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インスタに手作りスイーツばかり投稿する人の共通点 [The New York Times]

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Photo by Getty Images

忙しい時ほど、全く必要のないお菓子やパンを作ってしまう。そんな行動は意外なほど一般的だ。最近ではprocrastibaking(procrastinate=「仕事を先延ばしにする」+baking=「焼き菓子を作る」)という造語までできてしまった。医学生、ロマンス小説家、フリーのウェブデザイナーなど、在宅勤務でオーブンが自宅にある人なら、ほぼ誰でもできる。

「課題には取り掛かりたくないけど『自分は生産的に過ごしてる』と思いたくて始めたのが学部生の時。お菓子作りって手軽な気分転換になるでしょ」と言うのはニューヨーク・シティの大学院生、ウェズリー・ストレイトンさん。

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「どうしてお菓子なんか作って時間を無駄にしたの、と自己嫌悪したこともあったけど、今では必要な創造的プロセスとして受け入れるようになった」と語るケーキデコレーターのエリン・ガードナーさん。2018年5月4日ニューハンプシャー州バーリントンの自宅にて(Tony Luong/The New York Times)

完成まで3日もかかるマカロンに挑む強者も

ぐずぐずしたい時のお菓子作りといっても、その内容は十人十色だ。

同好の士の中には、1日がかりの大作を好む人もいる。イーストを活性化させたり、生地を発酵させたり、冷やしたり、といった、いくつもの工程の合間にエクセル作業や勉強をするパターンだ。一方で、頭を仕事モードに切り替えるための儀式としてお菓子作りをする人の場合、バナナ・ケーキやブラウニーなど短時間で完成するものを選ぶことが多い。

「時間の浪費に最適で気に入ってるのがマカロン。うまく作るためには時間も忍耐もいるし、全行程に3日もかかるから」と、作家のジェシカ・ケールさんは言う。

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Oriana Koren/The New York Times

インスタにお菓子投稿が増えるのは、忙しい時期

インスタグラムでもprocrastibakingは人気ハッシュタグだ。期末試験前や税務申告期限の前、選挙日前など、心が動揺する時期に投稿が増えるようだ。それでなくてもインスタグラムでは毎日のように、チョコレートチップ・クッキーや虹色のケーキといった手作り菓子の写真が多数アップされている。

在宅勤務の増加や、台所仕事の精神安定効果、インスタグラムの反応目当てなど、複数の要因が多くの人を不要不急のお菓子作りに駆り立てているのは明らかだ。

「正直に言うと、色々な方法で時間の無駄遣いはしているの。でも、タンスの引き出しから片方だけになった靴下を取り除く作業なんかは、お菓子と比べてインスタ映えしないでしょ」と言うのは娯楽雑誌Peopleの編集者、アリソン・アダトさん。

試験前に「未来の自分のためにケーキを焼く」

ミズーリ州立大学コロンビア校の獣医学部に在籍するレイチェル・カーヴィルさんは、テスト勉強と並行してお菓子作りに励むことにしている。「テスト責めの地獄の数週間に備えるためよ。『ストレスでパンクしそうになった自分は何を食べたら気分が晴れるだろう?』と考えながら、作るものを選ぶの」(大抵はケーキだそう)

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パイを焼くロマンス小説家のミア・ホプキンスさん。2018年5月3日ロサンゼルスにて撮影(Oriana Koren/The New York Times)

すべきことを先延ばししてしまう心理

(カナダの)カールトン大学で心理学を教えるティム・ピッチル教授によると、先延ばしは誰もが必ず悪い判断を下す珍しいシチュエーションの一つだ。

すべきことをせず、「今、良い気分でいたいために、感情的で分別のない決定をしてしまうのです。今の自分はよくても、未来の自分に皺寄せがきます」と教授。現実逃避のためのお菓子作りは、現実逃避のための掃除と同様、自分の腕の良さや、かいがいしさ、自己満足を感じたいがために未来を無視して選ぶ無意識的な戦略だと教授は説明する。

カナダの税務申告期限は4月30日だが、カナダ・サスカチュワン州サスカトゥーン在住のフリーライター、ルネー・コールマンさんはこう告白する。「3月、4月はキッチンで大活躍よ。机に向かって通信費や食費、ガソリン代などの経費を計算しなくちゃ、と思うんだけど、なぜかキッチンでシナモンパン用のイーストと粉を量っている自分がいるの」

どんなものが当てはまる?

現実逃避的お菓子作りのルールはまだ確立されていない。「絶対条件は『楽しい』こと。だから栄養バランスのとれた食事を成立させるための一品は、ふさわしくない」とエイミー・センテメンテスさんは主張する。

センテメンテスさんはノースカロライナ州立大学チャペルヒル校の博士課程の学生で、食べ歩きブログを書いている。センテメンテスさん曰く、サツマイモをこんがりオーブンで焼くのは「やる甲斐のある料理」だが、現実逃避的なお菓子作りの範疇には入らない。

さらに、買い物が必要なレシピはNGだ。というのも、焼き型に油を塗ったり、卵白と卵黄を分けたりしながら、仕事も同時進行でこなせる、と思い込めることが大事だからだ。もしココアを買いに出かけたら、「油を売っているわけじゃない」と言う幻想が崩れてしまう。その点、あり合わせの材料で作ったクッキーなどは理想的だ。

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焼き立てのパイを切るミア・ホプキンスさん。2018年5月3日ロサンゼルスにて撮影(Oriana Koren/The New York Times)

時間の浪費に見えるお菓子作りは、作家の創作プロセスの一部

お菓子作りは仕事の一部、と言い切る作家は多い。創造的思考を生む集中状態に入るための準備運動としてだ。

ロサンゼルス在住のロマンス小説作家、ミア・ホプキンスさんが、気分転換のためにお菓子作りを始めたのは最近のことだと言う。「教師をしていた頃は、現実逃避のためにロマンス小説を読んだり、書いたりしていたわ。でもそれが本業になってからは、別の趣味を探さなければならなかったの」

特に五感に訴えるパイ作りがオススメ

ホプキンスさんにとって、お菓子作りはスランプを抜け出すための手段だ。特に向いているのは、他の菓子よりも五感を刺激するパイ。「ケーキだったら、手を汚さずに作れてしまうけれど、パイだったら生地をこねたり、果物を切ったり、パイ皿に敷いた生地の縁を指先で成形したりするでしょ」。頭の中で文章がまとまらず煮詰ったとき、現実世界に立ち戻るのにお菓子作りは役立つ、とホプキンスさんは言う。小説家という特殊な職業にはもってこいだそうだ。

© 2018 New York Times News Service[原文:Why Work When You Can Procrastibake?/執筆:Julia Moskin](翻訳:Ikuyo.W)

MYLOHAS編集部

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