1. Home
  2. BODY
  3. アルツハイマー病を防ぐのに「地中海ダイエット」がいい理由

アルツハイマー病を防ぐのに「地中海ダイエット」がいい理由

3,722

「死の大半は予防可能であり、死因は食生活に関連している。食生活こそが早期死亡の第一の原因なのだ」

そう語るのは、栄養、食の安全、公衆衛生を研究するマイケル・グレガー医学博士。最新科学のエビデンスに基づいた「体が喜ぶ食事」を広めるために、非営利のウェブサイト「ニュートリションファクツ(nutritionfacts.org)」を主催し、世界中で講演活動を行っています。

20180803_book2

『食事のせいで、死なないために[病気別編]もっとも危ない15の死因からあなたを守る、最強の栄養学』は、根っからの“科学オタク”というグレガー博士が何十年分もの医学文献を読みあさり、なかなか世間に広まらない重要な栄養学的発見をまとめたもの。

死に至る病を防ぐ食生活があり、すこしの工夫で取り入れられるのだとしたら、試してみる価値があると思いませんか? 本書の第3章「脳疾患で死なないために」から、アルツハイマー病を防ぐポイントをご紹介します。

アルツハイマー病の脳に蓄積されていたもの

高齢化が進む日本では、平均寿命と健康寿命(介護を受けたり寝たきりにならずに生活できる期間)のギャップが問題視されています。2018年の厚生労働省のデータでは、女性の差は12.35年。12年ものあいだ、自分が誰かに介護の苦労をかけるとしたら……と考えると、やはり不安にかられます。

なかでも恐ろしいのは、記憶を失い、人格までも変わってしまう脳疾患。とくに認知機能に関わるアルツハイマー病は、患者・介護者の両方が長期にわたる負担に耐えざるを得ず、現在の医療では完治させることもできません。

これまで遺伝病として扱われることが多かったアルツハイマー。しかしグレガー博士は、アルツハイマー病は健康的な食生活を送ることで予防できるといいます。

じつは最近、「心臓に効果があるものは、脳にも効果がある」ことを示す証拠が、つぎつぎに見つかっている。なぜなら、脳の動脈がアテローム動脈硬化性プラークによって詰まってしまうことが、アルツハイマー病の発病を引き起こす重大な要因と考えられているからだ。だとすれば、医学雑誌『老化の神経生物学』で発表された、2014年版「アルツハイマー病予防のための食事と生活習慣のガイドライン」において、「肉や乳製品を中心とする食事をやめ、野菜、豆類、果物、全粒穀物を中心とする食事を摂る」ことがもっとも重要だと述べているのも、驚くべきことではない。(『食事のせいで、死なないために[病気別編]110ページより引用)

グレガー博士によると、アルツハイマー病は血管障害だと考える研究者も多いそう。コレステロール、なかでもトランス脂肪と飽和脂肪を過剰に摂取してしまうと、血中コレステロール値が上がり、心臓病だけでなくアルツハイマー病の危険因子になります。死体解剖の結果からも、アルツハイマー病の患者の脳は、ふつうの人にくらべてコレステロールの蓄積が非常に多いことがわかったとグレガー博士は述べています(113ページより)。

さらにグレガー博士いわく、アメリカに住んでいる日本人は、日本在住の日本人にくらべてアルツハイマー病の罹患率が大幅に高いのだそう。その理由は、「昔ながらの米と野菜中心の食生活から欧米型の食生活に変化し、以前にくらべて乳製品の摂取量が3倍、肉は6倍に増えたためだと考えられている(115ページより)」というのです。

地中海ダイエットがアルツハイマー病を防ぐ?

そこで、アルツハイマー病の予防策として浮かび上がってくるのが、体によいものを食べ、自然にコレステロール値を下げるという食事療法です。

20180803_book

グレガー博士がすすめるスタイルのひとつは「地中海ダイエット」。野菜や豆、フルーツ、ナッツ類をたくさん食べ、肉や乳製品をあまり摂らない地中海式の食事スタイルが、「認知低下の進行速度を遅らせ、アルツハイマー病のリスクを低減させる(118ページより)」としています。

植物性食を中心とした食事が脳によいのは、植物に含まれる抗酸化力が活性酸素やフリーラジカルによる攻撃を防ぎ、脳が「さびつく」のを防いでくれるからでもあります。なかでもベリー類や緑黄色野菜の葉野菜は、とくに“脳によい食べ物”なのだそう。イチゴやブルーベリーを毎日ひとつかみ分(約4分の1カップ)食べるだけで、2年以上も脳の老化を遅らせることができる(120ページより)という調査結果があるというのですから驚きです。

また興味深いところでは、スパイスの1種であるサフランにもアルツハイマー病を緩和する働きが認められているとのこと(122ページより)。サフランを使ったパエリヤやブイヤベース、リゾットなどは、アルツハイマー病の人へのお見舞い料理に適しているかもしれません。

本書において、基本的にグレガー博士は野菜や果物をたくさん摂る菜食中心の食事が、重大な疾病の予防や改善に役立つという考えに拠っています。正直なところ筆者は、今すぐ肉や乳製品を絶てる気はしないのですが、高血圧や高コレステロールを食事でコントロールすることの重要性を認識しておきたいと感じました。

食事のせいで、死なないために[病気別編]

田邉愛理

  • facebook
  • twitter
  • hatena

    Ranking

    1. 妊娠と誤診された大きなお腹。医師も驚いた本当の病気は......

    2. 便秘や疲労の解消に期待! 簡単シナモンアップルの作り方

    3. 「魔法の15分」で夜が変わる? 習慣化のプロが教える、スマートな夜の過ごし方

    4. 空腹ホルモンを減少させる小さな習慣

    5. 専門医が指南! 美髪に導く正しいヘアケア5つの方法

    6. 一問一答で占う、2019年の運勢。あなたの恋愛運は?

    7. 納豆はダイエットに最適?

    8. その気持ち悪さ、8つの意外な原因のせいじゃない?

    9. 自分を労わってますか? 疲れやストレスを和らげるヒント

    10. 「立ちだけ」のシンプルかつ基本的なダイエット方法

    1. 妊娠と誤診された大きなお腹。医師も驚いた本当の病気は......

    2. 「魔法の15分」で夜が変わる? 習慣化のプロが教える、スマートな夜の過ごし方

    3. 納豆の栄養をパワーアップさせたい。プラスするとよい食材は?

    4. 一問一答で占う、2019年の運勢。あなたの恋愛運は?

    5. 【2月の満月】今年最大の満月! スーパームーンがもたらす癒しと美のパワー

    6. ダイエット中に意識したい、主食や糖質の食べ方3つ

    7. 「糖質制限+筋トレ」でタンパク質不足に? タンパク質の正しい摂取法

    8. 納豆の「ちょい足し」アレンジ14つ。簡単にできて栄養効果もアップ

    9. その気持ち悪さ、8つの意外な原因のせいじゃない?

    10. いつもの睡眠を「快眠」にバージョンアップさせるヒント5

    1. 糖質や脂質よりも要注意!? 太りやすい食品とは?

    2. 一問一答で占う、2019年の運勢。あなたの恋愛運は?

    3. 体重が密かに増えている、寝る前にやってはいけない9つの行動

    4. 「魔法の15分」で夜が変わる? 習慣化のプロが教える、スマートな夜の過ごし方

    5. 納豆マニアが厳選。スーパーで買えるおいしい納豆12選

    6. その気持ち悪さ、8つの意外な原因のせいじゃない?

    7. その筋肉痛、心臓発作の前兆かも。見逃しやすい8つの症状

    8. 1回13分の筋トレで筋肉は増強するという最新結果。その内容は?

    9. 妊娠と誤診された大きなお腹。医師も驚いた本当の病気は......

    10. 自然にコレステロールを下げてくれる12の食品