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ケイト・スペードの死で浮上した自殺にまつわる謎──自殺がいちばん多いのはどの時期か

Prevention カラダや心を健康にする予防習慣

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  • ファッションデザイナーで実業家のケイト・スペードさん(55歳)が、2018年6月5日に亡くなりました。自殺と見られています。
  • その死は自殺をめぐる大きな謎を思い起こさせました──自殺はクリスマスの休暇ではなく、春から初夏(3月、5月、7月)に最も多いのです。
  • 自殺しそうなサインに気づき、まわりの人が積極的に手を差し伸べることが大切です。

クリスマスの休暇に多いとされるのは迷信

KateSpade

AP通信によると、アメリカのファッションデザイナー、ケイト・スペードさんが6月5日の朝、自殺しているのが発見されたと警察が発表。実業家でもある55歳のスペードさんの死により、夫のアンディさんと、ふたりの間の13歳になる娘、フランシス・ベアトリクス・スペードさんが残されました。

スペードさんは1993年に独自のブランド、「ケイト・スペード」を立ち上げました。カラフルで洗練されたハンドバッグで知られ、「フランシス・バレンタイン」というアクセサリーレーベルも設立。

スペードさんの死で改めて思い出すのは、一部の精神衛生上の問題、とりわけ不安症とうつ病が女性に多く、身体の病気と同じように真剣に受け止めるべきだということ。そして自殺をめぐる大きな謎も──研究によると、クリスマスの休暇よりも、春から初夏にかけての方が、人は自殺したくなるというのです。

どうして自殺は春に多いのか?

冬の間は日差しが少ないうえ、家族が集まるクリスマス休暇にひとりぼっちなのは耐え難いから、うつ病や自殺が増えると多くの人が考えているのです。

でも、アメリカ疾病対策センター(CDC)の全米保健医療統計センター(NCHS)が収集したデータによると違う結果が。

2015年に自殺率が最も低かったのが12月、最も高かったのが5月、7月、3月で、このパターンが毎年発生しているそう(警察庁のデータによると、日本でも5月に多くなる傾向が見られます)。それなのに、自殺率がクリスマス休暇シーズンにピークに達するという迷信があまりにも横行しているため、ペンシルベニア大学のアネンバーグ公衆政策センターは2017年12月の報告書で、メディアにそのような迷信の報道をやめるようにと述べているほどです。

自殺が春に急増する正確な理由は、科学的に解明されていません。「やはりどちらかと言うと謎です」と、全米自殺防止財団(AFSP)の医務部長、クリスティン・ムーティエさん。

気分障害、特に季節に左右される気分障害の人にとって、日差しの少ない季節はことに大変ですが、自殺率に関する統計ではそんな事実と反対の結果が出ているそう。

その理由として、いくつかの可能性は考えられています。ひとつには、クリスマス休暇シーズンに家族の支援を受けられないときに、その時点から人が悲観的になるというもの。

実質的に苦しくなるのは、その後の6、7カ月というのです。「『クリスマス休暇は絆を確認して元気を出す至福のとき』という幻想がその通りにならないとき、その幻滅に耐えることになります。休暇シーズン後、生活を送るにつれて本当にもっとつらくなっていくと考えられるのです」とムーティエさん。

「炎症や免疫系、人体の自然のサイクルなどに関連付けた理論もあります。しかし、何年間も一貫して見られてきた結果という以外、適切な説明はあまり多くないのです」(ムーティエさん)

「自殺」というものの理解こそが防止には重要

「自殺と精神衛生にまつわる迷信は間違っていると証明すること、それが、人々に手を差し伸べるうえで大きな役割を果たします。自殺は弱さや失敗の表れなどではなく、精神衛生上の問題と遺伝子や過去のトラウマなどほかの要素とが重なった結果です」とムーティエさん。

「自殺は眉をひそめるような行為というよりも、心臓病で亡くなるようなものという理解が浸透すれば、防止と治療が可能であることもわかってもらえます。だれもが、自殺を防止するための一翼を担っているのです。知っている人がいつものパターンと違う行動を取ったら、何かおかしいと思うはず。その人は道を踏み外さずにいられるかもしれませんが、たやすく悪化したり、お酒の量が増えたりする場合も」(ムーティエさん)

自殺が危惧されるほかのサインとしては、睡眠パターンの変化、友人や家族を避ける、危険な行為や向こう見ずな行動、気分の激しい変化、人生の目的がないと感じることなどがあります。

「思いやりのこもった会話を通して愛する人たちを支援するように」とムーティエさんは強くすすめます。

そして、絶望感や閉塞感のサインをキャッチしたら、自殺のことを考えるかどうか、率直に聞いてみるとよいそう。「それで事態が悪くなったり、自殺という考えを植えつける結果になったりすることはありません。安全な環境づくりを心がけたうえで会話していただければ、安堵感を持ってもらえるはず。自分に批判的ではない人と体験を共有できたと思ってもらえるのです」とムーティエさん。

<参考文献>

警察庁/ https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/jisatsu.html


Jenae Sitzes/ Kate Spade’s Death Sheds Light on Suicide Myth: It Peaks in the Spring, Not at the Holidays

訳/ STELLA MEDIX Ltd.

MYLOHAS編集部

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