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昔の女性の9倍も生理がある現代女性。なぜ出血するの?

カラダ戦略術

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増田美加

自分の体をきちんと知ろう! をテーマに、増田美加(女性医療ジャーナリスト)さんによる連載「カラダケア戦略術」。Vol.19は「年1回受けたい婦人科検診」をお届けしました。今回Vol.20は「意外と知らない女性の生理」についてお届けします。

今の女性は昔の女性の9倍も生理があるのです

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「生理(月経)の仕組みなんて、何をいまさら......」と思うかもしれませんが、生理のメカニズムを知ると、きっと毎月の生理が愛おしく感じると思います。

自分の生理のこと、意外と知らないことも多いのでは?

たとえば、現代女性は初潮(初経)から閉経までの約40年間で、生理が約450回くるのですが、昔の女性の生理回数は約50回しかありませんでした。現代女性の生理の回数は、昔の女性の9倍もあるのです。

昔の女性は、結婚が早く、7人、8人と子どもを産む人も少なくありませんでした。妊娠、出産、授乳をくり返していたので、生理回数が少なかったのです。けれども閉経の時期はおよそ50.5歳と今も昔もほとんど変わりません。

現代女性は、妊娠、出産回数が減り、生理の回数が極端に増えたことで、さまざまな不調や病気を抱えるようになってきたのです。

生理が起こるメカニズムを知っていますか?

どうして毎月、出血するのか? あらためて、その仕組みを、順を追って確認してみましょう。

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女性の体の子宮と卵巣の位置を見て見ましょう。子宮は鶏の卵ぐらいの大きさ、卵巣はうづらの卵の大きさぐらいで子宮の左右に2つぶら下がっています。
では生理のメカニズムをみていきましょう。

01.まず、脳が卵巣に指令を出します

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脳の視床下部が、その下にある下垂体に指令を出します。すると、下垂体は、「卵胞刺激ホルモン(FSH)」と「黄体形成ホルモン(LH)」という2つの性腺刺激ホルモンを分泌します。この2つのホルモンが、卵巣に届きます。卵巣はこれを指令として受け止め、卵子を育て始めます。そうすると、女性ホルモンの「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌量が増え始めます。これが排卵前のエストロゲンの分泌が多い、低温期にあたります。

02.卵巣から卵子が飛び出します

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エストロゲンの量がピークになると、卵巣にある卵胞から、卵子がポーンと飛び出します。つまり、これが排卵です。卵子は卵管の先、卵管采にキャッチされ、卵管の中に誘導されます。卵管の中で、うまく精子と出会えば、受精卵になります。

03.黄体ホルモンが卵巣から分泌します

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排卵(卵子が卵胞から飛び出す)後の卵胞は、黄体に変化して、もうひとつの女性ホルモンである「プロゲステロン(黄体ホルモン)」を約2週間、分泌します。この期間は、高温期にあたり、PMSの不調が起こりやすい時期です。このときプロゲステロンは、子宮に「妊娠できる準備をして~」と指令を出しています。

04.子宮内膜がフカフカのベッドに

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子宮は、プロゲステロンの指令を受けて、受精卵が子宮内膜に着床する準備をします。子宮内膜はたっぷりの粘液と血液を蓄えて、フカフカのベッドのようになり、受精卵を待ち構えています。

05.待っていた受精卵が来ないと......

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卵巣から排卵した卵子が精子を待てるのは、約1日です。プロゲステロンは、排卵後約2週間分泌され、子宮内膜へ指令を出し続けます。けれども、受精卵が来ないと、7ミリほどに厚くフカフカになった子宮内膜は、必要なくなります。そのため、はがれ落ちて、体外に排出されるのです。これが生理です。

06.脳は再び、卵巣に指令を出し始めます

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妊娠が成立せず、生理が始まると、先月と同じように、脳の視床下部、下垂体に指令を出し、再び「卵胞刺激ホルモン(FSH)」と「黄体形成ホルモン(LH)」という2つの性腺刺激ホルモンを分泌します。「卵子を育てて! 」と指令が卵巣にいくのです。すると、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が再び、増え始めるのです。

このように、妊娠が成立しないと、毎月、このサイクルを繰り返します。私たち女性の体は、毎月、妊娠に備えているわけですね。せっかく作った赤ちゃんのベッドが使われずに、はがれ落ちたものが生理だと思うと、なんだか愛おしくなりませんか?

脳にはフィードバック機能もあります!

排卵や生理は、ホルモンが指令となって起こりますが、これにはフィードバック機能があります。

エストロゲンやプロゲステロンの分泌量を脳が見張っていて、ホルモンがあまり出ていないと「もっと出して! 」と指令を出したり、たくさん出ていると「少し控えるように! 」と指令を出して調整しているのです。私たち女性の体って、本当に素晴らしいですよね。

この性腺刺激ホルモンや女性ホルモンの分泌をコントロールしている脳の視床下部、下垂体では、ほかにも体に大切な甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、成長ホルモンなどの内分泌系のホルモンもコントロールしています。

脳はとってもデリケート、ストレスに弱いのです

この脳の視床下部、下垂体はとてもデリケートにできています。そのため、ストレスが加わると、この司令塔である視床下部、下垂体はたちまち狂い始めます。

ホルモンタワーのおおもとである脳が正常に機能しないと、真っ先に女性ホルモンの分泌が狂い出します。ストレスが強いと生理が遅れたり、来なくなったりするのは、こういう理由からです。それだけでなく、ほかの甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、成長ホルモンも連動してバランスが崩れます。そうなると、体にさまざまな変調が起こり、いろいろな不調となって現れます。

ですから、女性はストレス対策がとても重要なのです。自分の体の仕組みがわかると、体に優しくなれる気がしませんか?

mika_masuda

増田美加・女性医療ジャーナリスト

2000名以上の医師を取材。予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページhttp://office-mikamasuda.com/

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