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マインドフルネスを考える世界的サミット「Wisdom 2.0」で感じたこと

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毎年2月にサンフランシスコで開催されるマインドフルネスを考えるサミット「Wisdom 2.0」に行ってきました。Wisdom 2.0はわずか2.5日間の間に、70名以上のスピーカーがトークやセミナー、ワークショップ、ヨガやメディテーションなど繰り広げる大掛かりなサミットです。

ここでは著者が個人的に興味を持って参加したイベントの感想をもとに、レポートしていきます。

忙しい現代社会だからこそ必要なフレンドリーなサミット

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マインドフルネス界の著名な先生方に加えて、グーグルやフェイスブック、ツイッターなどを筆頭とするテクノロジー業界のエグゼクティブたちも参加し、「デジタル時代をマインドフルネスに生き抜くには?」をテーマに、今年も3000人以上の参加者が世界中から集まり、さまざまなトピックが語られました。

オープニングセレモニーではまず、Wisdom 2.0創始者Soren Gordhamer氏が、

「現代社会ではオンラインサミットが主流になりつつあり、周りの人たちにも『どうしてオンラインサミットにしないの?』と聞かれます。でもこういう時代だからこそ、私はあえてこうして人々が同じ場所に集まり、in-person(対面で)サミットをする重要性を感じているのです」

とスピーチ。今年のMCを務めたツイッター社のリーダーシップエグゼクティブMichelle Gale氏も、

「Wisdom 2.0は一つの大きなコミュニティーです。ここで出会う人々はマインドフルネス意識を共有して、デジタル社会で有意義な人生を生きてゆきたいと願っている似た者同士」

と語り、このサミットが一つの大きなコミュニティーであることを訴えました

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参加者の中には、このサミットにくるのはもう4、5回目というリピーターも多くみられ、「去年のサミットで知り合った人と今年は一緒に参加しているの」と話す人も珍しくありません。会場ではすれ違う参加者同士が微笑み合い肩肘張らない気軽なネットワーキングが行われ、オープンでフレンドリーな雰囲気です。また、1日の終わりにはラウンジエリアでパーティーが開かれ、ラウンジエリアは夜遅くまで賑わいます。

マインドフルネスを習慣化し、個人そして企業を変えていく

元々は仏教の教えであったマインドフルネスが西洋に渡り最初のブームとなったのは1960年代頃だと言われています。

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今回のサミットでは、西洋マインドフルネスのパイオニアと呼ばれている、マインドフルネスストレス軽減法(MSBR)の創始者でマサチューセッツ大学医学博士のジョン・カバット博士を筆頭に、女性禅仏教僧ジョアン・ハリフォックス老師、そして西海岸を拠点にマインドフルネスを広めるジャック・コーンフィールド氏らがメインスピーカーとして参加。マインドフルネスの基本「思いやりと慈悲の気持ち」に触れ、忙しい現代人達に、立ち止まって自分自身の心にチェックインし、エゴと切り離した自分とつながることの大切さ、そして自分自身に思いやりを持つことの大切さを語りました。

また、ボディーワークを通して「エンボディーメント・リーダーシップ」をトレーニングするStrozzi Instituteの創始者、リチャード・ストロッツィ・へクラー博士は、体につながり呼吸を整えてセンタリングする簡単な瞑想を紹介。瞑想の後は会場全体のエネルギーがグラウンディングされて一気に穏やかに。

そして、グーグルのエンジニアでマインドフルネスリーダシップインスティチュート“Search Inside Yourself”の創始者、チャンディー・メン・タン氏は、マインドフルネスの意識を身につけて余計な感情を手放す方法について講義し、個人それぞれが深いインナーワークを意識することの意義を語りました。

ほかにも、UCLAのマインドフルネスリサーチセンター創設者、ダン・シーゲル博士による神経生物学を応用したマインドフルネスな人間関係や社会とのつながりの講義や、中国の資産家で思いやりのある企業を育てるNPO財団Evolve Foundationの創立者Bo Shao氏による、未来の企業のあり方、そして自分を知ることの大切さについてのスピーチなどもあり、「思いやりと優しさ」を個人レベルからコミュニティー、企業レベルで意識することについてさまざまな視点から語られました

フェミニズムを意識した面も

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グーグルのエグゼクティブで産業心理学者のカレン・メイ氏やツイッターのミシェル・ゲール氏、そのほか女性起業家や女性リーダーを育てる団体の代表たちが集い、組織におけるマインドフルネスを女性リーダーたちの視点で語るディスカッションもありました。

その中でも特に印象的だったのは、男性のリーダーシップは結果やゴールにフォーカスするのに対し、女性はよりプロセスを大切にするというトピック。プロセスを大切にし、チーム全体に思いやりのエネルギーを持ちながらリーダーシップをとるスタイルは、まさにマインドフルネスの意識です。フェミニンなリーダーシップが不利だと思われていた時代はもう過去のこと。これからはパワフルでかつマインドフルな女性リーダー達が新たな時代を築き上げていくのだと期待感が湧きます。

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そして、昨今ソーシャルネットワークで話題になった#MeTooムーブメントの発起人、タラナ・バークさんもメインスピーカーの一人として今回のサミットに参加。ほとんどの人が、#MeTooムーブメントはハリウッドセレブがスタートしたものだと思っていたわけですが、実は10年以上前に社会運動家のバークさんがセクシャルハラスメントや性的虐待に声をあげる活動として始めたものです。それが昨年、ハリウッドのセクハラスキャンダルを機に一気に広がりました。本人は当初、ムーブメントが大きくなりすぎて、自分の始めた活動が逆に奪われ消えてしまうのではと不安になったとのこと。

でもフェイスブックで交わされる人々の投稿を読み、 #MeTooのおかげで勇気を持って沈黙を破ることができたと語る女性達の言葉に感動して、すぐに自分の執着を手放すことができたのだと語りました。社会運動家としては14歳の時から活動されているとのこと。2017 年には功績が称えられてTime誌のPeople of the Yearを受賞。「誰にでも与えられるわけではないこの大きなチャンスをしっかりと生かして、責任を果たせる自分でありたい。」と語って感きわまる場面もあり、会場がスタンディングオベーションとなりました。

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また、日本人ではときめきお片づけの本が世界中で大ヒットした近藤麻理恵さんも通訳の方とともに登場。一つ一つのアイテムを手にとって、自分の心がトキメクかどうかを確認しながらモノを整理していく作業、そしてモノのエネルギーを感じて感謝と敬意を払う彼女の日本人的感覚は、マインドフルネスの教えに深く通じています。トキメキ感度を高めることで、自分自身を知っていく作業ができると話し、会場を大きく湧かせていました。

本当のユーザーフレンドリーとは

デジタルデバイスやAIのこれからの可能性についても語られました。現在のSNSやアプリは、利用者の脳を意図的に刺激し依存症にさせるようにデザインされていると言われています。学習ツールアプリなどでは、ある意味依存症になることで繰り返しアプリを使うため効果的と言えますが、SNSにおいては休みなくチェックしなければならないプレッシャーから余計なストレスが引き起こされるケースもあり、10代の参加者からエンジニア、デザイナー達に真のユーザーフレンドリーについて疑問が投げかけられる場面もありました。

グーグルやアップルではAIに思いやりや直感力の機能を学ばせる研究が進められているとのこと。ちょっと不思議な気もしますが、人とデバイスの関係が変化していく未来が遠くないことを予測させられました。たとえば、「気分が下がっているんだけど、どうしたらいいかな?」とスマホに話しかけると、「では呼吸法とメディテーションで心を整えましょう。」と、スマホが自動的にメディテーションアプを起動してくれたりする日もそう遠くないようです。

スマホやパソコンなどのデジタルデバイスに生活を支配されていると言っても過言ではない現代人。リサーチによると、一般人がスマートフォンを触る回数は1日でなんと2500回以上。スマホ中毒と呼ばれるヘビーユーザーだとその2倍近くの回数になるそうです。幅広い知識が簡単に手に入り、多くの人と一瞬にしてつながることができる現代社会には大きな利点も多い反面、全てのことが広く浅くなり、弊害も起きています。デジタルデバイスとのどんな風に付き合っていくべきかについて企業任せにするばかりでなく、一人一人が意識していくことの大切さを認識させられました

個人、そしてコミュニティーへ

会場で繰り返し使われた言葉には、マインドフルネスのサミットだけあり、思いやり・親切心・感謝・愛、などがありますが、ほかにも、セルフ(自分自身のコアの部分)やインターコネクテッドネス(生きとし生けるもの全てが繋がっているということ)という言葉もあり印象的でした。参加者には起業家や経営者、医者、教育者、コーチなども多く、マインドフルネスの意識をコミュニティーへと拡げる活動を続けていく意思表明をする場面も見られました。2009年にWisdom 2.0の第一回目のサミットが開かれた時には数百名の規模だったそうですが、現在は世界30カ国以上の人々が集まる大規模サミットに成長し、ニューヨークでのサミットやハワイでのリトリートも企画されています

そして最後に、マインドフルネスは日常的に習慣化して役立てていくもの。サミットではパプアニューギニアのことわざ、「Knowledge is only rumor until it lives in the muscle(知識はきちんと筋肉になるまではただのうわさ話でしかない)」が紹介され、ここで学んだことを筋トレのように習慣化して、鍛え続けていくことを改めて認識させられました。

Wisdom2.0

二村桜子

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