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心身ともに健康的な生活と体内時計の密接な関係とは?

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山本千尋

朝スッキリ目覚められなかったり、食事の時間になってもお腹が空かなかったりすると、「体内時計を整えなければ」と思いがちですが、実は無理して整えようとすることはよくないそうです。

生活健康学の第一人者で、ココロとカラダのコンディショニングスポット、ニュートラルワークス.の監修も務める大阪府立大学名誉教授 清水教永先生に、なぜ「体内時計」を整えなくてよいのか、そもそも「体内時計」とは何かについて教えていただきましょう。

人は120歳まで生きるようプログラムされている

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人間は毎日約60兆個の細胞が自滅再生を繰り返していて、2年に1度、生涯で60回細胞分裂をすることがプログラムされています。2年x 60回=120年、人間は病気にならなければ120年の寿命を持っている生物です。

最高寿命は徐々に120歳に近づいてきているものの、2017年の平均寿命は女性87.26歳、男性81.09歳。本来の寿命より40年ほど短くなっているのは、ストレスを受けることで「体内時計」(生体リズム)がきちんとはたらかなくなり、寿命や健康に重大な影響を及ぼしているからです。

体内時計は、すべての生物に備わっている固有のリズムで、受精卵として子宮に着床した瞬間からリズムを刻みはじめます。「つわり」が起こるのは、母親と胎児が別々のリズムで動いているからで、赤ちゃんの体内時計がきちんと動いている証

大人になっても人それぞれ固有のリズムを刻んでいる体内時計を人工時計に合わせて整えようとすることは、その行為自体がストレスとなり、心身に悪い刺激を与えてしまいかねません。

体内時計には5つのリズムがある

体内時計というと1日24時間のサイクルを思い浮かべる人がほとんどですが、実際には5種類の体内時計(生体リズム)が複合的に組み合わさっています

  1. ウルトラリアン・リズム(約90分)
  2. サーカディアン・リズム(約24時間)
  3. サーカセプタン・リズム(約1週間)
  4. サーカトリギタン・リズム(約1カ月)
  5. サーカニュアル・リズム(約1年)

「サーカ」は「おおよそ」という意味。「3.サーカセプタン・リズム(約1週間)」は人間以外の動物、たとえばラットの発情期が1週間なのはこのリズムが影響を及ぼしていますし、「5.サーカニュアル・リズム(約1年)」は、毎年同じ季節に咲く花など主に植物に現れるリズムです。

このふたつは人間にもありますが、ほとんど感じることはありません。

人間がリズムを実感しやすいのは、「1.ウルトラリアン・リズム(約90分)」、「2.サーカディアン・リズム(約24時間)」、「4.サーカトリギタン・リズム(約1カ月)」の3つ

長い講義を聴いたり、根を詰めて作業をしたりするときなど、集中力が続くのは約90分だといわれていますが、その根拠が「1.ウルトラリアン・リズム」で大学の講義が90分なのもそのためです。

「2.サーカディアン・リズム(約24時間)」は1日のサイクル。月の周期、宇宙からのエネルギーを受けて反応する「4.サーカトリギタン・リズム(約1カ月)」に関しては、女性の月経がその影響を受けています。男性にもわずかに周期があるのですが、感じることなく過ごしているだけなのです。

「わがまま時計」は1日25.5時間

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体内時計のリズムは脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)でいくつかのタンパク質が複雑に影響し合い、分子レベルで時計を動かしています。

胃腸や脳などの臓器、そして血管や皮膚などそれぞれ別のサイクルで動いているのですが、それらを調和すると1日のサイクルは平均で25.5時間。人工時計の24時間と1.5時間の差があるから、放っておくと体内時計は人工時計の時間からズレていきます。

この1.5時間のズレは、地球の自転で起こる明暗周期に合わせる形で人体が自然に調整しています。朝、起きて光を浴びることにより生体時計はリセットされて、体内リズムが活動の方向に向かっていくようになっています。

しかし40歳を超えた頃からはリセットしにくくなり、赤ちゃんのときのように、より固有の体内時計リズム「わがまま時計」が活発にはたらきはじめます。

赤ちゃんは人工時計ではなく「わがまま時計」に従って、寝て起きて食べるから体や脳神経が発達します。大人も同じで無理をして人工時計に合わせた生活を送っていると、ストレスを受け心身に支障が生じてしまうので、できる限り「わがまま時計」に忠実に過ごすことが大切です。

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昼間によほど強い眠気を感じるときは、30分ほどの短眠をとる。お腹が空いたら食事の時間でなくても軽く食べるなどすれば、「わがまま時計」に逆らわないのでストレスを軽減できます。

食事の回数が増えると太るのではないかと心配されるかもしれませんが、3食で食べている量を5~7等分して、小分けに食べるほうがいい

人間はライオンやトラなどの「ミールイーティング」の動物とは違い、ねずみやうさぎのように少しずつちょこちょこと食べる「ニッブリング」に分類される動物です。

食事と食事の時間が空くと、次にいつエネルギーを補給できるのかわからないので、細胞は脂肪を蓄積させてしまう特性がある。摂食リズムは1日5食にしたほうがダイエットにも適しているのです。

スポーツは体内時計を活性化させる

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体内時計を人工時計に合わせて無理矢理整えようとするのではなく、自発的に眠くなりお腹が空くなど、動き自体を活性化させておくことこそが重要です。

体内時計をきちんと動かすために必要なのは、血管を収縮させることと、感情の起伏を大きくして脳の酸素消費量を増やすこと。スポーツは実際に体を動かして血管を収縮させるだけでなく、感動的な試合を観て興奮すると、脳の酸素消費量がグッと上がるので、観戦するだけでも効果的です。

人間は2足で歩いていますが、生物学的には4足歩行の動物です。その証拠にいまも臓器は背中からぶらさがっていて、それを強引に立てているから心臓病などさまざまな病気を引き起こす原因とも言われています。

本来、生物は生態系のなかにいなくては生きていけません。いま人間は生態系から外れた生活を送っていますが、体の機能はあくまで4足歩行の動物のままで、これはこの先1000年経っても変わることはありません。

スポーツは4足歩行の動物としての運動機能を保持するという観点からも有意義で、健康寿命をまっとうすることにもつながります。

体内時計を活性化させ、ストレスなくリズムを刻み続けることは、人間本来のあるべき姿を取り戻し、心身ともに健康的な生活を送るための第一歩なのです。

清水教永(しみず・のりなが)先生
1949年、滋賀県生まれ。大阪府立大学名誉教授、一般社団法人生活健康学研究所所長、医学博士。健康医科学や予防医学の観点から健康維持・増進に有用な処方や療法を研究しつつ、医療、スポーツ、衣料、飲料水などの企業顧問として健康・美容・睡眠に関わる製品の安全性と有用性の検証を実施し、製品開発も行なっている。

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