季節を問わず食卓に並ぶ和食の定番、大根の煮物。一度は作ったことあるという人も多いと思います。そして「どうもお店で食べるような出来上がりにならなかった」という反省もまた、誰もが一度はしたことあるのでは? 特別なキッチンツールも技術も必要ないプロの味の秘密を紹介します。
プロの裏ワザによる大根の下茹で方法
煮物の決め手は、だしの味を具材の中心まで染み込ませること。長く煮ると崩れるし、隠し包丁を入れてもいまいち……そんなジレンマを解決する裏ワザとして「大根を砂糖水で下茹でする」という方法がありました。紹介しているのは、野菜のプロ、伊勢丹新宿店・フレッシュマーケットの鈴木理繪シェフ。
砂糖を加えた水で煮るのは、突飛な方法ではなく、料理の基本、『さしすせそ』に従った手順。砂糖は素材をやわらかくする性質があるので、その後の味のしみ込みがよくなります。
(「FOODIE」より引用)
砂糖の効果で味が染み込みやすくなった状態の大根に、好みの調味料で味付けするだけ。ここに「隠し包丁」と「ひと晩おく」という2工程をプラスするとさらにしっかり味の染み込んだ煮物になるのだそう。そんなポイントをおさえた下茹で方法とは?
<材料>(作りやすい分量)
- 大根…1/2本
- 砂糖…大さじ1と1/2
- 水…1.5リットル
- 昆布…10cm四方
<作り方>
1. 大根は幅5cm程度の輪切りにし、皮をむく。中央に十字に隠し包丁を入れる。昆布に切り込みを入れ、出汁を出しやすくする。
「隠し包丁は、大根の中心部まで届けばOKです。下まで貫通させる必要はありません。昆布はハサミで切り込みを入れればしっかり出汁が出ます」(鈴木シェフ)
2. 鍋に水、砂糖、昆布、1の大根を入れ、強火にかける。沸騰したら中火にし、30分ほど煮る。
「大根は竹串で刺してみて、やわらかくなれば下茹でのできあがりです」(鈴木シェフ)
(「FOODIE」より引用)
大根だけじゃなく、味の染み込みにくいニンジンやジャガイモなどの根菜類にも試してみたい下茹で方法。野菜スープや、寒い季節のおでんにも応用できそうです。
[FOODIE]