20180208_local_top

年末年始の休みの間、テレビをつけると、あちらこちらで鹿児島特集。旅や、おいしいものや、地元の人との交流だったり。俳優・鈴木亮平さんも鹿児島のまちを歩いていました。そうそう、今年のNHK大河ドラマは、鹿児島が舞台の『西郷どん』。鈴木亮平さん演じる明治維新の立役者・西郷隆盛が主人公です。旅番組に登場する、明るく豪快な鹿児島県人の人柄や風景に触れるうちに、また鹿児島を旅したくなりました。

私が鹿児島を旅したのは十数年前。鹿児島独自のかき氷「しろくま」の発祥店を訪ねて社長に話しを伺いつつ、「かるかん」「げたんは」「ぢゃんぼ餅」をはじめ、鹿児島に根付くおやつの取材をしようと。そんなわけで、日中は甘いもの三昧。夜は焼酎やさつまあげなどの名物を。宿泊に客室の窓や浴場から桜島が目の前に見える「鹿児島サンロイヤルホテル」を選んだのは、少女時代の一時期、鹿児島に住んでいたことのある向田邦子さんが、桜島が見えるホテルのことを、随筆『眠る盃』に書いていたのを読んで。

当時、初めての鹿児島旅の前に勉強の意味で訪れたのが、有楽町の「かごしま遊楽館」。鹿児島では、どんな味に出会えるか、事前に知っておきたいと思って。鹿児島旅本番前のしばらくの間、鹿児島の食材に囲まれ過ごしたことを思い出します。

「かごしま遊楽館」がオープンしたのは平成7年。アンテナショップの先駆けとして、アンテナショップブームを牽引してきました。有楽町という場所柄、仕事の合間や観光で立ち寄る人も多く、鹿児島出身者が懐かしむだけでなく、私のように個人的な思い出を持つ人も多いはず。

1階には、焼酎、さつま揚げ、黒豚加工品、お茶、郷土菓子など取り揃い、晩酌からおやつまでが豊かな時間に。鹿児島旅に役立つ情報コーナーもあります。2階は焼酎や黒豚・黒牛などの名物を味わえるレストラン、3階では工芸品の展示や販売を行なっています。

今年はまだまだ、テレビや雑誌で鹿児島の特集が組まれるでしょう。その都度、目や耳を凝らして予習をし、十数年ぶりの旅の準備をしなければ。

「天寿りんご黒酢」坂本醸造株式会社

20180208_local01

温暖な気候で、良質な地下水に恵まれた鹿児島県霧島市福山町は、世界的な黒酢の生産地。昔から蔵や工場ではなく、野外の壺畑で作られきました。薩摩藩時代に商業港として栄えた福山には様々な物資が集まり、黒酢作りに必要な米や壺が手に入りやすかったのも、黒酢作りが発展した理由のひとつです。

黒酢の原料は、蒸し米、米麹、地下水のみ。こんなにシンプルな材料から、独特な風味と香りが生まれるとは。ひとつの壺の中で、糖化、アルコール発酵、酢酸発酵が自然に進行するのですが、どうしてこのような変化が起こるのか、学術的に解明されていない部分も多いそう。発酵後に半年~3年ほど熟成させることで、少しずつ液色が濃くなり、黒酢が出来上がります。

世界でも類を見ない製造方法で、3年以上かけて発酵・熟成させた壺造り黒酢に、ガラクトオリゴ糖、ビタミンC、りんご果汁を配合したのが「天寿りんご黒酢」。1日に30mlを、水・お湯・炭酸などで4~5倍に薄めて飲むことで、腸内のビフィズス菌を適正に増やし、おなかの調子を良好に保ちます。

「冷凍焼き芋(安納芋)」都食品

20180208_local02

鹿児島県種子島産の安納芋は、ねっとりクリーミーな食感と、糖度が高いことからこっくり甘く、今では焼き芋の定番です。その安納芋を直火でじっくり焼き上げて、冷凍したのがこちら。

電子レンジで3分ほど温めれば、自宅でほかほかの焼き芋を味わうことができますが、それ以上におすすめなのが、“冷やし焼き芋”。冷凍焼き芋を、ほんのり自然解凍させたあと、シャーベット状のまま味わいます

それから、「安納芋は、バニラアイスクリームと合わせるとさらにおいしい」とは、九州で教わった食べ方。冬ならばほかほかの焼き芋、夏ならば冷やし焼き芋と、季節によってアイスクリームとの組み合わせを楽しめます。

「鯖スモーク」馬場水産

20180208_local-3

何年か前に、世界自然遺産の島・屋久島を訪れたときのこと。島の名産品・さば節を作る工場を見学しました。さば節は、屋久島近海で獲れるゴマサバを煮てから常緑広葉樹を燻して燻製にしたもの。鰹節は主にダシをとるのに活用しますが、さば節は、おつまみとしてそのまま食べたり、サラダ・パスタ・汁物など様々な料理の食材にもなると聞いて、おみやげにまとめ買い。スモーキーな香りが独特の風味を生み出すと、料理好きの友人から大好評でした。

屋久島の一湊地区にある馬場水産は、自然の恵みへの感謝と、環境保護の理念から、サバ節を製造する過程の中、通常は捨てられてしまう魚の骨・内臓・煮汁まで、全て余すことなく使用しています。

こちらの「鯖スモーク」は、包丁でカットし、人の手で中骨を抜いて真空パックしたもの。無添加なので、屋久島の自然の風味をダイレクトに感じられます。そのまま食べてもいいですし、好みに合わせてさっと湯通ししても。らっきょう・オニオンスライス・その他季節の野菜と和えて、醤油、マヨネーズ、ドレッシングなどで味付けを。

かごしま遊楽館

住所:東京都千代田区有楽町1-6-4千代田ビル1~3F

電話:1階 食品販売(さつまいもの館)03-3580-8821

   1階 観光案内コーナー(鹿児島県旅行業協同組合)03-3506-9174

   2階 レストラン(遊食豚彩いちにいさん)03-3501-3123

   3階 工芸品展示・販売(鹿児島ブランドショップ)03-3506-9171

営業:1階 食品販売(さつまいもの館)10:00~20:00(土・日・祝は~19:00)

   1階 観光案内コーナー(鹿児島県旅行業協同組合)10:00~18:00

   2階 レストラン(遊食豚彩いちにいさん)11:30~22:00(日・祝は~21:30)

   3階 工芸品展示・販売(鹿児島ブランドショップ)10:00~18:00

甲斐みのりが選ぶ、日本のローカルフード47を見る>>

Ranking

RELATED ARTICLES