すき焼きや鍋料理の食材として定番の「春菊」。βカロテンが豊富で、ビタミンB群やミネラルもたくさん含まれているので、風邪予防のためにも摂りたい野菜です。
そうわかっていても、あの独特な苦みが、正直少し苦手だなと思っていたところ、「春菊をおいしく食べるには、しゃぶしゃぶのようにサッと茹でるくらいの加熱にとどめるのが正解」という意見が。その「正解の味」を早速試してみたくなりました。
春菊を最大限に美味しく食べるコツとレシピ
伊勢丹新宿店・フレッシュマーケットの鈴木理繪シェフによると、2つのコツで春菊は劇的においしくなるのだとか。
【コツ1】かたさの違う葉と茎に分けて、別々に加熱する 【コツ2】さっと加熱して苦みをおさえ、香りと食感を引き立たせる
(「FOODIE」より引用)
買ってきたままの春菊をざくざく切って、一度にドサッと鍋に入れるのではなくて、すぐに食べる分量だけを鍋に入れ、葉と茎それぞれの美味しいタイミングで取り出して食べるのが正しい食べ方なんだとか。
そんなコツをおさえた、「春菊の豚しゃぶ」のレシピがこちら。
<材料>(2~3人分)
春菊…1束
豚しゃぶしゃぶ肉…200~300g
豆腐…1丁
だし昆布…1枚
ポン酢しょうゆなど好みのたれ…適量<作り方>
1. 春菊は葉を1枚ずつ摘み取り、茎は長ければ折る
「葉野菜は包丁の金属を嫌う(=アクが出やすくなる)ので、手で葉を摘み取ります。茎も手で折りましょう。わざわざ葉と茎を分けるなんて面倒だと感じるかもしれまんが、これをやるかやらないかで、美味しさに大きな差が出ます」(鈴木シェフ)
2. 鍋に水、昆布を入れて火にかける
鍋に水と昆布を入れて火にかけ、ふつふつ沸いてきたら豆腐を入れて、弱めの中火にする。
「しゃぶしゃぶのときは、常に沸騰させずに表面がゆらゆらするくらいの火加減がベストです。グラグラ煮立てると豆腐が割れて、肉がキュッとかたくなってしまい美味しく食べられません」(鈴木シェフ)3. 春菊の茎と豚肉、葉の順に入れて食べる
春菊の茎は豚肉と一緒に鍋に入れて、肉の色が変わったら取り出して食べる。茎の太さによるが、だいたい鍋に入れてから15~20秒が目安。
「春菊の茎と豚肉は火通りがほぼ一緒なので、茎4~5本と肉1枚を一緒につまんでしゃぶしゃぶするのがおすすめ」(鈴木シェフ)
春菊の葉は鍋に入れ、10秒ほどして色が鮮やかになったら、すぐに取り出して食べる。
「春菊の葉は肉のうまみと脂が出汁に溶け出たあとに、鍋に入れて食べると、より美味しく食べられます」(鈴木シェフ)(「FOODIE」より引用)
こんなに春菊を丁寧に扱ったことありませんでした。サッとしゃぶしゃぶすると、春菊は鮮やかな美しい緑色に。苦みよりも爽やかな甘さが強く感じられて、これまでの春菊とは別物のようでした。
面倒くさがって、一度にドサッと入れて、クタクタになるまで鍋に残していては、アクが出て黒く変色し、苦みが強くなるのも当たり前。ほんのひと手間、プロのコツをおさえることで、この冬はいつもよりおいしく春菊が味わえそうです。
[FOODIE]