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日中の眠気や午後の疲労感が強い。頭に霧がかかったようですっきりせず、集中力を保てない。こういった症状に心当たりがある人は、軽い脱水症をうたがってもいいかもしれません。

現代人を悩ませる不調の一因、「隠れ脱水」の防ぎ方を教えてくれるのが、総合医療専門医ダナ・コーエンと、文化人類学者ジーナ・ブリアがまとめた書籍『「食べる水」が体を変える 疲労・肥満・老いを遠ざける、最新の水分補給メソッド』です。

会社にいると午後3時には、脱水状態になる?

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強い照明や空調、電子機器にかこまれた現代の生活環境は空気が乾燥していて、本人の自覚がないままで脱水状態が進みやすいと言われています(18ページより)。

加えて、長時間座りっぱなしのオフィスワーカーは体内での水分の流れが悪く、だいたい午後3時には脱水状態になっている(26ページより)。

ダナが適切な水分補給をおこなうよう指導しただけで、めまいや頭痛、睡眠障害、便秘のような慢性疾患や不調が改善にむかった例は数多いと言います。

水は「飲む」より「食べる」という発想へ

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現代人が手軽な水分補給の方法として選びがちなペットボトルの水について、著者たちは「効果は低いし、帯水層などの水資源を枯渇させる」と警鐘を鳴らします。

彼らがすすめる脱水症対策は、「飲む」以外の方法で水分補給をおこなうことなのです。

効率よく水分補給できる「クエンチプログラム」

この本では、最善の水分補給法として「クエンチプログラム」を提案しています。ざっくり言うと次の3つを組み合わせたプランです。

  • スムージーで水分補給
  • マイクロムーブメントで水を循環させる
  • トイレに行き、古くなった水を排出する

クエンチプログラムの要は「スムージー」

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人の細胞内の「水」は一般的な「水」のイメージとは違って、植物のなかにとじこめられている「水」と同じタイプなのだとか。

それなら、野菜やフルーツなどにふくまれている水を「食べる」と、栄養素も豊富で、飲み水より細胞に吸収されやすい、と著者たち。スープ、ポタージュなども効果はありますが、クエンチプログラムは基本的にスムージーでおこないます。

スムージーは野菜や果物をまるごと混ぜるため、繊維質が残る。つまりスムージーなら、植物素材の食品としてのメリットを残らずドリンク内に留められる。植物繊維質のスポンジ効果が吸収した水を長く保持し、ゆっくり放出する状態は、体内に湿気と若さを保つための最良の方法なのだ。
(『「食べる水」が体を変える』98ページより)

本書にはおいしそうなスムージーのレシピがいっぱい。プラントウォーター(野菜、果実、樹液、種子などの植物由来の水)を体に注ぎ入れて、最大限吸収させましょう。

水を細胞まで運ぶ「マイクロムーブメント」

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著者たちは「体を動かさなくては、水をずっと先にある筋膜、最終的には細胞まで運ぶことができない」(117ページより)としています。そこで、水分摂取に「マイクロムーブメント」と呼ばれるシンプルな運動を組みあわせます。

具体的には、たびたび後ろを見たり、肩、足首、腰を回したり、もちろん目もぐるりと回したりと、体を回転させることで水分をさらに流し入れる
(『「食べる水」が体を変える』123ページ)

体をひねる程度の小さな動きが中心ですが、大切なのは習慣づけること。私たちはずっと同じ姿勢をとり続けてしまいがちなので、水分を体内に回すには、意識的に体を動かす必要があります。

古くなった水を出す

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人は誰でも2~3時間ごとに排尿しなくてはならない。それは十分に水分補給していることを示す、よい兆候にすぎない。より多くの廃棄物がすばやく外に出され、また、そのおかげで体を動かせる――トイレまで歩くことをすばらしい日々の運動だと考えよう!

水分補給しているなら、一日に6~7回排尿するはずだ。
(『「食べる水」が体を変える』208ページ)

体内に新鮮な水をめぐらせるには、古くなった水を外に出す時間をとることも大切に。

吸収しやすい性質の水で体をうるおし、水を効率よく全身にめぐらせる。元気で疲れにくい体になるために、水のとり方にもっと意識的でありたいですね。

なんとなく疲労や不調を感じたら

「食べる水」が体を変える 疲労・肥満・老いを遠ざける、最新の水分補給メソッド

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