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この人、怒っているように見えますか? Yesなら、そこにはこんな理由が

The New York Times

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image via shutterstock

なんでそんなに怒っているの? 私が何をやっても気に入らないのね。顔を見ればわかる。

こんな感情に振り回されたことがない幸せな人は、これ以上この記事を読み進めなくても大丈夫。でも、そうでない私のような人は、興味を持って読んでくれるのではないだろうか。

ある人々にとって、ニュートラルな顔、つまり真顔を見て、「ニュートラルな表情である」と認識することは非常に困難なことだという。喜びや怒りなどの表情はうまく読み取れるのに、なぜか真顔は見分けられない。その原因を探るために、過去10年の間に様々な研究が行われてきた。

見分けられないのは、家庭環境に影響あり?

2018年3月にJournal of Social and Personal Relationships に掲載された研究論文がその一例だ。論文は、両親がよく喧嘩する家庭で育つとニュートラルな顔を認識する能力が育ちにくいことを示唆している。言い争いが始まるサインを見つけるのに注力しすぎるのがその原因ではないかという。

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アメリカ国立衛生研究所提供画像。左の列がニュートラルな表情(National Institute of Mental Health via The New York Times)

著者で、バーモント大学で発達心理学を教えるアリス・シャーマーホーン博士は次のように述べている。「両親の喧嘩の兆候を見つけられれば、すぐその場を離れ自室にこもることができます。怒りに比べ、ニュートラルなやりとりには情報があまりなく、そのため認知への優先順位が低くなるのかもしれません」。

こうした研究は過去の先行研究をベースにしている。うつや不安症、神経過敏症などの症状が人の表情を読む能力に影響を与えることを指摘する研究や、幼少期に暴力やネグレクト、身体的虐待を受けた人は、そうでない人に比べ、何でもない表情や言動に敵意を見出すことが多いという研究だ。

相手の表情を読み違えたことで対立を起こす、といった経験がさらにその傾向を強め、悪循環を招いてしまうこともある。「相手が怒っていると感じれば、敵対的な反応を返してしまうことも多いでしょう」。ジョージタウン大学の神経科学者アビゲイル・マーシュ博士は言う。

「喜び」「怒り」は見分けられても……

シャーマーホーン博士はこうした先行研究を踏まえ、「両親の喧嘩」というありふれた事柄がどこまで子どもに影響を与えるのかを調べた。

実験は9歳から11歳までの年齢の99人の子どもを対象に行われた。全員が実の両親と共に暮らしている子どもたちだ。まずはアンケートで「言い合いをする時、両親はとても怒っている」というような質問に答えてもらった。次に数パターンの写真を見せ、感情を読み取る能力を測った

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バーモント大学のアリス・シャーマーホーン博士が子どもたちを対象とした実験で使った写真(University of Vermont via The New York Times)

「喜び」「怒り」「ニュートラル」という3つの表情を読み取るというこの実験。始める前に立てた仮説では、両親が対立しがちな家庭で育った子どもはそうでない子どもに比べ、どの表情も等しく読み違える傾向が高いとした。

だが結果は違った。彼らは喜びと怒りの表情は正確に読み取れていたが、ニュートラルな顔だけはうまく読み取れていなかったのだ

もちろん、この実験だけで結論は出せない。写真が若い白人の役者を撮影したものであること、静止画で動きがないこと等々、実際の環境とは違っているため、様々な限界はある。また子どもたちはニュートラルな表情を読み間違える際に、喜びと怒りを同じ確率で選んだが、これは同様のテーマで行われた他の実験の結果とは異なっている。さらには、こうした能力は年齢とともに変化する可能性だってある。

うつや不安障害などでも同様の傾向

とはいえ、この実験結果は他の研究者らが指摘する次のような点を補強している。それは、平静なやり取りを最も必要としている人々にかぎって、しばしば平静さのサインを見分けられないというものだ。同じような傾向が、うつや不安障害に悩まされている人にも見受けられる。

ジョージタウン大学のマーシュ教授は言う。「不安障害の人はニュートラルな表情に怒りや恐怖、また漠然としたネガティブな感情を読み取ってしまう傾向があります」。

うつの人もまた、喜びの表情を見落とし、悲しみや怒りのサインばかりを大きく捉えてしまうことが多い。

訓練で変えることができる

救いなのは、こうした傾向は直すこともできるということだ。それを証明した実験もある。

神経過敏の子どもたちに対する治療法を開発するアメリカ国立衛生研究所の神経科学者、メリッサ・ブロットマン博士の研究がそれだ。神経過敏の子どもたちが、ニュートラルな表情に敵意を見出す傾向が強いことを見つけた博士は、治療段階に進むための予備研究としてコンピュータを使って被験者にフィードバックを与える実験を行なった

あくまで短期間の小規模な実験ではあったものの、ポジティブな変化が見られた。まず、子どもたちはニュートラルな顔にネガティブな感情を読み取ることが減った。また被験者の親や担当医によると、彼らの気分が以前よりも安定するようになったというのだ。

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眉の形によっては、怒っているという印象を与えてしまう (University of Vermont via The New York Times)

周りの人が思いっきりハッピーな表情を浮かべていないからといって、怒っているのではないかと勘ぐる必要はない。ひょっとするとあなたの不安は、単に相手の眉の形に反応しているだけなのかもしれない。眉頭が低い人や、V字型の眉の人は怒っているという印象を与えやすいという研究結果もあるのだから。早とちりは禁物だ。

© 2018 The New York Times News Service [原文:Why It Seems as if Everyone Is Always Angry With You/執筆:Heather Murphy](翻訳:Tom N.)

MYLOHAS編集部

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