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病気との闘いを語ることで強くなれた。映画『彼女が目覚めるその日まで』原作者インタビュー

病気との闘いを語ることで強くなれた。映画『彼女が目覚めるその日まで』原作者インタビュー

ある日突然、原因不明の病に見舞われた女性の、壮絶なまでの闘病の様子と、献身的な家族や恋人の姿を描いた映画彼女が目覚めるその日まで』。実在の女性の身の上に起きた出来事を映画化した作品で、彼女の手記『脳に棲む魔物』(KADOKAWA)がもとになっています。

今回は、その病気「抗NMDA受容体脳炎」を克服し、ニューヨーク・ポスト紙の記者として働く映画の主人公のモデルとなった、原作者スザンナ・キャハランさんにお話を伺いました。

病気の経験を発表することはマイナスにならない

――まず、映画を見てどのように感じましたか?

最初は自分を別の人が演じているということに不思議な感じがしました。でも、私には病気の影響で記憶にない出来事も多かったので、自分だけでなく家族や周りの人たちの様子を再現してもらえたのはうれしかったですし、支えてくれた人たちへの感謝の気持ちでいっぱいでした。

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『彼女が目覚めるその日まで』より©2016 On Fire Productions Inc.

――闘病中、苦しんでいるシーンも出てきますが、見ていてつらくなりませんでしたか?

何度も発作を起こしたり、感情がコントロールできなかったりしたこともあったようですが、何も覚えていないんです。だから、他人事のように見えて、逆につらかったです。病名が分かるまで何度も検査を受け、ついに原因が分かったとき、医師が「僕が助けてあげる」と言ったシーンでは思わず泣いてしまいました。

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『彼女が目覚めるその日まで』より©2016 On Fire Productions Inc.

――もともとスザンナさんは、ニューヨーク・ポスト紙の記者として順風満帆の日々を過ごしていました。そんな中で、抗NMDA受容体脳炎を経験し、さらに手記や映画として発表することは勇気の要る行動ではなかったでしょうか?

私には何も言わずに過ごすという選択肢はありませんでした。むしろ「たくさんの人のために伝えなければならない」という想いだったんです。これでキャリアに傷がつくとは思いませんでしたが、ひとつ心配だったのは、病気のことを正確に伝えられるかどうかということでした。

「自分のストーリーを語ること」がもたらした変化

――すでに映画が公開された地域もありますが、反響はいかがですか?

今も毎日たくさんのメールが届きます。同じ病気の人や、その家族、またこの作品によって抗NMDA受容体脳炎について知ることができたという医師からもメールをもらいました。

また、病気とは関係なく、さまざまなことが理由でトラウマを抱えた人たちから、自分にとって癒しになったという感想もいただいています。もともと書籍を出版したときは、病気に対する認知を広めることが目的でしたが、こうした予想外の反響があったのはうれしい誤算でした。

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『彼女が目覚めるその日まで』より©2016 On Fire Productions Inc.

――日本でも多くの女性が共感すると思います。難しい病気を乗り越えたスザンナさんですが、どんな女性にも人生で乗り越えなければならないことが多いように思います。

そうですね。今、さまざまなところでセクハラが大きな問題として取り上げられていますが、女性というだけで我慢を強いられる場面もあります。女性として生きるということには、男性に分からないさまざまなハードルがあります。そうした状況を変える方法は、「自分のストーリーを語ること」だと思います。女性たちが自分に起きていることを語ることで、男性にも女性が生きていくうえでの難しさが伝わるわけです。

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『彼女が目覚めるその日まで』より©2016 On Fire Productions Inc.

――では、最後に教えてください。スザンナさんは抗NMDA受容体脳炎を経験したストーリーを語ったことで、何か変化があったと思いますか?

はい。何より自分自身が強くなったと思います。闘病中のことを掘り下げる機会があったおかげで、過去と健全に向き合えるようなりました。今は病気のことを伝えようという使命感をもって過ごしています。

――勇気の出る話を伺えてうれしかったです。今日はありがとうございました。

彼女が目覚めるその日まで

2017年12月16日(土)より、角川シネマ有楽町 他 全国ロードショー配給:KADOKAWA©2016 On Fire Productions Inc.

北舘和子

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