1. Home
  2. BODY
  3. 不安やうつ。心じゃなくて身体の不調のサインかも

不安やうつ。心じゃなくて身体の不調のサインかも

The New York Times

2,796

深刻な病気にかかっていると告知されてから、不安感に襲われたり、うつになったりすることはごく当たり前にあることだ。でも逆に、不安やうつが内科的な病気の症状だとしたら?

または、体の不調が心の問題によって引き起こされているとしたら? こうした場合、不調の本当の原因が特定され、的確な治療が施されるまでにはかなりの時間がかかってしまうだろう。

不安感の原因はいろいろ

1804_anxiety_top

この問題に関してメンタルヘルスの専門家に注意を呼びかけているのが、毎月約5万人の精神科医に読まれている医学誌Psychiatric Timesに掲載された「不安障害のある内科疾患患者への対処法(Managing Anxiety in the Medically Ill)」という記事だ。メンタルクリニックなどで患者が訴える不安障害やうつなどの症状のなかには内科的な疾患による場合があり、根本的な原因を解決しない限り解決は難しいとしている。

記事には、初期的な症状が不安感として現れる内科的疾患のリストがあり、不整脈や膵臓がんなどの47の病気があげられている。これとは別に、不安感を引き起こす可能性のある薬のリストもあり、SSRIなどの抗うつ剤を含む30種類もの薬が記されている。

身体の不調が心からくる場合

この記事はまた、心臓疾患や内分泌異常、胃腸の不調などを専門とする医師にとっても役立つ内容となっている。医師は患者の症状が精神的な問題によるものである可能性を検討する必要があるし、また、病気に苦しむ患者のメンタル面に配慮することも治療を進める上で重要になってくるからだ。

米ヴァージニア州のイノヴァ・フェアファックス病院のユ・ドング博士らの研究によると、喘息、睡眠時無呼吸、肺塞栓症などの呼吸器系疾患の患者のなかには不安感などの精神症状が現れることがあるそうだ。同様に、胸の痛みや頻脈などの循環器の不具合がある人は不安障害を患っている場合があるとしている。

診断で陥りがちな「木を見て森を見ず」

正確な診断を困難にしている理由のひとつは、医療が専門分野ごとに別々に発展してきたためだ。それぞれの分野の医師たちが、多岐にわたる医学的知見をすべて踏まえた総合的な判断を下すことは難しく、「木を見て森を見ず」という状況に陥ってしまうのだ。

循環器や消化器の専門医は多くの場合、疾患に伴う精神的な症状を的確に見極め対処するための知識を持っていない。その逆の場合も然りで、精神科医は、動悸、疲れやすさ、めまいなどの症状が内科的疾患から来ていることに気づかないことがある。

カナダの循環器専門の病院、モントリオール・ハート・インスティチュートの医師らによる1996年の報告によると、胸の痛みを訴えて救急病棟を訪れた441名の患者のうち、25パーセントはパニック障害の発作を起こしていたそうだ。

逆に、記者の知人でパニック障害の治療を受けていた女性は、心臓疾患があることが後に判明したのだが、心臓が完治した後は発作がすっかりなくなったと言っている。

不安障害の及ぼす影響

不安障害はまた、薬物乱用や薬物中毒などの遠因である場合や、偏頭痛や過敏性腸症候群を引き起こすことがあるが、見過ごされることが多い。

長期にわたる不安障害は、めまい、吐き気、下痢や頻尿などの症状を引き起こすことがある。その他にも、筋肉痛、だるさ、頭痛、息切れなどの症状が出ることも。精神的な問題だと気づかなければ、見当違いの検査に無駄な時間とお金を費やしてしまいかねない。実際に、不安障害を抱える人々の三分の一近くは的確な治療を受けられていない。

子供の場合も同様で、不安障害が慢性的な胃痛や、悪夢や歯ぎしりなどを含む睡眠障害を引き起こしている場合がある。

長患いの人は心のケアが大切

慢性疾患を持つ人が不安障害を発症した場合、適切な対処がとられないと体の症状が悪化し、ますます治癒が難しくなってしまう。例えば、慢性閉塞性肺疾患と不安障害を併発している人の場合、精神面のケアがなされていないと入院回数は増え、呼吸困難は悪化するそうだ。心身両面に問題を抱えてしまうと、重篤の場合は死期を早めてしまうこともある。

慢性的な病気に罹っている人で、不安障害と思われる症状がある人は、一度メンタルヘルスの専門家に相談してみるとよいだろう。認知行動療法や薬物治療などいくつかの効果的な方法により、生活の質を大幅に上げることができるはずだ。

密接に関わりあう心と身体

うつもまた、隠れた内科疾患のサインかもしれない。これらの病気には、甲状腺疾患や心臓発作、肺や膵臓がん、クッシング症候群などが挙げられる。

Psychotherapy and Psychodynamics誌に掲載されたイタリアと米国の研究者による論文によると、パーキンソン病や多発性硬化症などの神経障害は、最初期の頃は精神的な不調として現れることがあり、数年が経ってからやっと神経的な症状が出て、はっきりとした診断が下せるという。

この論文は、多発性硬化症の患者30人を対象としたマサチューセッツ大学医学部の調査結果を引用している。それによると、患者の75パーセントにはひどいうつ症状があり、その原因である多発性硬化症の診断が遅れたとのことだ。

論文を発表した研究者たちは次のような指摘をしている。「精神的な症状に対し、医師が精密検査を行うことは稀である。しかし、気分の落ち込み、不安感、神経過敏、怒りっぽさなどの諸症状は、内科的疾患の初期的なサインである可能性に留意する必要がある」。

メンタルヘルスの問題で治療を受けていて、なかなか改善がみられない場合、もしかしたら医師も気づいていない身体的な原因があるのかもしれない。その可能性について患者や家族の側から担当医に聞いてみても良いのではないだろうか。

身体と心は、それぞれに独立した別個のものではない。双方は密接に関わりあっていて、互いに影響を与え合っていることを忘れてはならない。

© 2017 The New York Times News Service

[原文:When Anxiety or Depression Masks a Medical Problem/執筆:Jane E. Brody](抄訳:Tom N.)

MYLOHAS編集部

  • facebook
  • twitter
  • hatena

    Ranking

    1. コーヒーの量やチョコを欲するときが増えたら、気をつけるべきこと

    2. ダイエットの味方!「食物繊維」を豊富に含む7つの食材

    3. ご存じですか? 危険な真菌感染カンジダ・オーリスの流行を

    4. 「背中が痛い!」それ、実は重大な問題かも。医師の診察を受けるべきサイン

    5. ルールはたった2つ。医師考案の「夜はちみつ」で痩せる理由

    6. 医師に聞いた、体臭を防ぐ7か条。サビない人になる秘訣って?

    7. いつもの朝食が変わる!卵と野菜をしっかり摂れるアレンジレシピ10

    8. その気持ち悪さ、8つの意外な原因のせいじゃない?

    9. ストレスで太るのはなぜ? 食欲ホルモンの分泌を抑える8つの食品

    10. 胃痛や腹痛を早く治す方法とは? マッサージやペパーミントが味方に

    1. コーヒーの量やチョコを欲するときが増えたら、気をつけるべきこと

    2. ルールはたった2つ。医師考案の「夜はちみつ」で痩せる理由

    3. 「背中が痛い!」それ、実は重大な問題かも。医師の診察を受けるべきサイン

    4. 医師に聞いた、体臭を防ぐ7か条。サビない人になる秘訣って?

    5. その気持ち悪さ、8つの意外な原因のせいじゃない?

    6. 「自然に痩せる体」を作るのは、あのビタミンだった!

    7. 女医さんに聞く、デリケートゾーンのモヤモヤを吹き飛ばすヒント

    8. 胃痛や腹痛を早く治す方法とは? マッサージやペパーミントが味方に

    9. クリーニングのプロに聞いた、脇汗の黄ばみをきれいに落とす方法

    10. 30代からの肌改革!肌の根本から見直す「奥底」のケアとは

    1. 有酸素運動と筋トレのいいとこどり! 道具不要なトレーニング4つ

    2. コーヒーの量やチョコを欲するときが増えたら、気をつけるべきこと

    3. 「背中が痛い!」それ、実は重大な問題かも。医師の診察を受けるべきサイン

    4. その気持ち悪さ、8つの意外な原因のせいじゃない?

    5. 胃痛や腹痛を早く治す方法とは? マッサージやペパーミントが味方に

    6. ルールはたった2つ。医師考案の「夜はちみつ」で痩せる理由

    7. 女医さんに聞く、デリケートゾーンのモヤモヤを吹き飛ばすヒント

    8. たっぷり寝たのに眠いのは? 女性に多い「睡眠障害」5つのタイプ

    9. 炭水化物は摂ってよし! ダイエットがきちんと続く1週間の食事パターン

    10. 鼻づまりを解消する、即効性のある3つの方法