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蔵王、月山、鳥海、吾妻、飯豊、朝日などの山々に囲まれ、米沢から庄内平野まで最上川が流れる山形県。面責が広く、さらには地勢や江戸時代の幕藩体制の名残りから、各地域それぞれ少しずつ文化が異なり、それゆえ個性的な食文化が根付いています。例えば、山形名物「芋煮」の味付けや材料も、内陸は醤油と牛肉、庄内では味噌と豚肉というふうに。

山形県のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」1階に並ぶ食材の豊富さも、山形の食文化が豊かであることのあかし。冬は寒さが厳しいため、保存食も様々あり、乾燥あらめ、天日干しきくらげ、干し椎茸、なす干し、さらには古代米黒米など、需要の多い山形らしい食材を、量り売りしています。

山形直送の米や野菜や果物などの農産物や、農水産加工品。質のいい牛肉・豚肉を味わえる畜産加工品。味噌や醤油のような調味料。故郷の味の漬物芋煮の材料。とちもち、くるみゆべし、ミルクケーキなどのお菓子。果物王国らしいワインや、米どころならではの日本酒

団子のようにまるいこんにゃくを串刺しにしてダシに浸した山形名物「玉こんにゃく」の販売コーナーから、ぷ~んと漂う香ばしい醤油の香りを感じながら、夢中で食材選び。どんなふうに料理したらいいのか、分からなかったり、興味のある食材は、商品アドバイザーを兼ねたスタッフに尋ねることもできます。

2階には、山形県鶴岡市のイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」のシェフ・奥田政行さんがプロデュースするレストラン「AMAGATA San-Dan-Delo」(ヤマガタサンダンデロ)が。一風変わった店名は、「山形産ですよね(山形産だんでろ)」を意味する酒田弁に由来。同じく2階には、山形への旅に役立つ観光情報コーナーもあります。

「乾燥 ラ・フランス」蔵王ウッディファーム(左)
「いちじくチップ」オーエ(右)

20171207_kai__01.jpg「果物王国」と呼ばれるほど、多くの果物が栽培される山形県。夏は暑く、冬は厳しい寒さで、四季がはっきりしていること。昼夜の温度差が大きい気候や、豊富な水や澄んだ空気。おいしい果物が育つのに適した風土や条件が揃っています。中でも山形といえば、全国生産量の7割を占めるさくらんぼが有名ですが、ぶどう、メロン、すいか、もも、かき、ラ・フランス、りんご、いちじくなど、一年を通してみずみずしい果物がふんだん。果樹園が立ち並ぶ「フルーツライン」なる道もあるほどです。

「おいしい山形プラザ」にも山形から旬の果物が届きますが、常時いろいろな種類が揃っているのが、自然の甘みや酸味がぎゅっと凝縮するドライフルーツ。ヨーグルトに混ぜるのもよし、そのままおやつに味わったり、ワインのおともにも。

四方をぐるりと山に囲まれた村山盆地の最南端にある「蔵王ウッディファーム」の乾燥 ラ・フランス最上川の舟運で栄えた大江町「オーエ」のいちじくチップ。どちらも無添加です。

「薬元米 玄米珈琲」菊池農園

20171207_kai__02.jpg薬元米とは、有機栽培のふる里と言われる山形県高畠町で栽培される、通常の玄米よりもミネラル濃度が高い玄米オリンピック選手が取り入れていることもあり、別名でオリンピック米とも呼ばれているそう。

「薬元米 玄米珈琲」は、「和法薬膳研究所」を主宰する菊池良一さんが、薬元米のみを原料に作った粉末コーヒーカフェインレスで栄養価が高く、消化吸収は玄米を食べたときよりもいいと言われています。飲み方は、小さじ2杯を150ccのお湯に入れるだけ。パンやお菓子作りにもアレンジができます。

「秘伝豆浅漬」佐徳

20171207_kai__03.jpg他地域でもよく知られているのが、山形の海側に位置する庄内地方の名産品・だだちゃ豆。それに対して、山形の内陸地方で栽培され、地元の人には「庄内のだだちゃ豆、内陸の秘伝豆」と言われるほど馴染みがあるのが、青大豆の一種・秘伝豆大きさ・甘さ・香り・張り、どれをとってもすばらしいことから、その名がついたと言われています。山形では昔から保存食として食べられることが多く、乾燥豆の他、秘伝味噌や秘伝豆腐は高級品として食されてきました。大粒の実は、甘みと旨みが際立ち、ぽりぽりの歯ごたえも人気の理由。その秘伝豆を程よい固さに茹でて、昆布だしがきいた漬けダレに漬け込んだのが「秘伝豆浅漬」。ごはんやお酒が進むさっぱり風味。鶴岡の老舗漬物店が作っています。

おいしい山形プラザ
住所:東京都千代田区銀座1-5-10 ギンザファーストファイブビル1F・2F
電話:03-5250-1752
営業:10:00~20:00(年末年始のみ休)

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