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見直される「呼吸」。専用アプリも登場

The New York Times

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アンドリュー・ローウェンタールさんは週に2度、ビデオ通話や会議の合間に、ある携帯アプリを立ち上げる。呼吸に集中するためのアプリだ。 ストレスと上手く付き合い、職場での思考力を高める効果がある。さらにローウェンタールさんも驚いたことに、スポーツジムでの筋力と持久力がアップした。ローウェンタールさんは、呼吸法についてこう話す。「人間にとってすごく基本的なことなのに、あまり意識することはない」

アプリを使った呼吸エクササイズで持久力アップ

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瞑想スタジオInscapeで瞑想するアマンダ・ベイカーさん。2018年1月3日マンハッタンにて撮影。 (Kholood Eid/The New York Times)

マンハッタンの非営利団体Out in Touchの代表を務めるローウェンタールさん(33歳)は、ニューヨークの瞑想スタジオInscapeが開発したアプリを通常3分から10分間利用している。アプリが指示する色々なタイミングに合わせて、息を吸い、止め、吐く。この呼吸のエクササイズのおかげで、以前より定期的に運動し、健康に気遣うようになったと言う。「確実に持久力アップに繋がっている」とローウェンタールさん。

身体的な効果で見直される呼吸

呼吸は、瞑想やヨガの重要な要素と位置づけられてきたが、今や呼吸そのものが一つの分野になりつつある。専門のクラスや個人レッスン、アプリなども登場している。これまでは精神面や心理面への影響が注目されることが多かった。だが最近では、運動能力の向上やトレーニング後の筋力回復のスピードアップにつながるという声がフィットネス専門家の間で上がっている。 呼吸法をテーマに取り上げてきた健康情報メディア、Mindbodygreenは、読者の関心の高まりを指摘する。特に、「瞑想はあまりにも疑似科学っぽい」と思う読者を引きつけている、と共同創始者のコリーン・ワチョブさんは言う。「従来とは少し違う層で、運動能力に結びつくもの、科学的根拠のある、手っ取り早い方法に関心がある人たち」に訴求している。

ヒラリー・クリントンも呼吸に注目していた

意識した深呼吸は、不安を鎮め、ストレス緩和や頭脳を明晰にするのに効果があると、長く認知されてきた。例えばヒラリー・クリントン氏も、2016年の大統領選挙活動中に片鼻呼吸法を取り入れて、リラックスに努めたと公言している。ただ、呼吸が新たに見直される背景には、呼吸と情動性の物理的な関係を示す科学的発見がある。

呼吸と情動性の関係を示す科学的裏付け

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マンハッタンの瞑想スタジオInscapeでクラスの開始を待つ参加者。2018年1月3日撮影(Kholood Eid/The New York Times)

2017年3月に科学誌Scienceに掲載された研究は、自然呼吸と情動性をそれぞれ制御する脳の部分をつなぐ解剖学的構造を示した。連結部の活動の変化によって、マウスの覚醒度、敏捷性、落ち着きに影響が出た。スタンフォード大学で神経生物学と眼科学を教えるアンドリュー・ヒューバーマン教授は同研究をこう評価する。「(呼吸と情動性の間に)因果関係を示した重要な発見だ」

ヒューバーマン教授は、心の状態に呼吸がどう影響するかを研究している。また、カリフォルニア州サンマテオヒルズで活動するトレーナー、ブライアン・マッケンジーさんと一緒にアプリを開発中だ。簡単な呼吸テストと利用者が登録したデータをもとに、利用者に合った呼吸法を提示することを目的としたアプリだ。

習慣にすれば、長期的な効果もある

「呼吸法は、正しく行えば身体、情緒、認知機能にすぐ効果が現れる体操のようなもの。定期的に行えば長期的な効果もある」とヒューバーマン教授は言う。「呼吸と情動表出の調節中枢をつなぐ神経経路は変更や強化することができる。 脳の司令次第で、落ち着きや、集中力、安眠を手に入れられる」

鼻呼吸は運動能力や代謝効率の改善に効果あり

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瞑想スタジオInscapeで瞑想する参加者たち。2018年1月3日マンハッタンにて撮影 (Kholood Eid/The New York Times)

さらに、運動能力の向上にも効く。3冊のスポーツ関連書の共著者であるマッケンジーさんは、運動能力の最適化と代謝効率アップのため、クライアントに鼻呼吸を指導している。鼻から呼吸すると副交感神経系が活性化し、冷静さや集中力の持続につながり、周辺視野の拡大や、良い姿勢・フォームの維持に役立ち、結果として怪我を減らせると言う。

呼吸法をプログラムに取り入れた高級スポーツジム

高級スポーツジムのEquinoxもこういった研究結果に注目する。高負荷運動と脳に働きかける動作を組み合わせたエクササイズ、それに呼吸法から成るHeadStrongというクラスを2年前に開設した。それ以来、インストラクター向けに基礎的な呼吸法の研修を実施している。

同社グループ・フィットネス部門のシニア・マネージャーを務めるマイケル・ジャーベイスさんは、呼吸によって活性化する副交感神経系活動と集中トレーニング後の回復状況を関連づける研究に言及し、「身体回復のテクニックとして、呼吸法はフォームローラーやストレッチのようにお馴染みのものになると思う」とコメントした。

瞑想すれば、運動選手並みの持久力と体力も夢ではない?

ニューヨークの人気セレクトストアIntermixの創業者兼元CEOで、瞑想スタジオInscapeを立ち上げたKhajak Keledjianさんは、自身も週に2度行う瞑想について、ストレス緩和や睡眠改善、活力増加に効くと評価する。さらに、きついハイキングをしても、呼吸が乱れにくくなったとも。「心拍数の基準に照らせば、僕の持久力と体力は運動選手並みさ」

© 2018 New York Times News Service[原文:Want a Better Workout? Just Breathe/執筆:Tatiana Boncompagni](翻訳:Ikuyo. W)

MYLOHAS編集部

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