました。汚染された表面に食品が接触している時間の長さによって、細菌が食品に移ったり移らなかったりするのか、という疑問を調べた研究です。

3種類の表面(タイル、カーペット、木材)をサルモネラ菌で汚染し、それぞれに食品(具体的には、ソーセージとパン)を落として、5秒、30秒、60秒以内にどれくらいの細菌が食べ物に付くか測定しました。

ストップウォッチ

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共著には「この実験の結果、『5秒ルール』という迷信がかなり決定的に撃ち壊されました。わずか5秒の接触時間で、ボローニャソーセージに細菌が移るとわかったのです。食べるには安全ではない可能性があると証明されました」と書かれています。

食べ物が地面や床と接触している時間が長いほど、多くの細菌が移るため、5秒ルールを正当化する人がいるのはそれが理由かもしれません。でも、一部の細菌は接触とほぼ同時に移りますから、やはりこのルールは完全に間違っていると証明されたのです。

虫眼鏡

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さらにゾッとすることに、ドーソンさんのこの研究で、たとえ目に見えなくても、サルモネラ菌がタイル表面に1カ月も存在し続けるとわかりました。さらに、「芽胞(がほう:細菌が休眠状態を長期間維持できる特殊な構造)を形成できる細菌に至っては、何年も生き延びることが知られている」と、説明されています。

ご参考までに、5秒ルールが偽りであると証明した研究はこれだけではありません。専門家の評価を受けたふたつ目の論文(ラトガース大学の研究者が2016年に行った研究)でも、同様の結果が出ています。

この研究では、スイカ、普通のパン、バター付きパン、グミ(お菓子)と、さらに多くの食べ物をさまざまな表面に落として実験。細菌は水分の中を急速に動きますから、スイカがいちばん多くの細菌を吸収しました。

「5秒ルール」はどこから来たの?

モンゴル料理

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昔からある多くの迷信と同じく、5秒ルールがどこで生まれたのかはあまりはっきりしていません。でも、さまざまな時期の文化を経て続いて来たようで、床に落ちた食べ物に関する初期の迷信は、『ハーン・ルール』までさかのぼれます

ドーソンさんとシェルドンさんによると、モンゴルの昔の英雄、チンギス・ハーンのもとで行われていた慣習です。伝えられるところでは、ハーンは、床に落ちた食べ物を5時間でも丸1日でも、好きなだけ長く放っておいたそう。支配者のために用意された食べ物なのだから、支配者がいいと言うまで床にあって構わないし、誰が食べても安全だとされたのです。ハーンに微生物の知識はなかったでしょうが、食べ物が清潔そうに“見える”なら、食べても大丈夫という考え方が大衆に受け入れられはじめたのです。

パンケーキ

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有名な料理家ジュリア・チャイルドという人物が料理番組のなかで、七面鳥の肉を床に落としたことがありました。そのとき誰にもわかりませんよと言いながら、拾って使うのを見たという声もあったのです。後に、ポテト・パンケーキをコンロの上に落としたことがあるだけと確認されました。ですが、床に落とした生肉を拾って、料理を続けるのを見たと信じる人はいたのです。それで「5秒ルール」という都市伝説がさらに広まったのかもしれません。

結論:「5秒ルール」は、細菌がどのように食べ物に移るか単純化しすぎた考え方のようです。実際のところ細菌の移り具合は、食べ物が表面にとどまっている時間だけが関係するのではありません。食べ物のタイプ、床がカーペットかタイルか、そしてその表面がどれくらい汚れているかなど、多くの要素が関係するのです。

床(あるいは何かの表面)が、実際にどれくらい“汚い”かはまったくわかりません。落としたキャンディは食べない方が賢明です。

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Jenae Sitzes/The 5-Second Rule Is Not as Safe as You Think, According to Scientists
訳/STELLA MEDIX Ltd.

MYLOHAS編集部

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