タルトタタンとは、バターとお砂糖でキャラメリゼしたりんごを型に詰め、タルト生地をかぶせて焼き上げる伝統的なフランス菓子。型から出すときに、りんごの部分が上になるようひっくり返すのが特徴です。
りんご本来の味を楽しむヴィーガンケーキ「タルトタタン」
先日、長野の方からとても美味しい無農薬りんごをいただき、そのりんごを使って大好物のタルトタタンを焼いてみようと思いました。しかし、そのりんごが、そのまま食べてあまりに美味しいので、バターの味と合わせてしまうことをもったいなく思ってしまい控えめな味の植物性素材だけで、Veganのタルトタタンを作ってみようと考えました。同じりんごを使い材料や配合を変えて試作を重ね、結果、大好きな味が出来上がりました。
とてもシンプルなレシピですが、主役は間違いなく、りんごの美味しさ。とろっとカラメル色のりんごを、歯ごたえのある香ばしいタルトと一緒に口に運ぶと……あぁ、りんごと小麦、万歳! フォークがとまらなくなります。
ウィーガンタルトタタンの作り方(レシピ)
<材料>底の取れる15cmケーキ型1台分
- りんご 大3個
- 無香ココナッツオイル(なければなたね油) 大さじ2
- てん菜糖 小さじ1
- 米飴 大さじ1
- レモン汁 大さじ2
(タルト)
- 薄力粉 150g
- なたね油 45g
- メープルシロップ 40g
- 水 15g
- 塩 少々
<作り方>
- (りんごを煮る)りんごの皮をむき、くし形の8等分に切る。りんごを大きめのフライパンに入れココナッツオイル、米飴、てん菜糖、レモン汁を加えてから弱火にかける。
- 木べらで大きく混ぜ、ココナッツオイルと米飴が溶けて全体にまわったら、混ざるのをやめ、なるべく触れずにゆっくり火を通す。りんごのかさが減ってきて茶色く色づいてきたら裏返し、弱火のままりんごに触れずにカラメル色になるまで焼き付けたら、火を止め、冷ましておく。
- (タルト生地をつくる)大きめのボウルにタルトの材料をすべて入れ、手でよく混ぜる。全体がまとまってきたら手の腹で押し付けるようにし、ひとかたまりにして冷蔵庫で15分以上寝かせておく。
- (型に入れる)(3)を台の上に出し、めんぼうで1cm程度の厚さにのばし、型の径にあわせて抜いておく。
- 型に底をセットし内側にうすくなたね油を塗ったら、(2)のりんごをしきつめる。ひとつずつ丁寧に押し入れ、隙間なくきっちりと詰めるのがポイント。すべてのりんごをつめたら、(4)のタルト生地を上にかぶせ、上から軽く押さえる。
- 180度に熱したオーブンで約25分焼き、冷めたらひっくり返してそっと型を外したら完成。
レシピを見ると、ホールケーキ1台に対してお砂糖はたったこれだけ? と驚かれるかもしれません。ゆっくり加熱したりんごは驚くほど甘いため、少しでのお砂糖でも、とても贅沢な味わいに仕上がりますよ。
りんごには、免疫力をアップしてくれるチカラがあるそうです。まだまだ寒い季節も、りんごのお菓子でおいしく風邪予防!? ぜひ作ってみてください。
Vegan(ヴィーガン)とは、完全菜食。
動物性のものを一切使わないライフスタイルや、そのような食事のことをさす言葉。 本連載『TOKYO VEGAN』では、おうちでつくれるVeganレシピのほか、おいしい野菜や調味料、世界のVegan事情についてなどをゆるゆると綴っています。
次回は、卵も牛乳も使わないVeganなのにとろける美味しさのヴィーガンパンプティングの作り方をご紹介します。どうぞお楽しみに。
Profile:大皿彩子 Saiko Ohsara
Alaska zwei 店主 / 株式会社さいころ食堂 代表 “おいしい企画”専門のフードプランナー。VeganカフェAlaska zweiの運営のほか、食に関わるブランドプロデュース、レシピ開発、空間コーディネート、イベントのトータルコーディネート等を行う。 saikolo.jp