身近な存在になった糖質オフ。いい面もたくさんありますが、やりかたによってはメリットを感じられない場合もあるかもしれません。そんな例について考えてみました。

タンパク質をしっかりとることで肌の調子も上々に

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メリットといえば、前回ご紹介したとおり、タンパク質などをしっかりとれることだと私は考えています。  

身体は約60%が水分でできています。さらにタンパク質が約18%、脂が約16%、ミネラル等は約6%といった具合。つまりタンパクや脂質は直接、身体の材料になるということ。  

しかし、とくに外食が多いと、普通に食事をしているつもりでも糖質を食べる割合が多くなりがち。だからこそ、タンパクを意識するのは意味のあることだと感じています。肉や魚を使ったおかずをとることで、ビタミンやミネラルもとりやすくなるのもポイント。これら栄養が整っていくと、肌ツヤがよくなったり、風邪をひきにくくなったりといううれしい変化も。  

糖質の多い食事は血糖値の上がり下がりが激しくなり、食後に眠くなることも多いのですが、糖質オフを続けることでこういう悩みと縁遠くなるのもメリット。午後のデスクワークもはかどります。また、ビタミンB群の浪費も減るため、あの、どうしようもないだるさも軽くなり身体スッキリ。

また極端な場合は別ですが、カロリー計算不要で食べることができるのもラクと感じる人も多いかもしれません。 さらには花粉症の不調がやわらぐことも。

脂もしっかりと。腸もいたわって

ただ、「カロリー信仰」を引きずってしまうとうまい具合にいかないこともあります。たとえば私の場合、糖質を控えめにする代わり、鶏肉の皮や肉の脂身をはずさず食べるようにしていますが、こうしたものを「カロリーが高いから」と排除してしまうと、食事全体のエネルギー量が減ってしまいがちです。

肉の脂に多い飽和脂肪酸はカロリーこそ高めですが、糖のエネルギーを減らすならしっかり取った方が良い栄養。不足分を補充するためタンパク質がエネルギーとして使われてしまい、肌や髪に回らないことも……。

しかも飽和脂肪酸は植物性の油に比べて安定性が高く、シミやシワの原因ともいわれる活性酸素の影響をもっとも受けにくい、つまり老化しにくい脂といえるのです。女性ホルモン作りにかかわるコレステロールの材料にもなる脂でもあります。

糖質ばかりを意識するあまり、食物繊維が不足してしまうことがあるのも気になります。食物繊維の多い食材はさつまいもやごぼうなどの根菜類、雑穀、お米といったもの。糖質の多い食材と重なります。いままでこういった食材をとっていた人が極端に減らしてしまうと繊維不足から、便秘が起きやすくなることも。雑穀には食物繊維のほかビタミンB群も多いので、食事の最後に食べるごはんを雑穀入りにするなど、うまくつきあいたいところです。

また野菜や海藻もたっぷりと。肉を食べるときは野菜を多く添える、具だくさんの味噌汁を飲むようにする、繊維の多いタンパク源、豆類をとりいれるなど、いろんな工夫ができます。

糖質オフというとウエイトコントロールのイメージが強いですが、「からだに必要な栄養をとる」という視点もプラス。内側から身体がととのう感覚が実感できるでしょう。

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