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何気なく口にする脂。とりかたで不調を自分でコントロール

ポジティブ栄養学

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吉川圭美

長く続いている健康ブーム。食生活を見直したり運動をはじめたりということは、ブームという一過性のものではなく、もはやライフスタイルのひとつとして定着しはじめていることをじわじわと感じています。

そんな折に開催された「国際オーソモレキュラー医学会 第47回世界大会」。創立以来50年近くの歴史を持つ世界的オーソモレキュラー団体「国際オーソモレキュラー医学会」により、昨年まではカナダなどで開かれていましたが、今年は初めてアジア圏で、しかも日本で開催されるということで関係者の間でおおいに盛り上がっていたイベントです。大会に駆けつけた人数は、なんとカナダで行われていたときのおよそ3倍というから、日本での栄養への注目の高さをうかがい知ることができます。

不調のつらさは自分でコントロール。鍵となるのは細胞膜

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なかでも私が注目したのが、2日目に行われた、日本におけるオーソモレキュラー医学の第一人者、溝口徹先生によるランチョンセミナー。「オメガ3系脂肪酸の可能性~発達障害・精神疾患・デトックスへの応用」と題したもので、栄養の力を改めて感じた内容でした。

意外に知られていませんが、身体に存在する60兆、30兆ともいわれる細胞ひとつひとつをくるんでいる膜は油でできています。水にも油にもなじむ油の一種、リン脂質がずらりとならび、二重の層となって膜を作っています。

リン脂質は、水になじむ部分にふたつの脂肪酸(油)がくっついた構造をしています。脂肪酸のうち、ひとつは肉やバターの脂でおなじみの飽和脂肪酸、もうひとつが、サラダオイルや魚の油に多い不飽和脂肪酸となります。

不飽和脂肪酸は、身体のなかでホルモンのような働きをする物質、エイコサノイドの材料となります。作られるエイコサノイドは不飽和脂肪酸の種類によって変わります。たとえば魚に多いオメガ3系脂肪酸、EPAは炎症を抑えるのに対し、サラダ油に多いオメガ6系脂肪酸、リノール酸は炎症を起こしやすくする、といった具合。炎症とは、風邪でのどが腫れたり蚊に刺されたりといったときに起こる、身体が受けた刺激から身を守るために起こる反応のことであり、炎症が起こりやすい状態になると、アレルギーやPMSなど、不調のつらさもひどくなりやすく、病気にもなりやすい状態におかれる、といえます。

ちなみに細胞膜の材料となる不飽和脂肪酸はどこから来ているかというと、ふだん私たちが口にする食べ物。つまり意図的に食べ物をコントロールし、細胞膜の性質を変えることで、不調のつらさは自分でコントロールすることができる、というわけです。

抗酸化、デトックスに力を発揮する「u DHA」

さらに溝口先生がご紹介くださったのが、魚に多い不飽和脂肪酸、DHAに酵素処理を施した、バイオアクティブDHA(u DHA)。通常のDHAがパワーアップしたもので、細胞膜にDHAが増えることでグルタチオンやSODなど、抗酸化力を持つものがパワーアップ。抗酸化力やデトックス力が上がることも明らかになってきました。すでに臨床の場でも使われ、数々の実績を挙げているのだとか。数々の事例も示され、会場内ではあちこちで驚きの声があがっていました。

「口にしたものが、細胞膜のつくりを少しずつ変えて炎症や解毒を改善していく考え方は、体に備わった物質を使って改善するというオーソモレキュラーの思想にぴったり」と溝口先生。食べ物が、栄養が身体を変えていくダイナミズムを目の当たりにした1時間となりました。

ステーキに刺身、揚げ物にスナック菓子、パン、アイスクリームに至るまで私たちのまわりにはさまざまな油であふれています。毎日の生活でどんな油をチョイスし、どんな風に付き合っていくかで、私たちの未来の身体は自分でいかようにも変わるといえます。改めて、心地よい関係を見つけていきたいなと考えているところです。

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