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ふんわりあまーい菓子パンの幸せ。子どもにも大人にも好かれる、やわらかくて甘い菓子パンには、ほとんどの場合、バターや卵が使われています。

バターや卵は、お菓子のようなコクや味わいや香りをつけてくれる素敵な材料です。
それに対して、バターや卵だけでなく牛乳やチーズなど動物性の食材を使わないVegan(ヴィーガン)のパン、というと、シンプルな食事パンや、見た目にもヘルシーな雑穀パンなどをイメージする方が多いようですが、やわらかくて甘い菓子パンもつくれます!

今回ご紹介するのは、Vegan菓子パンの、おうちで作れる簡単レシピ。アーモンドプードル(アーモンドの粉)を加えたしっとり&リッチな香りのパンに、ピーナッツペーストとバナナがとろけて、ふんわり漂うココナッツ。「ココナッツ&ピーナッツバナナロール」です。

おうちで作れる簡単パンレシピ

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image via shutterstock

「パン作りは難しそう」というイメージは、誤解です! とても簡単な作り方でも、ちゃんと、パンは焼けます。実はわたし、5年ほど前からひっそりとお酒をのみながらゴハンを食べながらパンをつくる「のみパン」というパン教室を開催しています。 パン作り未経験の参加者がほとんどの「のみパン」ですが、 包丁を使ったことがない方や呑んで少し酔ってしまっている方でも(笑) 自分でつくった可愛い焼きたてパンに出会えています。 パンって、易しくて優しいのです。

「ココナッツ&ピーナッツバナナロール」の作り方

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<材料>耐熱プリンカップ4個分 110cc(直径75mm/底:直径50mm/高さ45mm)

  • 強力粉 110g
  • アーモンドプードル 20g
  • 塩 大さじ 1/2
  • てんさい糖 大さじ 1/2
  • インスタントドライイースト 小さじ 1/2 (1.3g)
  • 豆乳(42~43度) 80~85cc ※手でこねて固いようなら5ccずつ足して調整する
  • 太白ごま油 大さじ1

(成形用)

  • バナナ 大1本
  • ココナッツファイン(細かいもの)大さじ2
  • ピーナッツペースト 大さじ2~3
  • (焼成用)砕いたピーナッツ 適量

<作り方>

◎材料をあわせる

1.強力粉とアーモンドプードルをよく混ぜ、半量をボウルに入れ、残りの半量をとっておく。

2.(1)のボウルに砂糖、イーストを入れ、よく混ぜ合わせたら、ボウルの中央にくぼみをつくり、42~43度にあたためた豆乳を入れ、木ベラでしっかり混ぜたら、太白ごま油を加えてさらに混ぜる。

3.とっておいた粉に塩を加えたら(2)のボウルに合わせ、木ベラでひとまとめにする。

◎こねる

4.台の上に出し、手でこねる。ベタベタと手についても気にせず、生地をねじり切って重ねる、押しつぶす、台にすりつける、を繰り返し、ダマのない滑らかな状態にする。

◎1次発酵

5.なめらかな表面で包みこむように生地を丸め、きれいな面を上にしてボウルに入れる。ラップをかけ35~40℃の環境で約40分発酵させる。

6.発酵前の1.5~1.8倍ほどに大きくなり、ぷっくりやわらかく緩んだらOK。ボウルからやさしくとり出してひとつに丸めなおし、きれいな面を上にしぬれ布巾をかけて10分休ませる。

◎成形

7.生地を、手またはめん棒で、ヨコ20cm×タテ20cm程度の四角形に伸ばし、ピーナッツペーストをスプーンの背で塗り広げる。このとき上側を2cmほど残しておく。

全体にココナッツファインを散らし、下側にバナナ1本をヨコ一列に置いたら、バナナを芯にした巻き寿司の要領で、手前からくるくると巻く。このとき、生地を軽くひっぱりながら巻くと美しい。ピーナッツペーストが押し出されないように、バナナを少し持ち上げながらふわりと巻きあげる。

8.(7)をスケッパーまたはナイフで4等分にし、耐熱プリンカップへ巻き目を垂直に、きれいな断面が上になるように入れる。

◎2次発酵

9.乾燥しないよう濡れ布巾をかけ、35~40℃の環境で15~20分、生地がひとまわり大きくなるまで発酵させる。

◎焼成

10.オーブンを200℃に予熱する。(9)の上に砕いたピーナッツをトッピングし、180~200℃で11~14分焼いたら完成。

ピーナッツペーストの実力

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価値観を変えてくれたピーナッツペースト 「bocchiピーナッツペースト」
(c)bocchi

実はわたしはずっと、ピーナッツバターが得意ではありませんでした。 独特の匂いとクセや、口の中がぱさぱさするイメージ……。

ところが、3年前に千葉県で丁寧に作られたピーナッツペーストを食べた時、価値観が一変。よい香りがして、ピーナッツ本来の甘みがおいしい! しかもあと味がとってもいいんです。 原材料はピーナッツ、少量のてん菜糖と塩のみ。作り手さんのお話を聞くと、ピーナッツの栽培方法だけでなくその焙煎方法でも格段に味が変わるとか。 中には他の油脂などが加えられているものや、酸化したピーナッツが使われているものも多いそうですが、品質にこだわって作られた素晴らしいピーナッツペーストやピーナッツバターがあることを知り、今では大好物です。

ピーナッツペーストも、Veganに愛されている食材。 またどこかで、料理やお菓子の便利な活用レシピとともにご紹介しますね。「ココナッツ&ピーナッツバナナロール」は、 パンに染み込むピーナッツペーストとバナナの組み合わせが最高です! 幸せなパン時間をどうぞ。

Vegan(ヴィーガン)とは、完全菜食。
動物性のものを一切使わないライフスタイルや、そのような食事のことをさす言葉。 本連載『TOKYO VEGAN』では、おうちでつくれるVeganレシピのほか、おいしい野菜や調味料、世界のVegan事情についてなどをゆるゆると綴っています。

次回はりんごのお菓子、Veganタルトタタンのレシピをご紹介します。どうぞお楽しみに。

>>「TOKYO VEGAN」をもっと読みたい

Profile:大皿彩子 Saiko Ohsara

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Alaska zwei 店主 / 株式会社さいころ食堂 代表 “おいしい企画”専門のフードプランナー。VeganカフェAlaska zweiの運営のほか、食に関わるブランドプロデュース、レシピ開発、空間コーディネート、イベントのトータルコーディネート等を行う。saikolo.jp

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