10月は、アメリカがん協会(ACS)などの主要団体が制定した「乳がん意識向上月間(BCAM:Breast Cancer Awareness Month)」。
ピンクリボンをよく見かけますし、乳がんの“サバイバー”の話を聞いた人もいるかもしれません。定期的な自己検診(セルフチェック)と、医師による検査の大切さを考えることも多いはず。すべてが重要なことなのです。
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この1カ月に頭に入れておいてほしいのが、「あなたのレモン(乳房)を知ろう(Know Your Lemons)」キャンペーンの1枚の写真です。「乳がんはどんな風に見えて、どんな感じなのか」と題され、12個のレモンを使ってまさにそのことを説明しています。命は大切。すべての女性に見てもらいたい写真なのです。
この写真は、非営利団体「ワールドワイド・ブレスト・キャンサー(Worldwide Breast Cancer)」のコリーン・エルズワース・ボーモントさんが作成したものです。
乳房から突き出たしこり、皮膚表面のただれや凸凹など、あまり知られていない乳がんのサインを具体的に見せているだけではありません。ほてり、目に見えないしこり、厚みのある部分といった症状も細かく説明しています。
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乳がんサバイバーとなった女性、エリン・スミス・シエズさんの投稿のおかげで、昨年、SNSにより一気に広がったのです。4万7000回もシェアされた投稿には、レモンの写真に加えて、自分が乳がんと診断された経緯がつづられていました。
「乳がんの啓発のためのハートマークは目に付くのに、乳がんがどう見えるかを本当に“解説している人”がいなかったのです。それこそが実際に命を救うのに」と思って、投稿を決心したといいます。
スミス・シエズさんによると、「以前、誰かが“乳がんはどう見えるか”という写真をフェイスブックに投稿していました。どう“感じる”かではなく、どう“見える”か。2015年の12月、自分の乳房にその写真のような凹みがあるのを見て、すぐに乳がんだとわかりました。腫瘍を感じ取ろうと触ってみましたが、私の腫瘍は『非触知』(触ってもわからない)タイプだったのです」。
5日後、スミス・シエズさんは乳がんと診断され、翌月にはステージIVと判明しました。
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投稿によると、「ハートマークは何の役にも立たないのです。乳がんがどんなものなのかは知っていましたし、自己検診についても知っているつもりでした。ただ、自分が死に至る病にかかっているとわかったのは、どんなサインを探せばよいかを示す、1枚の写真のおかげでした」といいます。
スミス・シエズさんは、かわいいハートマークではなく、本物の情報を提供することの重要性を強調しているのです。
「本物の情報が載った写真をたまたま見たのですが、それがなかったら、何を探せばよいのか知らなかったのです。命を大切に考えたときに、本物の人助けになるのは、転移性乳がんの治療研究や啓発だと思っています」
10月、乳がんの意識向上を考えたときに投稿をシェアするなら、レモンの写真にしてはいかがでしょうか。そのことが誰かの命を救うかもしれません。ワールドワイド・ブレスト・キャンサーへの寄付もいいかもしれません。乳がんについての理解をさらに広めることができるはずです。
女性特有の病気、ちゃんと知ろう
Leah Groth/Early Signs of Breast Cancer Perfectly Illustrated in Photo of Lemons
訳/STELLA MEDIX Ltd.
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