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チーズにシーフードまで登場。植物性由来食は新時代へ

かしこい食の方程式

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田邉愛理

5月の特集は「かしこい食の方程式」。意識して選びたい「食」に注目し、積極的にプラスしたい食材、なるべく避けたほうがよい食材を紹介していきます。今回は植物性由来食について。

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ベジタリアンが多く存在するアメリカのミレニアル世代(一般的に1980年代から2000年代初頭までに生まれた人を指す)。動物性食を減らしたいという彼らの意向をうけシェアを広げ、日本でも広がっているのが「Plant-Based Food(植物性由来食)」です。技術革新が生み出した植物性の肉やチーズは、味も食感も動物性食に迫る勢い。不二製油グループ本社が行った「食への意識調査」から見えてきた植物性由来食の新時代をご紹介します。

Plant-Based Food(植物性由来食)が広まる

日本でもサラダから食べる「ベジファースト」が広く認知されるなど、食生活における野菜の存在感が増している現在。社会学者の品田知美さんは「いずれの国でもミレニアル世代は鋭敏感覚で未来をとらえ、食生活がベジタリアン志向へとシフトしている」と見ています。2017年に行ったインターネット調査(※1)では、アメリカのミレニアル世代の38.7%が広義のベジタリアンと自覚しており、日本人の10倍以上の割合だったそうです。

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ベジタリアンがたんぱく質を摂るには、大豆をはじめとした豆類が欠かせません。そこで注目されはじめたのが、精進料理など古くから大豆をおいしく食べる方法を洗練させてきた日本人の食。明治時代以降、日本は肉・卵・乳製品を取り入れて欧米的な食文化へと移行してきましたが、いまや時代の潮目は変わったと品田さんは分析します。

チーズにシーフードまで。おいしい植物性食が増加中

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ベジタリアンが増加したのは、技術革新により植物性食の味やバリエーションが豊富になったことも理由のひとつかもしれません。植物性の肉だけでなく、ヨーグルト、チーズ、卵、マヨネーズ、シーフードまでが登場しているのです。

おいしい植物性食の開発は日本でも進んでいます。植物性油脂と大豆を原料とした食品素材を手がける「不二製油」は、大豆を分離・分画する新技術USS製法を使い、「チーズのような豆乳クリーム」を開発。これを使えば、乳・卵・小麦粉不使用のティラミス風デザートを作ることもできます。セミハードチーズタイプの「BEYOND TOFU」は、USS製法による低脂肪豆乳を乳酸菌で発酵させたもの。発酵による旨味とやさしい香りがあり、野菜や和食材との相性も良好だと言われています。

大豆ミート」と呼ばれる粒状大豆たんぱくも、味・食感ともに進化しています。これは、主原料となる脱脂大豆を押出成型機(エクストルーダー)に投入し、高温・高圧下で処理することでたんぱくを組織化し、多孔質にしたもの。脱脂大豆以外にもさまざまな原料を配合することで、肉のような食感を生み出しています。「大豆ミート」を活用すれば、ソイカツや大豆からあげといった応用も可能に。満足感のある植物性食メニューが、日本にもベジタリアン志向を拡大していくかもしれません。

「食のバリアフリー」でおもてなし

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「サロン・デュ・ショコラ パリ 2017」の様子

ホテルやビジネスイベントで、植物性食メニューが「食のバリアフリー」として導入されるケースも増えています。観光庁が進めるMICE(大規模ビジネスイベント)誘致にあたっては、八芳園内のカフェ「Thrush Cafe」がヴィーガンメニューを採用。サンシャインシティプリンスホテルでは、インバウンド対応としてもベジ・ヴィーガンメニューの強化を進めているそう。

2017年の「サロン・デュ・ショコラ パリ 2017」では、豆乳クリームを活用したチョコレート「小町通りの石畳 ソイカカオ」が話題になりました。砂糖・生クリーム不使用でありながら、カカオの香りと苦みをコクのある豆乳クリームで包み込んだ味わいが大人気に。開催4日間のうち2日間で完売するほどの盛況ぶりだったといいます。

アメリカのミレニアル世代の食トレンドが日本にも

不二製油グループ本社の調査では、アメリカのミレニアル世代に植物性食中心のライフスタイルへの興味を聞いたところ、日本国内のミレニアル世代の40%を超える60.1%が「興味がある」「どちらかというと興味がある」と回答したとのこと。日本の40%という数値もけっして低いとは言えません(※2)。

食は飢餓、貧困や平等、そして気候変動などグローバルな社会問題と直接つながっています。国連サミットで採択された2030年に向けたSDGs(持続可能な開発目標)の浸透とともに、アメリカのミレニアル世代の食トレンドは日本にも近く影響を与えるでしょう」と品田さん。

筆者はベジタリアンではありませんが、おいしい植物性食には興味津々。ヘルシーな選択肢のひとつとして、今後も注目していきたいと思います。

(※1)現代における植物性食および「PBF」への関心の高まりと、 背景にある食への意識を明らかにするべくインターネット調査を実施。(調査委託:マクロミル)調査期間は2017年11月10日~11月11日(日本)2017年12月13日(アメリカ)。調査対象は1950年~1999年生まれの日本人男女1,030名、1980年~1999年生まれのアメリカ人男女416名。
(※2)※1の中からミレニアル世代のみに絞った調査結果。

品田知美(しなだ・ともみ)さん

社会学者、大学講師。1964年三重県生まれ、愛知県育ち。早稲田大学文学学術院招聘研究員。専門は社会学。東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程修了、博士(学術)。著書に『〈子育て法〉革命』(中公新書)、『家事と家族の日常生活』(学文社)、『平成の家族と食』(晶文社)など。

文/田邉愛理、企画・構成/寺田佳織(マイロハス編集部)、image via shutterstock

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