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アルツハイマー病を防ぐのに「地中海ダイエット」がいい理由

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「死の大半は予防可能であり、死因は食生活に関連している。食生活こそが早期死亡の第一の原因なのだ」

そう語るのは、栄養、食の安全、公衆衛生を研究するマイケル・グレガー医学博士。最新科学のエビデンスに基づいた「体が喜ぶ食事」を広めるために、非営利のウェブサイト「ニュートリションファクツ(nutritionfacts.org)」を主催し、世界中で講演活動を行っています。

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『食事のせいで、死なないために[病気別編]もっとも危ない15の死因からあなたを守る、最強の栄養学』は、根っからの“科学オタク”というグレガー博士が何十年分もの医学文献を読みあさり、なかなか世間に広まらない重要な栄養学的発見をまとめたもの。

死に至る病を防ぐ食生活があり、すこしの工夫で取り入れられるのだとしたら、試してみる価値があると思いませんか? 本書の第3章「脳疾患で死なないために」から、アルツハイマー病を防ぐポイントをご紹介します。

アルツハイマー病の脳に蓄積されていたもの

高齢化が進む日本では、平均寿命と健康寿命(介護を受けたり寝たきりにならずに生活できる期間)のギャップが問題視されています。2018年の厚生労働省のデータでは、女性の差は12.35年。12年ものあいだ、自分が誰かに介護の苦労をかけるとしたら……と考えると、やはり不安にかられます。

なかでも恐ろしいのは、記憶を失い、人格までも変わってしまう脳疾患。とくに認知機能に関わるアルツハイマー病は、患者・介護者の両方が長期にわたる負担に耐えざるを得ず、現在の医療では完治させることもできません。

これまで遺伝病として扱われることが多かったアルツハイマー。しかしグレガー博士は、アルツハイマー病は健康的な食生活を送ることで予防できるといいます。

じつは最近、「心臓に効果があるものは、脳にも効果がある」ことを示す証拠が、つぎつぎに見つかっている。なぜなら、脳の動脈がアテローム動脈硬化性プラークによって詰まってしまうことが、アルツハイマー病の発病を引き起こす重大な要因と考えられているからだ。だとすれば、医学雑誌『老化の神経生物学』で発表された、2014年版「アルツハイマー病予防のための食事と生活習慣のガイドライン」において、「肉や乳製品を中心とする食事をやめ、野菜、豆類、果物、全粒穀物を中心とする食事を摂る」ことがもっとも重要だと述べているのも、驚くべきことではない。(『食事のせいで、死なないために[病気別編]110ページより引用)

グレガー博士によると、アルツハイマー病は血管障害だと考える研究者も多いそう。コレステロール、なかでもトランス脂肪と飽和脂肪を過剰に摂取してしまうと、血中コレステロール値が上がり、心臓病だけでなくアルツハイマー病の危険因子になります。死体解剖の結果からも、アルツハイマー病の患者の脳は、ふつうの人にくらべてコレステロールの蓄積が非常に多いことがわかったとグレガー博士は述べています(113ページより)。

さらにグレガー博士いわく、アメリカに住んでいる日本人は、日本在住の日本人にくらべてアルツハイマー病の罹患率が大幅に高いのだそう。その理由は、「昔ながらの米と野菜中心の食生活から欧米型の食生活に変化し、以前にくらべて乳製品の摂取量が3倍、肉は6倍に増えたためだと考えられている(115ページより)」というのです。

地中海ダイエットがアルツハイマー病を防ぐ?

そこで、アルツハイマー病の予防策として浮かび上がってくるのが、体によいものを食べ、自然にコレステロール値を下げるという食事療法です。

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グレガー博士がすすめるスタイルのひとつは「地中海ダイエット」。野菜や豆、フルーツ、ナッツ類をたくさん食べ、肉や乳製品をあまり摂らない地中海式の食事スタイルが、「認知低下の進行速度を遅らせ、アルツハイマー病のリスクを低減させる(118ページより)」としています。

植物性食を中心とした食事が脳によいのは、植物に含まれる抗酸化力が活性酸素やフリーラジカルによる攻撃を防ぎ、脳が「さびつく」のを防いでくれるからでもあります。なかでもベリー類や緑黄色野菜の葉野菜は、とくに“脳によい食べ物”なのだそう。イチゴやブルーベリーを毎日ひとつかみ分(約4分の1カップ)食べるだけで、2年以上も脳の老化を遅らせることができる(120ページより)という調査結果があるというのですから驚きです。

また興味深いところでは、スパイスの1種であるサフランにもアルツハイマー病を緩和する働きが認められているとのこと(122ページより)。サフランを使ったパエリヤやブイヤベース、リゾットなどは、アルツハイマー病の人へのお見舞い料理に適しているかもしれません。

本書において、基本的にグレガー博士は野菜や果物をたくさん摂る菜食中心の食事が、重大な疾病の予防や改善に役立つという考えに拠っています。正直なところ筆者は、今すぐ肉や乳製品を絶てる気はしないのですが、高血圧や高コレステロールを食事でコントロールすることの重要性を認識しておきたいと感じました。

食事のせいで、死なないために[病気別編]

田邉愛理

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