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がん予防やダイエット効果、美肌効果などが期待でき自律神経のバランスを整える働きもある味噌。第3回では、味噌の知られざる健康効果を研究する渡邊敦光先生に、味噌の使い方について伺います。

1.いい味噌の見分け方

「生きている味噌(生味噌)」を選びましょう。「生きている味噌」とは、まだ麹、酵母、乳酸菌が生きていて、発酵が進んでいる生味噌のこと。通常は出荷前に加熱殺菌処理して、麹菌などを殺してしまいます。

生味噌を見分ける目印は、容器に空気穴があるかどうか。空気穴がないと味噌のなかで生きている酵母が活動して炭酸ガスが発生し、パンパンに膨れてしまいます。容器に空気穴がない生味噌もありますが、その際はガス抜きのために小さな穴を空けて、ガスを逃がしてあげましょう。ちなみに膨れてしまっても、品質が劣化している心配はありません。

2.味噌の色が濃くなってきても大丈夫? 正しい保存法は

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味噌の色が濃くなる現象を褐変といいます。熟成が進むにつれて味噌の原料である大豆と米の分解物が反応し、褐変物質を生成することでこの現象が起こります。色が濃くなっても体に害はありませんが、極度の褐変は味噌の風味を劣化させるので防ぎたいところです。

褐変は温度に影響されるので、気温の高い夏場は進行しやすいです。開封後の味噌はなるべく空気に触れないように表面をラップで覆い、冷蔵庫で保存することをおすすめします。1度にたくさん味噌を購入したときは、冷凍することをおすすめします。酵母が眠った状態になるため、買ったときの風味を維持することができます。

味噌は凍ることがないので、取り出してすぐに使うことも可能です。褐変してしまった味噌は、味噌炒めやお漬物用として使うと比較的風味の変化が気になりません。

3.味噌汁を作るときの、味噌と水のベストな分量

お椀一杯に対して味噌大さじ1が目安です。一般的に、味噌汁を作るときの味噌とお湯の割合は大さじ1(18g)に対して、お湯160mlです。

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4.おいしい味噌汁を作るポイント

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味噌は高温になるとおいしさや香りの成分が逃げてしまうので、味噌を入れた後は沸騰させないこともおいしく作るポイントです。

5.おすすめの味噌の食べ方とは

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おすすめの食べ方は、具だくさんの味噌汁です。私は油揚げ、玉ねぎ、じゃがいも、ニンジン、ピーマン、大根、きのこ類など、冷蔵庫にある野菜をなんでも入れて作ります。具材から出汁がでるので、本格的に出汁をとらなくても、味噌のうまみと合わさって十分おいしい味噌汁になりますよ。

6.味噌汁をもっと気軽に楽しむ方法

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勤務先の大学ではマグカップにいりこの粉と乾燥わかめ、味噌を入れてお湯で溶き、インスタント味噌汁を作ってお昼に飲んでいます。

知り合いの“ミソガール”こと藤本智子さんは、「味噌をたくさん食べるようになってから風邪もほとんどひかなくなりましたし、年齢より10歳くらい若く見られるようになりました」と言います。また彼女は、コーヒーの代わりにインスタント味噌汁を飲むことを勧めていますが、とても肌がきれいになったそうで、美肌効果も期待できると思います。

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最後に、渡邊先生から読者たちへメッセージ。

味噌には1300年の歴史がありますが、それは日本人の身体、風土に合っていたから。日本人のソウルフードである味噌汁、米、魚、漬物といった食事を取り戻して、健康な毎日を送っていただきたいと願っています

科学の目からも味噌のメリットが明らかになりつつある今、日本人のベストパートナーである味噌をもっと食生活に取り入れていきたいですね。

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渡邊敦光(わたなべ ひろみつ)先生
広島大学名誉教授、理学博士、医学博士。専門は実験病理学と放射線生物学。1940年福岡県生まれ。九州大学大学院博士課程理学研究科修了。1973年広島大学原爆放射線医科学研究所で助手、助教授を経て1996年教授。その間アメリカ ウイスコンシン大学、イギリス パターソンがん研究所で主に放射線生物学の研究を重ね、2004年退官後も名誉教授として日々研究を続けている。一方で1980年から、味噌の有効性について動物実験に基づく研究を本格的に始める。世界的な医学データベース「PubMed」にMisoについての論文を多数掲載。『味噌大全』(東京堂出版)を監修。著書に『味噌力』(かんき出版)、『味噌を使ってまいにち健康になる』(キクロス出版)など。

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