毎朝、乳酸菌飲料やヨーグルトを口にしている方は多いのではないでしょうか。すべては「乳酸菌」を摂るため。善玉菌の乳酸菌を増やして、腸内環境を整えることが健康&美容に効果的だからです。乳酸菌はヨーグルトや乳製品から摂るものと思っていましたが、研究開発が進みお菓子などに乳酸菌類を含んだ商品が登場しています。

研究開発が明らかにした可能性

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乳酸菌とは糖から乳酸を多く作る菌の総称で、特定されている乳酸菌の数はなんと400種類もあります。昔から乳酸菌や乳酸発酵食品は食べられていましたが、100年ほど前に科学者メチニコフが「ヨーグルトによる不老長寿説」を発表。乳酸菌と健康の関連性を科学的に示したことで、世界中でヨーグルトが食べられるようになりました。

長寿社会を迎え、ヘルシーライフをおくりたいと願う人が増加すると、今まで以上に乳酸菌パワーに熱い視線が注がれています。

そんな期待に応えるべく、食品企業は研究開発と試行錯誤を繰り返し、乳酸菌そのものの使い勝手を向上させることに成功しています。 今までは、ヨーグルトや乳製品の生きた乳酸菌をそのまま摂ることで、大腸の腸内環境を整え、間接的に免疫力を高めていました。ところが、プラズマ乳酸菌のような新しく発見された乳酸菌は、小腸で吸収され直接免疫細胞を活性化することが報告されています。生きた状態でなくても、効果が変わらないことが明らかになった結果、加工食品として配合することが可能になったのです。

多様化する乳酸菌フード

富士経済が昨年6月に発表したレポートによると、乳酸菌類を配合した商品の市場規模は2016年が3,563億円。2017年には3,803億円に拡大すると予想されています。主にヨーグルトが市場をけん引していましたが、最近の傾向として乳酸菌を配合したチョコレートなど、菓子商品が好調になっているのだとか。どんな商品が登場しているかご紹介します。

お菓子

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  • ポテトチップス:カルビー株式会社のプラズマ乳酸菌を1,000 億個配合したポテトチップス「ぽいっと!ナッツソルト味」。
  • チョコレート:株式会社ロッテの「乳酸菌ショコラ」には、生きた乳酸菌ブレビスT001株が含まれます。乳酸菌ブレビスT001株は、腸内環境を改善することが報告されています。
  • せんべい:亀田製菓株式会社の植物性乳酸菌K-2を配合した「白い風船ミルククリーム」。 植物性乳酸菌K-2は、整腸作用とアトピー性皮膚炎やスギ花粉症などのアレルギー症状を 緩和する作用を持っています。

味噌汁

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ひかり味噌株式会社の一杯に200億個の乳酸菌EC-12株を配合した「元気プラス 乳酸菌入りおみそ汁 減塩」。乳酸菌EC-12株は腸内の免疫細胞に働きかけることにより、腸内環境を整えることに優れています。

サプリメント

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オハヨーバイオテクノロジーズ株式会社の「ロイテリ お口のサプリメント」は、1日1粒で生きたロイテリ菌を手軽に摂ることができます。ロイテリ菌は「ロイテリン」という抗菌物質を作り出し、体内の悪玉菌を見極め活動を抑制するはたらきがあります。

お菓子などから乳酸菌が摂れるって、ちょっと驚きませんか? 健康のためにヨーグルトや乳製品を使ったお料理を考えなくても、いろいろな食品から乳酸菌の働きを得ることができるのはうれしいですね。

ヨーグルト選びは“味ではなく菌で”

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乳酸菌類を含んだ商品の開発が進むなか、ヨーグルトは菌の機能をアピールする方向へと進化しています。 例えばオハヨー乳業の「ロイテリヨーグルト」は、歯ぐきを丈夫で健康に保つ機能が報告されているロイテリ菌。明治の「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン」には腸内細菌のバランスを整える、おなかの調子を良好に保つ、などの効果が得られるLB81 乳酸菌。小岩井乳業の「iMUSE生乳ヨーグルト」には風邪やインフルエンザの発症や症状低減効果が期待されるプラズマ乳酸菌が含まれているのです。

今までは、味や好きなブランドでヨーグルトを選んでいましたが、「風邪をひきそうだから…」「内臓脂肪を減らしたいから……」と、菌の機能でヨーグルトを選ぶスタイルになっているのです。 乳酸菌類を配合した商品が次々に登場することで、ヘルシーメニューや商品選びに変化が起きそうですね。

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