レモンに含まれるクエン酸やビタミンC、ポリフェノールなどの抗酸化成分は、夏の疲労回復にぴったり。ブームになった「塩レモン」レシピブックも出版している管理栄養士の柴田真希さんに、レモンを使った夏バテ対策レシピ3つをうかがいました。
レモンパワーで夏バテ対策
レモンには健康や美容に役立つ効果がたくさんあるという柴田さん。
「クエン酸による疲労回復、消化促進、抗酸化効果、肌の新陳代謝アップなどが期待できます。食事でもドリンクからお料理など、どんなものにも合い、主役から脇役まで万能です。もっと日常的に取り入れ、健康や美容に役立ててほしいですね」(柴田さん)
海外セレブや国内の人気モデルが愛飲する“レモン白湯”も、柴田さんのアレンジで夏バテ対策ドリンクに変身。魚や肉にレモンを加え、栄養素の吸収率をアップするコツもご紹介します。
冷え・むくみ対策に。薬膳レモン白湯
<材料(2人分)>
- レモン 1/2個分
- クコの実 大さじ1(10g)
- 松の実 大さじ1
- なつめ 2個
- お湯 500cc
<作り方>
- レモンを輪切りにする。
- すべての材料を容器に入れて、お湯を注ぐ。
<ポイント>
人気モデルや海外セレブが実践するレモン白湯に、薬膳を加えてバージョンアップ。なつめは血液の循環をよくするビタミンPやサポニン、松の実は代謝を促すビタミンB群やビタミンE、クコの実はカロテノイド類をはじめとしたフィトケミカルが豊富です。
骨を丈夫に。いわしとまいたけのレモン寿司
<材料(2人分)>
- (A)はちみつ 大さじ1/2
- (A)塩 小さじ1/2
- (A)レモン汁 大さじ2
- いわしの缶詰(油漬け。オイルサーディンでも可)
- レンコン 小1/2本
- レモン 1個
- まいたけ 1/2パック
- アーモンド 20g
- かいわれ大根 20g
- 雑穀ごはん 2杯分
- ごま油 小さじ1
<作り方>
- まいたけを手で小さめにほぐす。レンコンは薄めのいちょう切りにする。アーモンドを包丁で砕く。レモンは1/4個分を混ぜ込み用で薄いいちょう切りに、残りを飾り用で半月切りにする。
- ボウルに(A)を上から順に入れて混ぜ合わせる。いわしの缶詰を入れてフォークで軽く潰しながら混ぜる。
- フライパンにごま油を入れて火にかけ、まいたけ、レンコンを炒め、中まで火が通ったら(2)のボウルに入れて混ぜる。
- 炊き上がった雑穀ごはんに(3)と混ぜ込み用のレモン、アーモンドの半分を入れて混ぜ合わせる。
- 器に盛り付け、飾り用のレモンを散らし、かいわれ大根と残りのアーモンドを散らす。
<ポイント>
いわしに含まれるカルシウムは、マグネシウムやビタミンDを一緒にとると吸収を高める効果が期待できます。マグネシウムはナッツ類や雑穀、ビタミンDはまいたけでプラス。レモンに含まれるクエン酸はカルシウムを水に溶けやすい形に変え、丈夫な骨を作るのに役立ちます。
貧血防止に。ささみとひじきのレモンマリネ
<材料(2人分)>
- (A)砂糖 大さじ1
- (A)塩 小さじ1/4
- (A)酢 50cc
- (下味)酒 大さじ1
- (下味)塩・こしょう 少々
- ささみ 6本
- レモン 1/2個
- タマネギ 1/2個
- 赤パプリカ 1/4個
- オリーブオイル 大さじ3
- ひじき(乾) 10g
- 片栗粉 大さじ1
- イタリアンパセリ 適量
<作り方>
- ひじきを水に漬けて20分程度戻し、水切りをする。ささみの筋を取り、そぎ切りにして2等分し、(下味)に10分くらい漬けておく。タマネギは繊維を断ち切るように薄くスライスする。赤パプリカは薄切りにし、レモンをいちょう切りにする。
- ボウルに(A)を上から順に入れて混ぜ合わせ、(1)のひじきとタマネギ、赤パプリカを入れる。
- フライパンにオリーブオイルを入れて火にかける。鶏肉のまわりに、まんべんなく片栗粉をつけて、フライパンに入れて中火~弱火で片面3分くらいずつ焼く。
- 中まで火が通ったら、オリーブオイルごと(2)のボウルに入れ、野菜がしんなりとするまで漬ける。器に盛り付け、イタリアンパセリを飾る。
<ポイント>
貧血対策には鉄分補給が欠かせませんが、ひじきやほうれん草に含まれる非ヘム鉄は、レバーなどのヘム鉄と比較すると吸収率が劣ります。ささみのような動物性たんぱく質や、レモンや緑黄色野菜に含まれるビタミンC、レモンやお酢に含まれるクエン酸と一緒にとると、非ヘム鉄の吸収率を高める効果が期待できます。
さわやかなレモンの香りと酸味は、それだけで夏の食欲不振を解消してくれる絶好のスパイス。この夏はキッチンに常備して、夏の疲れを解消していきましょう。
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文/田邉愛理、企画・構成/寺田佳織(マイロハス編集部)